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たかが一人、されど一人

読後感「国防音痴が、国を滅ぼす」豊田有恒 著 

2015年09月14日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

齢75ともなると個人的な固定観念や思い込みが激しいとしたものなので、たまには自分の考えとは正反対の人の意見も冷静に聞く必要もあるだろう。そんな思いで書店の店頭にあった本書に手が伸びた。著者に関する知識は全く持ち合わせていないが、パラパラと見る限り読みやすそうなので休日のレジャー代わりに読んでみた。先ず著者は、2年先輩で武蔵高校から東大医学部進んだ大変な秀才であるが、いろんな経緯があって手塚治虫氏の「虫プロ」の脚本家となって結局はSF作家として名を挙げられたらしい。実に数多くの作品があって「宇宙戦艦ヤマト」の原案設定などにも関わっていたとある。頭が良くて文才がある上に若い頃の不良との付き合いとか、実に多彩な経験を持った方である。SF作品では戦闘場面が欠かせないのだろう、古今の戦争や武器についても常人を遥かにしのぐ勉強をされたようだ。当然ながら小生を含む一般日本人が持ち合わせない豊富な軍事知識をお持ちで、それを我々凡俗にお示し下さる意向からの執筆と拝見した。普段から、国が滅びても自分や家族の安全が保障されるなら一向に構わない、と思っている非国民である。アメリカの市民になろうと中国の市民になっても気にはしないが、その途中で戦争があるのは困る。であるので、国防音痴としては日本のどこに、具体的な戦争の危機はどのように迫っているかを知りたいのだ。そこは流石、作家の先生だけに、国会の訳の分からぬ質疑より遥かに明快である。今現在、米軍が日本に基地を置いて駐留米軍の存在(抑止力)があるので、直ぐには手を出さずにいるが、北朝鮮や、中国、最近では友邦と思っていた韓国迄もが、隙あらば日本を占領しようと虎視眈々と狙っている。と極めて明快に書いている。同時に自衛隊の存在についても、とても軍とは言えない中途半端な存在なので、いざという時にどこまで役に立つかどうか、早いところ軍としての性格をもっと明らかにすべきだ。取り敢えずは現在国会で問題視されている集団的自衛権行使についての異論反論は全くない。SF作家だから戦争の危機とその対処についてはかなり具体的なイメージをお持ちだが、日本国の憲法との関係についての言及はされていない。更には、古今東西の歴史を見るに、人類の歴史は戦争の歴史であり、軍人なくして国家の存立は考えられない。とか、先の世界大戦で日本は不幸にして負けたが、戦争に至ったのは間違いではなかったし、無謀ではなかったとされている。現政権の中心にいる若い議員さんが聞けば、涙を流さんばかりに喜びそうなことが綴られている。冒頭に書いたように2歳も年上の方なので、昔いくら頭が良くても、脳みそがかなり固くなられている感は免れない。この年代の方には反戦主義の方が多く、著者のような立場を取る人は少数だと思う。想像ではあるが、戦後大方の人が食うや食わずで苦しんでいた時代、比較的経済的に恵まれて、若い人たちが喜んで食いついた新しい科学的知識を十分吸収する余裕があったのだろう。その時は極めて柔軟な思想だったに違いないが、人間だれしも同じで、75歳も過ぎたとなると脳味噌が硬直化してもおかしくはない。こちらの硬直した脳も、読後に及んでも「抑止力」についての具体的イメージを持つことが出来ない。悪漢に襲われないようにするには武道を身につけろと言われるような気がする。柔道が良いのか空手が良いか、どんなに高段者になっても、必ずそれより強い奴は出るし、武道に秀でても悪漢との喧嘩に勝てるかどうかは別問題だ。どんな思想信条の人間とも仲良くできる、どんな国とも穏便につきあう努力の方が余程大事だ。なんて考えるので国防音痴と言われてしまうのだろう。

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