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吾喰楽家の食卓

二度あることは三度ある 

2018年08月27日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

昨日の日曜日、国立演芸場の国立名人会へ行った。
名人会は、二十一日以降の土曜日か日曜日が多い。
でも、日曜日は、演芸図鑑、囲碁トーナメント、日本の話芸など、見たいテレビ番組が多いので、なるべく外出しないようにしている。
それに、国立演芸場周辺の飲食店は、日曜日は定休日の店が多いのも一因だ。
今回、行く気になったのは、中入りの古今亭志ん輔に惹かれてのこと。
志ん輔は、八月上席でトリを勤めるのは分かっていたが、好きな噺家は何度でも見たいので、チケットを取った。

相変わらず、早起きしているのに、最近、午前五時十五分から始まる演芸図鑑を、寝坊して見逃すことが増えている。
ところが、昨日は違った。
目が覚めたのは、ちょうど、番組が始まる時間だった。
今回の落語は、三遊亭小遊三の『置泥』(おきどろ)である。
古典落語には、泥棒が登場するものが多い。
聞いたことがある噺だと思いながらも、この日、蜃気楼龍玉が口演する『夏泥』と同じ噺ということに気が付かなかった。
小遊三の『置泥』を見た後、番組表で演芸図鑑の出演者を確認したら、志ん輔の『幾代餅』だった。
見られないのは残念だが、翌日に再放送があるので、それを見ればいい。

八月の国立名人会は、柳家小三治が出演する九月ほどではないが、チケットは早い時期に完売した。
ところが、公演の前日に三席の空きが出た。
それも、結構、良い席なのである。
キャンセル出来ないはずなのに、不思議な現象だ。
勿論、直ぐに売れたことは、云うまでもない。
この先、小三治のチケットを取り損なったとき、毎日、空きが出ないか確認することにした。

流石、完売になった公演だけあり、昨日の場内は、熱気に溢れていた。
場内がそうだと、高座に上がる師匠たちも、気合が入ることは、想像に難くない。
前座に続き、龍玉が高座にあがった。
噺が始まり、直ぐに小遊三の『置泥』と龍玉の『夏泥』が、似た噺ではなく、同じだと思い始めた。
中盤まで噺が進み、両者が同一だと確信した。
勿論、同じ噺とはいえ、一字一句が同じという訳ではない。
小遊三のテンポの良さ、龍玉のオーバーアクション、それぞれに良さを感じた。
それぞれ、楽しめた。

録画と実演は違うとはいえ、見る私にとっては同じ日である。
同じ演題を異なる噺家で、同じ日に見られた。
同じ日の同じ時間帯に、同じ噺家が異なる演題で口演した。
このことが、同じ日に一度だったら、さほどではなかっただろう。
二度だから驚いた。
ところが、三度目があった。

昨日は、池袋発午後六時のTJライナーで帰路に就いた。
最初の停車駅であるふじみ野で、二十代の女性が、私の隣に座った。
私と同じ程度に色が抜けた、ジーンズを穿いていた。
トップスを見て、驚いた。
私と同じような色の、ボーダー柄のTシャツを着ていた。
縞の太さも、同じくらいだった。
もっとも、私は重ね着をしていたので、透けてはいるものの、先方は気付かなかったはずだ。
正に、二度あることは三度ある。

   *****

写真
8月26日(日)の国立演芸場の玄関と演題



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