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皐月・初演の会(落語編) 

2017年05月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

鈴々舎馬桜(真打)、古今亭菊生(真打)、林家はな平(二ツ目)という、異なる門下の噺家三人がメンバーである。
初演の会は、三人が対等な立場で運営されているようだが、実質的には馬桜師匠が座長かも知れない。
会の名前が示す通り、毎回、メンバーが初演の噺を高座に上げている。
月に一回、新たに覚えた噺を遣ることで、持ちネタを増やすのが意図らしい。
また、前月に決めたお題で、月番が創作落語を披露する宿題三題噺も、この会の魅力だ。

定刻、月番の馬桜師匠が、高座に上がった。
先ずは、来月のお題を、決めないといけない。
客からのリクエストで、「カールおじさん」、「弾道ミサイル」、「冷し中華」に決まった。
来月の月番は、はな平さんである。
続いて、馬桜師匠は、今月の三題噺を始めた。
お題は、「オーバーブッキング」、「上皇」、「水族館」である。
合言葉(天皇⇔上皇)が必要な会員制クラブで、隣人の二重人格者について、先輩に相談する男の物語である。
一応、そつなく纏めたが、私には面白いと思えなかった。
ただ筋を通して語っただけで、笑わせ処が少ないように感じた。
また、男性しか居ないクラブに、違和感を覚えた。

二番手に、来月の月番である、はな平さんが登場した。
演題の『天狗刺し』は、元々は上方落語である。
プログラムに、「大須演芸場の公演で、上方落語の林家染吉さんに、稽古して貰った」と、説明があった。
竹竿に糯(もち)を付けて、天狗を獲ろうとした男が、高尾山(鞍馬山)の修行僧を捕まえてしまう噺だ。
非常に珍しい噺だが、子供の頃にラジオで聴いたような気がする。
曖昧な記憶だが、上方落語の桂米朝師(故人)だったかも知れない。
はな平さんの個性が出た、良い口演だった。
サゲの持って行き方が、実にいい。

三番手は、菊生師匠である。
出番が遅い三番手は、毎回、受付を担当している。
受付で顔を合わせるなり、「やあ、先日は」と、云われた。
圓歌師匠の葬儀で、お会いしたことを云っているのだ。
後から来た客とも、色々、言葉を交わしていた。
気配りの師匠である。
演題の『片棒』は、中々、良かった。
とても、初演とは思えない出来だった。
三人の息子の料簡を試そうと、父親の葬式の遣り方を訊く噺である。
銀(次男)が、色々な和楽器を口で真似る場面がいい。
この噺の一番の聴きどころだ。

トリを務める馬桜師匠が、この日、二回目の高座に上がった。
演題の『代り目』は、酔っぱらいが管を巻く噺である。
酔って帰宅した亭主と、女房の遣り取りが面白い。
亭主は、女房におでんを買いに行かせている間に、通り掛かった屋台の饂飩屋に酒の燗をさせる。
燗酒の注文ではなく、自宅の酒を燗だけして貰うのだ。
台所にガスが無い時代だから、夜、お湯を沸かすのは手間が掛かる。
今までに観た高座では、饂飩屋が登場する前にオチになる。
今回のように通しで遣って、初めて演題の由来が分かる噺だ。
先日の銀座風流寄席の『真田小僧』と同様、演題の意味が判るまで聴けたのは収穫だった。
初演と云えども、即、持ちネタになる出来だった。
流石、ベテラン真打である。

   *****

写真
5月29日(月)の昼餉(食堂)と夕餉(自宅)



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みのりさんへ

吾喰楽さん

こんにちは。

現在、落語家は約800人いるそうです。
そのうち、江戸落語は550人くらい。
更に真打は330人くらいです。

落語だけで楽に生活が出来るのは、その一部らしいです。

2017/05/30 10:22:52

落語家

みのりさん

吾喰楽さん

 落語家もたくさんいますね
新弟子のデビューなど
新鮮なのでしょうね

2017/05/30 09:53:04

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