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カミーノ 

2018年10月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:シニアライフ

私がスペインに滞在した頃の夜明けは、大体8時半だった。

毎日、朝8時頃バスに乗り、前日歩き終えた場所まで運んで貰う。

バスに乗っている間に周りは明るくなってくる。

大抵、軽食が出来るようなバルがあるので、まずそこで巡礼スタンプを押す。

トイレを使ったお礼に、トイレチップを置く人もあるし、私はそこで水を買って、それぞれ歩き始めるのだ。


先頭は、現地ガイドのマリアさん。

九名のメンバーが、一人で、或いは二人位連なって、思い思いの速度で歩き始める。

しんがりが、日本から同行した添乗員さんだ。


私は、安全第一をとって、最後尾か、その前位を歩いた。

初めて使った、ストックがあると、非常に歩きやすい事がわかった。

出発前、数ヶ月の間、早朝ウォーキングをしたけれど、町中を歩くのが大半だったから、ストックは数えるほどしか使ってない。

歩きやすいとはいえ、慣れない私は、相当腕の付け根に力を入れていたらしく、背中の筋肉痛を初めて体験した。


4,5時間歩いて、一時半か二時頃、昼食になる。

ツァーだから、いつもちゃんとしたお料理が出た。

食後にも、歩きが残っているので、最初の日は、飲み物はビール一杯だけにした。

ワインは必ず出てきたけれど、私は運動の後だし、乾燥しているし、歩きながら水分補給をしているけれど、喉が渇く。

初日は、ビール一杯でやめたのだが、段々自分のペースがわかってきて、翌日からはお代わりをする様になった。

飲み物だけは、別料金だったが、一杯2ユーロ位だっただろうか。

出発時に、払うのを忘れてしまう事が多かったのだが・・。



食後は大抵、40分くらい歩いて、その日は終了。

実は初日、残り20分くらい、という場所で、私は足が攣りそうになって、待っていたバスに乗った。

10分〜20分位待てば歩けるだろうと、見当は付いたけれど、こんな時は団体で歩いていると迷惑はかけられない。

早々に決断して、リタイヤした。

私は、足が攣るという癖があって、その為の漢方薬も沢山持参した。

やはり初日は気疲れもあったのだろう、夜ホテルに落ち着いてからも、お薬のお世話になった。


昼食をとったのは、ポルトマリンという川沿いの美しい村で、高い丘の上にある教会まで、長い急な階段を登るのだ。

私は「ハウルの動く城」の魔女になった気分で、懸命に登っていった。

やはり、高い場所は、苦労して登る甲斐があって、眺めは素晴らしかったけれど。


ルーゴのホテルに戻ってからは、まずお風呂に入って身体を休め、ゆっくり着替えをすませて、ホテルからほど近いレストランへ移動して、全員揃って夕食をとった。


大体、夕食の始まるのは、夜の八時である。

やっと、日の暮れてくる時間である。

食後は、お仲間数人で旧市街を見に行った。


10時頃だったので、カテドラルも閉まって居たし、その夜は不思議なくらい人が少なかった。

でも、閑散とした夜の旧市街を歩くのは、ヨーロッパの街に再びやってきたのだ、といった懐かしささえ感じられて、わくわくした。


「カミーノ」とは、スペイン語で道という意味らしく、歩いていると、出会う人達がお互いに、「ブエン・カミーノ!(良い旅を!)」と言葉を交わす。


色々な国の言語が聞こえたが、スペイン語らしい人達は、一際声も大きく、早口だ。

明るい、スペインの青空の下を、賑やかな人達に混じって歩くのは、気分の良いものだった。


不思議に、歩いている間は、日本人には会わなかった。

まだ、故国では知名度が低いからだろうか。



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ゴクさん

シシーマニアさん

バルなら、どこでも体験できますよね。

バルの良いところは、お値段が安い、と言う事ですから。

つまり、うちのみ、は殆どバルです。

2018/10/09 22:55:42

遅ればせながらの感想

吾喰楽さん

こんばんは。

優先順位を、「バル」「ミサ」「歩き」にしたのは、如何にもシシーさんらしいですね。
クラッシック音楽に造詣が深く、何度も海外生活の経験をしたことがあるからこそ、楽しめたことも多いようです。
「バル」なら、私にも楽しめるようですが。

ワインが無性に飲みたくなったのは、ブログを拝読したからかも知れません。

2018/10/09 20:09:37

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