つれづれに

北海道の旅(11) 

2017年12月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:旅日記 

第11日 
 
朝と言ってもまだ3時半で暗い。あと1時間ほどで夜明けだ。目が覚めてしまったのですぐに走ることにした。
お馴染みの夜中の黄色点滅信号はここ北海道にはないようだ。
層雲峡をめざしてひた走る。朝8時を過ぎた頃、途中でキャンプと牧場についてのミニ・テーマパークの案内看板が目に止まり、朝早すぎるので時間調整に立ち寄った。もちろん誰もいなかったが、北海道らしい写真に使えそうなスポットをいくつか見つけて、暇をつぶした。
層雲峡温泉は10軒以上の旅館・ホテルがある、ちょっとした規模だ。ホテルで朝風呂をいただく。 
近くに有名な写真家の作品展示館があって、有料だがおもしろそうだと入る。意外だが、展示作品の写真撮影はOKだと言われた。北海道の大自然を撮った大きなサイズも多く、2m角以上のものも。
購入希望の相談は係にどうぞとあったので、話のタネに、中くらいのサイズで気に入ったものの値段を聞いてみた。10〜15万くらいはするかも?ということだった。とても手が出ない。でも値段は納得できなくもない。 
なぜなら、今回私も、後日行った納沙布岬付近で海に沈む夕日の写真を撮ったが、カメラを据える場所を求めて、腰丈より高い草をかき分けて歩き回った。100m程前進したら湿地に足を取られて前へ進めない。
ならばと道路まで戻り、小高い所まで這い上がり、やっと気に入った所に三脚を据えた。
太陽が海に落ちる時間待ちと、泥にまみれた靴で歩き回る時間を合わせて、実に1時間半を費やした。
その収穫は、自分にとってのみ価値があるだけの、たった1枚の写真であった。見る人の心を揺さぶる作品1枚のために、写真家は恐らく数日をも費やすこともあるだろう。勿論気に入ったものが撮れなければ、時間と労力、経費は水泡と消える。

私も及ばずながら人に歌を教える時に、生徒によく言うことがある。
歌う時に心がけるのはただ一つ。どう歌えば聞く人の心に、ぐさりと突き刺さる歌になるか、その策を練って歌いなさい。歌の技術は勿論必要だが、それだけでは人の心はつかめない。どこかの偉い先生みたいな事を言うようだが、私は常にそれを考えて歌う。
お陰さまで、最近では「うまい!」よりも「すごい!」の言葉をよく頂戴する。
旭川には午後2時半頃着いたので、今夜は久しぶりにカラオケで遊ぼうと、ネットで街のカラオケ店を検索。
数軒の中から選び、電話で夜の営業を確認して夜を待つ事に。コインランドリーで洗濯を待つ間、ボーっとして脳ミソにもつかの間の休息を与える。これも大事だ。
夕食は外で食べることにして、ビジネスホテルに素泊まりの予約を入れた。
カラオケ店には開店の19時ちょうどに入ったが、すでに3人の客がもう歌っている。「早っ!」 えらく綺麗な店ではなかったが、ママ(つーか、おばさんと呼ぶのが正解)と、少し若い手伝いの女性が忙しく料理を作ってる。普通カラオケ喫茶では見慣れない様子だ。聞くと、この店では客に夕食を食べてゆっくりしてもらうのだという。今夜の私にはまさに、願ってもない店だ。2時間ほど遊んだが勘定は2千300円。おむすび・1皿の料理・ソフトドリンクとノンアルコールビール2本と歌い放題なので決して高くはない。
おまけに、店を出る時に、「ゆで卵をこしらえたから、明日朝車の中ででも食べろ」と言う。常連客にならまだしも、旅の行きずりの客にこのサービスは尋常ではない。また旭川に来ることはないだろうが、あればただではおくものか。まさにここ北海道の人情に触れたような気がした。
今朝3時半から動いているので、ホテルでシャワーの後ベッドで横になるとすぐに爆睡。夢を見る間もなく翌朝になった。

 ※@これぞ北海道の朝   A展示館の展示物 



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