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英会話クラスは稀有な場所　

2015年02月16日
テーマ：シニアライフ

東京に住んでいた頃、早稲田大学が近かったので、「社会人の為の公開講座」に通っていた時期がある。

まあ、私が行こうと思ったのは、いずれにしろ、「英会話クラス」なのだけれど・・。

三種類位のコースに、通ったかな。


一つのクラスは結構大人数で、まあ不運と言うべきか、早稲田ＯＢのおじさまと、現役の早稲田生と、それに早稲田生のお母さん達が大半だった。

近いだけが縁という私は、まあ居心地が良いとも言えず、内容も勿論難しく、一学期でリタイヤ。


それに引き替え、次に通った午前中のクラスは、少人数で楽しかった。

こういったクラスは、メンバーのカラーと自分との相性が全てともいえる。

ご主人が商社に勤めていて、海外暮らしが長かった人。

これから、余生をマルタ島で過ごそうと計画していた人。

子供さんたちが、某国立大学の付属小に通っている、ちょっと若手のお母さん。


若手のお母さんの話は、非常に特殊な学校教育らしい現場の様子が聞けて、話題の内容がとても面白かった。

海外暮らしの長かった人は、英語能力の差は、私とは天と地ほど違うのだけど、何となく馬があったなあ。


或るとき、終わってから銀座の資生堂へ、サロンコンサートを聴きに行くというので、同行したことがあった。

開始時間は午後だったので、その前にお昼ご飯でも食べましょうと「木曽路」というお店に、何となく入ってみた。

丁度、ボジョレー・ヌーボー解禁の直後で、「お飲み物は如何致しましょう？」と訊かれて、迷うことなくボトルを注文。


すっかり話に興じてしまい、目的のサロンコンサートの開始時間は、何時の間にか過ぎ去ってしまったという、お仲間。


私の周りの主婦には、こういったタイプは少ない。

音楽仲間には、どう転ぶかわからない連中も多いけれど、まあその場合は、こちらの方にもその覚悟があるから、想定外とはならないのだが。


まともそうな主婦達とのお付き合いでは、当然ながらはみ出さずに終わることの方が、多い・・。


当地に越してきて、最初の夏。

一人でお昼ごはんに入ったお店で、「ヱビスビール、400円」という札を見つけた事があった。

嬉しくなって、ランチにビールを追加注文した。

良い気分で、お食事を終えて、レジで支払いをしていた時。

「暑いですね」と話しかけられた。

「ビールのお蔭で、リフレッシュしました」と答えると、そのレジの女性は、

「私は、昼間はビールは飲みませんけれど・・」と言ったのだ。

あれは、どういう意味だったのだろう。

10年近く経つけれど、未だにちょっとつかめない。


ともあれ、英会話クラスに通う人は、基本的に西洋志向の人が多い。

だから、海外暮らしの経験があるタイプは、「きっと話題が面白いのでは・・」と、まず注目してくれる。

それに其処は、海外旅行をした経験談を、何の躊躇することも無くなく話せる場所、という役割もある。

だから、旅行談が、会話のテーマとしてとり挙げられることも多い。

私もそれなりに、色々な国へと出かける機会が多かったので、現地の人との思い出等を話してみると、それも、「なんか面白そう・・」と周りの人達が思ってくれる。


英会話のクラスとは・・。

枠から外れるかもしれない人達が居て、それを密かに待ち受けている私も、快く仲間に入れてくれそうな、


「稀有な場所」なのである。

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