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北軽井沢 虹の街 爽やかな風
小説その28
2016年06月24日
テーマ:テーマ無し
翌日爽太は指定された午前9時になる15分前にスキーレンタルショップに着いた。その日は社長の息子が私にいろいろ教えるために来ることになっていた。9時きっかりに息子がやってきた。歳の頃20代の後半のように思えたが、てきぱきと爽太にいろいろと教えるが、やはりまったく知らないことなので呑み込みが悪い。
「大丈夫ですか?明日からこの店で仕事ですよ」と言うではないか。
「え・・明日から?デスカ?」
「そうですよ、明日からですからね」
スキーは3種類くらいあった。スキーは数が多いためか、建物の外に出て隣接する別の建物に収納されている。靴とスノーボードは店内にあり、靴は女性用、男性用と置き場所が違う。
スキーのワックスは一応かけてあるが、必要なら客が自分でかけるシステムらしい。
昨日ウエノさんに習ったことを一通りやらされて、一応作業は終わったが、爽太は生まれて初めて冷や汗を経験した。建物の鍵を渡され、ストーブに火をつける方法を聞き、灯油の収納場所を聞いた。息子はちょっと不安そうな顔で、明日から9時出勤で何かあったら社長に電話するようにと社長の名刺を置いて、忙しそうに去っていった。
店内に一人残った爽太は、呆然として力が抜けるようだった。しばらく聞いたことをメモしたノートを見ながら店内をうろうろして、一つだけ置いてある机の前にひとまず腰を下ろした。「明日から」とつぶやいてから、なんだか笑いがこみあげてきた。まあやってみるさ。
何とかなるさ、と自分に言い聞かせ帰路についた。
降る雪を見ながら28年前を思い出している爽太は、この時ばかりはパニックだったと、自然に笑いがこみあげてくる。それはアルバイトの初日のことだった。
出勤して一時間たっても客は来ない。こりゃ意外と楽な仕事かもしれない。まあ自給800円だからこんなものだろうと高をくくっていたが、その30分後。2台の車が駐車場に入り、6人の客が一度に店にやってきた。それは4人の子供連れと2人の若者だった。
家族連れはスキーを若者はボードを借りに来たのだった。ひとまずボードの若者を待たせてスキーにとりかかったが、頭は真っ白で何が何だかわからない。ちょっとすみません、と客を待たせて外に出た爽太は、慌てて社長に電話する。「浅間さん、落ち着いてください」という社長の声にやっと落ち着いたことをよく覚えているが、人間パニックになるとはこういうことかと思った経験は、爽太にとって貴重な出来事だった。そして結局初日はその6人の客だけだった。帰宅してその様子を千恵子に話すと、千恵子は転げまわって笑う。
まあ明日からは大丈夫と、強気を見せるも内心どうなることかと不安もあった。
しかし次の日は、一度に客がくることもなくなんとか仕事をこなしていったのだった。
この店は、高速道路ができて軽井沢まで高速で行けるようになってから客が激減したという。
それまではずいぶんと繁盛していたらしい。この店をやっていくかどうか迷っていた社長が、もう一年だけ営業してみようと思ったという。だから客はそんなに来ない店だったのだ。
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