花かるた

アドリア海の女王 2話(完) 

2018年07月14日 ナビトモブログ記事
テーマ:旅行記

船着き場でヴェネツィアの香りを胸いっぱい吸った。
続々と逞しい体のゴンドラ乗りが集まってくる。


白人は男と女の作りがまるで違う。

男は大きく、筋肉が発達して実に逞しい。
女は筋肉が表に出ず、男に比して華奢で小さい
だから女は弱くて、壊れやすいので保護して
守ってやらなくてはならないという事から
レデイファーストが発達した。

一方、アジア人は男と女の体格の差は、それほど
極端には無くて、喧嘩するとまさかに?
男がやられてしまう。それで女は家に閉じ込めて
女は弱いのだ!と常に意識下に植え付けて
おかなくてはならなかった。

こんな、まことしやかな話を読んだことがある。
嘘かホントか?私は妙に納得したが・・

この身体を見るといつもこの記事を思い出してしまう。


――――――――――――――またまた脱線―――

彼らは、私たちを誘ってくれたがゴンドラは高い。

残念だったが、今回もゴンドラは諦めて
水上タクシーに乗り込み5分も走ったら
ホテルの裏口に到着。
案内されたそこは、なんと屋根裏部屋だった。


娘は大喜びである。お洒落と言えばそうだが
私は屋根裏を手配した旅行社に、星一個の低評価を
付ける。恐れた通りその夜は、小さめの一つしかない
ダブルベッドで悪寝相の娘に蹴られながら眠った。




――ヴェネツィアの歴史―――――――

452年に始まり697年にヴェネツィア共和国が誕生した。

その頃から、国の存在をアピールするための
位の高い守護聖人を探していた共和国だったが

エジプトのアレクサンドリアで、ムスリムに、
奪われそうになっていた、聖マルコの遺骸が
あることを知り、ヴェネツィア人はそれを、
横から奪い取って意気揚々、自国に運んで来た。
以来、聖マルコは堂々ヴェネツィアの守護聖人となる。





―――有名な「ため息の橋」―――――――

この橋を渡って牢に送られてから、生きて出た
人間はいないと言われるが一人だけ例外がいる。

元祖イケメン「ジャコモ・カサノバ」
稀代のプレイボーイとして伝説の男。

カサノバは、脱獄してからサンマルコ広場に
面する老舗のカッフェ・フローリアンでゆっくり
珈琲を味わってから、パリに高飛びをしたという
太い男だ。もともと貴族の娘に手を付けて
睨まれて、投獄されたと言われている。


   *以上、Wikipediaその他から*


別名「アドリア海の女王」と言われるヴェネツィア
何を見ても、狭い路地、それを言えば牢までもが
絵になっていた。

吹き付ける海風と冬の夜の寒さの中、露店で
飲んだ一杯のホットワインが身体を瞬時に
ポカポカと温めてくれた驚き。その地ならではの
営々と受け繋がれる、生活の知恵は良いものだ。

次は愛人を連れて水上バスに乗ろう(笑)
またの日に・・・いつか・・



この後は、パリに寄ってから帰国する。
感慨に浸るうちに機は滑らかに旋回してパリに着陸。


――――――――――――――――パリ事件―――


パリでは娘と別行動をしていよいよ帰国する夜。


私たちはシャルルドゴール空港にいた。


人がいなくなり、静まり返った広い構内を
清掃員を乗せた清掃車が、行ったり来たり。
色の違う人々だ。
逞しいのか太っているのかわからない
緩んだ身体をしている。食べ物が違うのか?
ぼんやりと見ながらそんなことを考えた。

照明は少し落とされていて、暖房が停まったそこは
床から凄まじい冷気が忍び寄る。


私たちは日本行の最終便に乗れなかった。
空港にいたのに!とんだアクシデントだった。


格安チケットを使っているので無効になった。
朝一番に窓口に行って空席を手配しなくてはならない。

正規の航空券は様々な計算があるのだが
パリからだけの片道だと2人で100万円という。

かなり凹んだ。


そんな其々の事情がある人達が、
構内のど真ん中に固定された椅子に
15人ほど一塊になって深夜〜夜明けを待っていた。


一泊100万円の椅子には、クッションも毛布もなく
私たちは寒さに震え上がり、ありったけの衣類を
だして体に巻き付け、スーツケースを枕に
うたた寝をする。
ここに比べたらあの屋根裏部屋はスイートルームだ。


同じく震え上がっていた綺麗な女性がいた。
日本人もだが、何と某大手国際線のCAだという。


――――長い夜が明けた。空港が目覚め、動き出す。

彼女は自社航空に乗るので、乗り遅れても
問題はなく、翌日は自分の手続きを終えるや
我々の窓口に駆けつけて、たどたどしい娘に代わり
流暢な英語で事情を説明してくれた。カッコいい!


とても人懐こい人で、この女性とは未だに
お付き合いをさせていただいている。


「アドリア海の女王」ヴェニスの別称だが
私はパリの空港で力を貸してくれたこの美しく
気高い女性に勝手に捧げたい。


ある旅の回顧録でした。

                  


23-10



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国民性

月あかりさん

ぼてふりさん、それほど渡航歴があるわけでもない
私が言うのもおこがましいのですが、国民性って
やっぱり有ると感じます。
でも本質はどの国の人も同じです。

英語もわからずに、女だてらに無謀なことを。
と思う人もいらっしゃるでしょうが、人間て
言葉だけではなく、同時に心でも会話を
しているんですね。相手が何を言っているのか?
よく見れば、不思議にわかります。

はい!とても貴重な体験をしました。

2018/07/15 09:15:41

印象

ぼてふりさん

やはり旅での印象は強烈ですね
日常とはまったく異質な時間と空間
それが海外ならばなおのこと
その時のアクシデントや予想外のできごと
すべてが旅の絵日記に残ります
貴重な体験をされましたね

2018/07/15 00:48:58

2話はてんこ盛りです

月あかりさん

漫歩さん、消化不良をおこしませんでしたか?

私は、パソコン音痴のおバカさんで、最近やっと
ユーチューブを貼り付け出来るようになったのです。
嬉しくて貼り付けまくっているのですが
動画に編集して下さったのですか?
どんなテクニックをお使いになったかチンプンカンプンです。
気に入って頂けたと受け止めて、大喜びです!

2018/07/14 23:12:10

行ったり来たりしていますね

月あかりさん

レンとミクさん、取りとめない長いお話に
お付き合いくださいまして感謝いたします。

こんなふうにコメントを入れて
頂く事で、自分の書いた物を改めて、見直す事が
できるのです。2話はてんこ盛りになって
収集が付かなくなりました。

いずれ編集し直してから旅の思い出として
保存したいと思っています。ありがとうございました

2018/07/14 22:59:50

愉しい動画

漫歩さん

読み終えた2話を動画に編集し、ご本人のナレーションを聴きながら愉しみました。

2018/07/14 22:49:49

繰り返しの・・・・

さん

折口信夫の死者の書を彷彿していました
混沌とした幻覚
読み手を意識していない
気儘

私が私ではない
異邦人
異星人

また楽しみにしています

2018/07/14 16:48:57

初の体験です(o_o)

月あかりさん

ホテルは階が上に成る程高くなりますが、それからしたら
最上階の上?と言っても二階の上でしたが(笑)
剥き出しの太い梁が交差していて、見晴らしが良く
お洒落な部屋でしたが、私は狭い所が苦手です。
二話は衝撃二連発!(^.^)

旅情、音楽も好き!良い映画ですよね〜。
改めてまた観たいと私もおもいました。
コメントありがとうございま〜す!

2018/07/14 16:38:53

屋根裏部屋

つちのえさん

月あかりさん、こんにちは。
屋根裏部屋とは衝撃でしたね。
でも、娘さんの喜びもわかります。
屋根裏部屋は物語の始まりのイメージがありロマンチックです。
旅情、YouTubeを見たら観たくなりました。
大人の恋に胸がキュンキュンしますね。
久しぶりにレンタル屋さん行こうかな〜

2018/07/14 15:13:36

ド・忘れしました〜

月あかりさん

アダージョさんすみません。
アレネ、そう!あれを書き忘れました。

貴方との「ベニスの夏の日」のこと

でも大丈夫!一番下にURL貼り付けてあります。

皆には( *´艸`)ナイショですよ!ウシシ

2018/07/14 15:03:39

アレレ?

アダージョさん

月あかりさん

もう 終りですか。
あの話は書かないんですか? ほらあのロマンス物語 え?あれは内緒ですか 残念です。

2018/07/14 14:46:34

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