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北軽井沢 虹の街 爽やかな風
小説その7
2016年01月15日
テーマ:テーマ無し
翌日、爽太は午前9時になるのが待ち遠しく、朝早くから落ち着かなかった。家から村役場まで距離は約10キロ。有料道路を利用しても、反対方向から県道235号を通ってもほぼ同じ距離で、ぐるっと円を書いた反対側に位置する。地図を見ると、クイーンランドを出て有料道路を進むと料金所があり、この道は便利がいいけれどそのたびに支払いが発生すると考えていたので、その日まで有料道路は利用していなかった。
村役場では小さな申請書に住所氏名を記入し、車検証と一緒に提出すると、150枚綴りの通行券が発行される。手数料として500円必要だが、500円で150枚なら1枚につき3円少々である。軽井沢まで行くのに有料道路を利用すると2か所の料金所があり、片道620円が必要になる。往復で1240円は週に一度しか利用しないといっても大きな金額だ。
難なく通行券を手に入れた爽太は、ルンルン気分で帰路は有料道路を走った。交通量も少なく整備された道路は有料の価値はあるな、と感じながら正面に浅間山を見ながら進むうちに、思わず口笛がでるほどの上機嫌だった。しばらく行くと前方に料金所が見えてくる。
手に入れたばかりの通行券を手に持って近づくが、料金所は無人で「そのままお進みください」と書いてあるではないか、後にわかったのだが、地元民の要望でこの料金所は廃止になったという。その日までわざわざ反対方向の道路ばかり利用していたが、なんだか馬鹿をみたなと、思わず笑いがこみあげてきたのだった。
そもそもこの有料道路とは、浅間―白根火山ルートと呼ばれ、軽井沢から鬼押し出し園、万座温泉、白根山へと上信越高原国立公園の真ん中を縦走する60kmのハイウエーで、そのうちの峰の茶屋から嬬恋村三原までを鬼押しハイウエー、三原から万座温泉までを万座ハイウエーと呼んでいる。現在は株式会社プリンスホテルが運営していて、民間企業が運営する一般自動車道である。
鬼押し出し園は、嬬恋村にある公園で、一帯は1783年(天明3年)におきた浅間山の大噴火の際に流れ出した溶岩で、膨大な量の溶岩が風化した結果、形成された奇勝を巡回できる。〈上州浅間嶽虚空蔵菩薩略縁起〉によると、浅間山には鬼が住んでいることになっている。鬼押し出しの名前は、その鬼の行状が噴火に係わっているとみられることから、押し出したような溶岩の奇異な現象を見た里人によってつけられたものだといわれている。鬼押し出し園は、まさに天明3年の浅間山噴火によって生まれた、溶岩の芸術といえるのだ。
遡ること1919年、この一帯を訪れた西武グループの創業者・堤康次郎が、すでにリゾート地として知られていた軽井沢に比較的近い立地を生かして観光開発の対象とすることをもくろみ、鬼押し出し六里ヶ原の国有地80万坪の払い下げを受け、道路整備を進めた。
詳しい事情は定かではないが、その際、嬬恋村との約束で村民の所有する車両は無料で通行できることにしたようだ。
海抜950mの軽井沢から白根山の麓まで、ゆるやかなカーブを描きながら、大自然に抱かれた快適なドライブが楽しめるハイウエーは、1933年8月1日に供用開始され、日本初の有料自動車道路ではないかと思われる。広々とした高原の爽やかな気配、白煙たなびく浅間山の雄大な眺め、カーブを曲がるたびに新しく開ける山並みは、まさに自然の大パノラマである。
機嫌よく帰宅した爽太は、通行券を見せながら千恵子に言った。
「万座温泉までドライブしよう!」
「うん、行く行く!」
二つ返事の千恵子を乗せて、爽太は思い切りアクセルを踏み込んだ。
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