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たかが一人、されど一人
読後感「嫌いなことから、人は学ぶ」養老孟司著
2015年01月08日
テーマ:テーマ無し
暮れから正月にかけて養老氏の著作を2冊読んだ。暮れに読んだ「大切なことは言葉にならない」も面白かったが、記憶に新しい方だけ読後感を書く。養老氏の著作は随筆なので共通項が多い。その意味でこの読後感も、引用などで多少の混乱はあるかもしない。初めて読んだ「バカの壁」以降、著者の作品には惹かれるものがある。何故ならば、この先生少し浮世離れをしているのが好きなのだ。想像するに、俗に言うところの頭が物凄く良い科学者に違いない。なんたって、東大医学部出身でドイツ留学をしたり解剖学で博士号を取得。人気があるかどうか知らないが、若い時から東大の先生。40代半ばには教授となるが、60歳にならないうちに退職してしまう。しかし退職後8年目に出した「バカの壁」が大ヒット、文筆家としての地位が固まってしまった。才能ある人は何をやっても上手くいくことの典型かもしれぬが、文筆業に溺れたり、それを奢っている訳でもない。「虫屋」と自称して昆虫採集と昆虫観察(生態や解剖)を世界を股にかけて楽しんでいる風情でもある。この趣味がいつ頃から始まったかは、これまでに読んだ著作からは窺い知れぬが、70歳過ぎの小父さんの趣味としては如何にも浮世離れしていて面白い。浮世離れしていようと、しているからこそかもしれぬが、著者の文学的素養は生半の文系大学卒業者には及びつかぬだろう。名前からして「タケシ」と読ませるが「孟司」である。お医者さんの息子とのことであるが、ご両親にかなり文学的素養があったのだろう。兎に角才能の無い奴が地位や権力を求めたがる世の中を、多少皮肉っぽく随筆を書き綴ることができる知識と才能の豊かさは驚くほどのものがある。であるが故かもしれぬが、政権批判とか俗っぽいことは具体的には一切触れないで、現代社会への警鐘をシニカルに展開している。特に自然を大切にする、或いは自然との共生の重要性である。今回読んだ2冊には出てこなかったと思うが、著者の科白で好きなのがこれだ。「科学や医学の進歩なんてなんぼのものだ。口惜しかったら蝿か蚊の一匹でも作ってみろ。」本の内容に触れない読後感になってしまいそうなので、少し触れねばなるまい。本書は著者の専門領域、脳機能の最重要課題かもしれぬ「思想」問題から始まっている。思想の延長線上には宗教があったり戦争があったりするが、そもそも思想とは何ぞやである。生まれ落ちた人間に個別の思想がある筈が無い。そもそも意識とは何かである。同じものを見ても同じ音を聞いても人によって受け取りかたはいろいろ。意識や思想の違いがどこから来るのか、そこを脳味噌なる物体の動きで解明しようとするのだから容易ではあるまい。この本を読んで理解できたつもりはないが、受け止めた感覚にどう反応するかに問題がありそうだ。少し飛躍するが、意識には[同じ」と「違い」に問題があることを思い知らされた。内容から抜き出して少し説明すると、「リンゴ」と「梨」の例がある。この二つを見れば、誰でも「リンゴ」と「梨」と違いを意識できる。しかし、この二つは「果物」としては同じと意識することも可能。これは意識に階層変化があると言うことらしい。更に階層を上げて行けば、「リンゴ」は「さんま」と同じ食物にもなり兼ねない。下らない話と思いきや著者が考えるに、脳に伝わった感覚と意識上の同異は思想的に重要な意味を持つらしい。人種によって異なる言語も、この「同異」の理解如何でかなり異なっていることに気が付いている。英語の定冠詞と不定冠詞「a book」と「the book」、日本語の接続詞「は」「が」の違いも意味をよく知らなかったが、思考回路との関係で見ると面白い。特に中国語には一切これが無いが、このような観点から中国人の思考「華夷思想」への考察を試みている。何れにせよ多分に哲学的にも思うが、これを科学的にアプローチするのだから、正月早々知的で面白い読み物だった。
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