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たかが一人、されど一人
読後感「藤村文明論集」十川信介編
2017年12月25日
テーマ:テーマ無し
島崎藤村の小説を読んだことが無いが、「千曲川のスケッチ」とか随筆風の軽い読み物と、「初恋」に代表されるロマンティックな詩については少し知っている。そして信州出身の作家なので親しみを覚えていたかもしれぬ。偶々書店をひやかしていたとき目について読んでみた。藤村は明治5年の生まれだから我が祖父母より少し年上である。その割にすごく親近感を感じていたのは彼が生涯若々しい精神を持っていたからだと思う。明治5年と言えば、国内はまだ江戸時代のような雰囲気だったのではなかろうか。男子の会話は「左様、然らば・・・でござる。」てな調子であったと言われてもびっくりしない。生まれは山深い木曽路の宿場町、後に小説のモデルとなった父はこてこての国粋主義者で、狂気の血が流れていて、実際に自殺している。藤村も幼い頃から漢文の素養をきっちり叩き込まれている。しかし父の教えに反発して一方で広い世界に憧れ、外国語を熱心に学び、結果的に華麗な文章とロマンティックな詩歌を綴る文学者に成長していく。しかし心の奥で、父の教えと自ら発見した新しい価値観との深い葛藤があったことが伺える。本書を読むだけでは幼き日の教育の詳細は分からないが、9歳の時に父の膝下を離れて上京したように書いてある。と言うことは9歳までに漢籍の素養を習得していたことになる。本書は42歳、初めてフランスに旅立つ時からの紀行・随筆で始まり、大正末期から昭和の初め頃の社会時評で終わっている。友人が教えてくれたが、そもそも彼が渡航に至ったのは、姪に手を出してしまったことでの社会的非難からの逃避行だったとのこと。娶った姪のことは少し出てくるが、言い訳めいたことは書いていない。本書で一貫して流れているのは欧米(彼は3年間の渡仏の後に北中南米も旅行している)と我が国の文明比較である。但し、比較してどちらを取るべきかについては強調するところが無い。そこが福沢諭吉の文明論と少し趣を異にしている。福沢は武士、藤村は飽くまで平民出身故だろうか?驚くのは大正末期の日本に対する観察である。大正ロマンとかモダンと言われ、非常におおらかな時代だから、藤村のような文学者が生まれたと勝手に想像したがそうでは無さそうだ。当時は既に戦争の足音が近づき、現代以上に国民の間に緊張感が漂っていたようでもある。藤村が紡ぎだした言葉のよって来るところは、すべて幼い頃から勉強を重ねて古今東西の文学芸術に親しみ、その中から自ら普遍的価値を追求した結果に違いない。兎に角大正年間にあって日本の一文学者に過ぎない彼がが接した古今の作家、作品名の豊かさは驚くばかりだ。現代日本文学作品はあまり読まないし、作家にも敬意を持たないのに、当時は悖徳(現代の辞書には出てこないが、人非人とのことだろう)とされた作家をあまり褒めてもいけないか。
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