メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

M8, M9 & R-D1 for Someting I love ...323...

雪消月日記(5)... 

2020年02月07日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



















Fujifilm X100VのPV映像がいろいろ話題(一部で)になっているようです.
鈴木達郎氏のストリート・スナップ,キャンディッド・フォトと言われる手法での撮影風景です.
「ピンと張った都市の息づかいのような写真を撮りたい」とPVで氏は語っている.
新宿で誰彼かまわず,通り過ぎざま顔にくっつくかと思わせるほど近くまでカメラを寄せてシャッターを切る.歩行者の目の前でそれをやる.当然,歩行者は歩行の邪魔をされ,驚き,身をかわそうとする.まあ,まともな神経ではない.一見,正々堂々と撮影行為をしていると思わせるのだろうか.
この方法で写真集をいくつ出している.

現代のこの手の撮り方をする人物は,小生の少ない知識ではマグナム・フォト正会員のBruce Gildenが代表だろうか.いきなり通行人だろうが,道ばたで行き倒れている人だろうがかまわずにすぐ近くに寄ってシャッターを切る.
真っ正面に飛び出して最接近して右手にカメラ,左手にフラッシュを持って日中シンクロで撮影する(Magnam Photosで一部見ることできます).
彼自身は,「私は(撮ることを)許されている.相手が私の視界に入った瞬間,もう撮影許可はおりているのだ」と述べている.

このPVで述べられている撮影者の意図は,小生には理解できるが同意はできない.
少なくとも撮らせてもらっているという気持ちが伝わってこない.進路妨害をしても一言の謝罪もないのだから.そもそも謝罪など必要ないと思っているのだろう.

もし,やるなら望遠,4K,8Kでの流し撮りからの切り出しという方法だろう.
が,それでは彼には物足りないのだ.驚いた瞬間は撮れないから.
この手の撮影方法は,古くは木村伊兵衛がやっていたが,顔につくほどの超接近ではないし,進路妨害はしてない.また,森山大道氏もこの手の撮り方をしている.なんと言っても,時代背景が異なる.一億総写真家となった現代と同列に扱うのは無理がある.








   Leica M Monochrom+DJ-Optical 7artisans 75mm F1.25









確かに,緊張感とエネルギー感溢れるその瞬間の,あるいは驚いた真の表情が撮れるのだろう.その効果のあることに小生も異論は無い.虚を突いているのだから写真としては面白い.撮影者にとってはね.それが芸術だと.
こういう姿勢こそ写真家のあるべき姿だ.これを失うことが写真をダメにしてきたのだ.彼を擁護する人たちの主軸の思考はこのような理屈だと思える.
でも,これにどれほどの意味があるのか?

Fujifilmがこれを見た方々から文句を付けられ,恐れをなしてこれを削除した.
恐らく当該写真家もこの点は了承しているはず(確か,自身のツイッターかFBでハッシュタグが削除されていたように思う).
その腰抜け様が写真を生業としている会社(この認識は明らかに間違っている.利益の大部分は写真部門ではない)そのものが高邁な芸術を具現化している写真家を否定するような行動を取ってそれでいいのか.というFujiファン,写真ファンのFujifilmへの非難もまた同様にある.

芸術は高邁で,表現の自由としてのこの行為になんらの齟齬がなく,歩行者のお前らは文句を言う資格がないとさも言わんばかりの撮影手法に小生はこの写真家に対して同情する気持ちを持つことはできない.
表現の自由を追求する行動者を批判することは弾圧だと援護する気も起きない.

撮影者自身は覚悟を持って,リスクを承知で撮っているので,それはそれで自己完結して警察に捉まろうがいいのだろう.
でもね,会社ってそうはいかないでしょう.
Fujifilmは自社のカメラを売るための宣伝用として彼を利用している.彼の変わった芸風を使ってインパクトを与えて販売につなげようとした.忘れてならないのは,これは商売用の映像だということ.
現今の社会風潮から判断すれば,そこまで一写真家を擁護して(しかもどう見ても分が悪い),そもそもカメラ部門以外の営業によって支えられているこの会社を守るためには,そして利益の上がらないカメラ部門を守るとすれば,削除という判断しかないだろうと思う.それが資本主義社会での会社の論理だろう(泣いて馬謖を斬ったかどうかは分からないが).中国のような社会体制だったらもうウーもスーもなくですが.

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ