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独りディナー
オン・ザ・レイク
2014年12月24日
テーマ:旅
15年程前、ドイツのボーデン湖畔にある、コンスタンツを訪れた事がある。
最寄りの国際空港が、隣国スイスのチューリッヒ、という小さな街だ。飛行機の時間の関係で、チューリッヒにまず泊まった。
その夜は、何かのお祭りがあったらしく、ホテルの傍は行き交う人達や屋台などで、大変賑わっていた。 私はそこで食べた、夕食の付け合せに盛りつけられたポテト料理、レスティの美味しさが忘れられない。
翌日は日曜日だったので、ホテルで教えて貰って近くの教会へ行った。本場のオルガンの音色が聴きたくて。
ヨーロッパにやってきたんだ、という実感が周りに溢れ出てくるようで、中々の感動だった。
出口で、牧師さんに挨拶されて、「家内が、オルガンを聴きたいと言いまして・・」と答えた主人には、「失礼だから、もうこんな形で教会へ行くのはやめようよ」と戒められたけど・・。
チューリッヒからコンスタンツまでは、電車で二時間位だっただろうか・・。
駅の改札口の様な、簡略な入国審査の場所では、審査官がわざわざ仲間を呼び寄せて、私達のパスポートを珍しげに眺めていた・・。
ボーデン湖は、ドイツ、スイス、オーストリアに囲まれた、大きな湖で、私たちは湖畔のコンスタンンツの側にあって、短い橋でつながっている小さな島に滞在した。
その島全体が、かつては修道院の建物だったという、アイランドホテルの敷地になっていて、湖に囲まれたそこから眺められる景観は、それは素晴らしいものだった。
そこで開催された会議に出席した人々は、殆ど夫人同伴で、私も他の夫人達と共に、一週間ばかりの素敵な時間を過ごしたのだった。
そう、それは本当に素敵な時間だった。
「明日のレディース・エクスカージョンに参加したい人は、明朝10時にロビーに集まって下さい。」
最初の夜の歓迎会の席で、簡単なお知らせがあっただけで、翌朝10時になったら、集まった人の数だけ確認して、三々五々という感じで歩き始める。
案内役はドイツ人のイングリッドさん。今回のレディースプログラムは全て、議長夫人の彼女が手配してくれたらしい。
ちょっと小柄な、素晴らしい美人である。エキゾチックな雰囲気の洋服を、個性的に着こなして、パッと目を惹く様子にもかかわらず、シャイな性格なのか余り多くは喋らない。
全く英語を話さない、フランスから来た会長夫人達三人組を、流暢なフランス語で相手をしているのが、又何ともかっこよい。
船に乗って、他の島に渡る。 長い歴史のある島らしく、古い要塞があったり、階段を昇っていく道の両側には、小さなお土産屋さんがずらりと並んでいた。
どことなく、宮崎駿のアニメで見たヨーロッパの田舎町の様だった。
昼食は、高台にあるレストランのテラスで、イングリッドさんは、いくつかのテーブルに思い思いの相手と腰かけていた私たちの間を縫って、メニューの説明をしてくれている。
余りに、その説明が詳しいので、「どうして、そんなに良くご存じなのですか?」と訊いてみると、彼女は淡々と 「アイ・ウォズ・ボーン、 オン・ザ・レイク」 と、言ったのだ。
この表現は、聞き憶えがあるな、とその時思った。
ずっと昔、カナダに住んでいた頃。
湖のほとりのお宅でパーティがあって、「ハー・ハウス・イズ、 オン・ザ・レイク」と、その場所を教えてくれた人が言ったのだ。何て素敵な表現だろう、と強く印象に残っていた。
つまり、イングリッドさんの実家は、このすぐ近くなのだった。
毎日、ゆったりと近隣の植物園や、美術館などを案内してもらって、そのうち夕方になると、会議を終えた旦那様たちが、どこからともなく、といった風に合流してきて、ディナーが始まる。
船上で夕食があった夜。生のバンドが演奏していて、皆の食事もそろそろ終わりかけた頃。イングリッドさんとご主人が立ち上がって、二人で踊り始めた、そのさりげなさ・・。
皆の拍手を聞き流しながら、イングリッドさんが席に戻ると、旦那様が今度は、フランスの会長夫人に、手を差し伸べたのだ。
驚いた様に笑いながら立ち上がった、優しいおばあちゃまと言った雰囲気の彼女は、先ほどお土産屋のジーンズショップで試着していた、その新しいデニムのブラウスとスカートの装いで、シックに踊り始めたのだった。
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言葉は生き物
特に短く言い切った時のそれには、力があり、美しくもあります。
「On the lake」
何と快い響きでしょう。
そのまま、詩になりそうなくらいに。
それはつまり、多言が文を、会話を、延いてはその人までもを、損なっている。
ということでもあるのでしょうね。
2014/12/24 11:39:24