メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

葵から菊へ

<特集ワイド>羽田新ルート「世界一着陸難しい空港に」 都心低空飛行  内部文書「横田空域に配慮」(毎日新聞 2020年2月10日) 

2020年02月12日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



友人の川口重雄さんからのメールを転載します。
国土交通省公式ホームページより

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
各位    2月12日〔BCC、本日第3信〕
友人からの情報です。
ただ今、「横田空域」のレジュメをまとめているところです(生徒配布用)。
米海軍海兵隊基地「普天間飛行場」を上空からヘリコプターで眺めて「世界一危険な空港だ」と言ったのはラムズフェルド米国務長官(ブッシュJr政権)。だったら羽田はどうか。3月から本当に都心上空の毎日の飛行が始まったら・・・。悪政極まれりの安倍政権の「置き土産」としてはいけないと思います。
それでは。川口重雄拝
Sent: Tuesday, February 11, 2020 8:52 AMSubject: <特集ワイド>羽田新ルート「世界一着陸難しい空港に」 都心低空飛行 内部文書「横田空域に配慮」(毎日新聞 2020年2月10日)
毎日新聞からです。
https://mainichi.jp/articles/20200210/k00/00m/040/074000c
特集ワイド
羽田新ルート「世界一着陸難しい空港に」 都心低空飛行 内部文書「横田空域に配慮」
毎日新聞 2020年2月10日 14時00分(最終更新 2月10日 14時00分) (動画映像あり2分11秒)
マンションのすぐ近くを降下していく旅客機。「怖いね」。騒音や落下物に加えて、墜落を心配する声が多く聞かれた=東京都品川区八潮で2020年2月2日、中澤雄大撮影 事故が起きたら、どうするのか。3月末に運用が本格化する、東京・羽田空港の都心低空飛行問題である。国は「国際競争力の強化やより多くの訪日外国人旅行者の受け入れ等のため」に、航空関係者が懸念する「愚策」を強行、国民生活に暗い機体の影を落とそうとしている。時に科学技術が危険な陥穽(かんせい)にはまることを忘れてはいけない。【中澤雄大】
「バラ色の説明。全員辞職ものだ」
 「国土交通省航空局が『羽田空港のこれから』というパンフレットを作り、ネットでも読めます。航空局の考える問題が全部書かれているが、良いことばかりで注意事項もない。バラ色のパンフレット。何も不安がないかのようですが、事実と違うことが多いのです」
 昨年12月、品川・大井町で開かれたシンポジウムに、私は足を運んだ。羽田空港の新しい飛行ルートでは、上空1000フィート(約300メートル)の低空をジェット機が繰り返し飛ぶことになる。騒音や落下物の心配も指摘されるだけに、会場は住民らでいっぱいになった。
 講演したのは、日本航空元機長で、ジャンボジェット(B747)飛行時間「世界一」としてボーイングから表彰された航空評論家、杉江弘さん。効率化・合理化を追求したハイテク機への過信に警鐘を鳴らし、現役時代から事故防止改善策を提言してきた人物である。ちなみに兄昭治さんも元国交省キャリア官僚で、1996年6月に起きた福岡空港ガルーダ機事故の首席航空事故調査官を務めるなど長く航空行政に携わってきただけに、兄弟が顔を合わせれば、飛行機の安全が話題になるという。
東京・品川の大井町で、羽田都心低空飛行の問題点を具体的に説明する元日本航空機長で、航空評論家の杉江弘さん=2019年12月3日、中澤雄大撮影
 「安全を100%担保できない不安を持ちながら『とりあえず春からはこれで』という姿勢は、航空行政に携わる者として失格、全員辞職ものです」。強い憤りをみせた杉江さんに後日、改めて話を聞くと、新ルートの危うさがはっきり見えてきた。
 杉江さんは目を大きく見開き、語気を強める。「私は住民支援のため説明しているだけではない。きちんとした議論もない現状では東京の空、いわば日本の空の安全が脅かされてしまう。世界の大都市空港では安全・騒音対策上、主に長距離国際線を郊外の新空港で運用している。私は市街地に戻した事例をほかに知らない。これで羽田は世界一着陸が難しい空港になるでしょう。航空機の安全問題を専門とする私にとっても重大な事態なのです」
成田・三里塚の「悲劇」は何だったのか
1971(昭和46)年9月16日からの成田空港建設予定地内の反対派拠点4カ所に対する第2次強制代執行で、三里塚芝山連合空港反対同盟の農民や支援者が立てこもる駒井野団結小屋から投げられた火炎ビンで炎上するユンボ=千葉県成田市駒井野で1971(昭和46)年9月16日、三留理男撮影
 そもそも、78年に成田空港が開港したことによって、国際線は成田、国内線は羽田から離着陸するという運用が基本になっていた。それが、滑走路の沖合展開や在日米軍横田基地(東京都福生市など)が航空管制を担う空域、いわゆる横田空域の一部返還などを経て、羽田空港の発着枠が増加したのを機に、国際線のチャーター便などが運航されるようになった経緯がある。そして今度は、ビジネス路線の多い長距離便を羽田に、格安運賃のLCCは成田へ誘致する方向に、いつの間にか進んでいったのが、今回の都心を低空飛行する新ルート展開の流れである。「米大手のデルタ航空が成田から羽田へ全便移すことを決めました。欧州や豪州、アジアの大手各社も追随する動きを見せています。今後、各国の航空会社が羽田乗り入れを要求してきたら、発着枠をさらに増やさざるを得なくなり、新たな滑走路を増設してゆくという歯止めのない展開になるのは目に見えています。場当たり的な航空行政は、とりわけ安倍政権になってから加速しているのです」
 杉江さんの話を聞きながら、成田開港に伴う「悲劇」を思い出した。千葉・三里塚周辺の農民の生活や命を奪い、公共事業のあり方に深い教訓をもたらしたはずだった。
 <成田闘争の最大の問題点は一言で表現すれば、日本の政治権力の腐敗である。(中略)国家権力は本来ならば、国民の一人一人が、市民の基本的権利を享受し、人間的尊厳を保つことができるような条件をつくり、それを維持することが、その機能であるはずである。ところが、新東京国際空港を三里塚の地に建設するという閣議決定がなされるにさいして、このような配慮が一片だに顧みられたことがあったであろうか。答えはいうまでもなく否である>。世界的な経済学者だった宇沢弘文は著書「『成田』とは何か−戦後日本の悲劇−」で、こう喝破したものだった。
三里塚闘争問題に共闘した故宇沢弘文・東大名誉教授=2009年6月29日、尾籠章裕撮影
 現在の成田空港は28年度中に3本目の滑走路新設を目指している。さらに現在2本あるA、B滑走路のうち、B滑走路(2500メートル)を1000メートル延伸し、C滑走路3500メートルを新設することで、年間発着回数は現行30万回から50万回に増やす方針。その理由も「羽田拡張には限界があり、首都圏のさらなる航空需要の増加に対応するため」と説明している。
 今回の羽田新ルートで、発着回数は1時間に最大80回から90回へ、わずかに増えるだけだ。にもかかわらず、人口密集地の大都市上空に旅客機を飛ばそうとする理屈はどこにあるのだろうか。
「羽田は世界一着陸の難しい空港になる」
 杉江さんが問題視しているのは、国交省が昨年7月末に公表した「追加対策」の中身だ。「騒音影響の低減」を図るべく、飛行機の到着経路における降下角を「3・0度」から「3・45度」に変更して飛行高度を引き上げるというものだ。
飛行高度降下角度
 「青天のへきれきとは、このこと」と言う杉江さんによれば、航空業界では78年以来、安全性と騒音の観点から降下角の検証を重ねた結果、世界の大空港では3・0度を適当とし、今日ではそれが常識になった。航空各社もパイロット訓練を3・0度で実施している。市街地上空を飛び、過去に「世界一着陸が難しい」と呼ばれた香港・旧啓徳空港でさえ3・1度だったにもかかわらず、だ。
 「わずか0・45度の違いと思うかもしれないが、コックピットの実感としては、降下時はジェットコースターで谷底に落ちてゆくような感覚で、恐怖しかない。降下角が大きいほど操作が難しくなり、尻もち事故や機体に損傷を与えるハードランディングにつながる恐れがある。稚内など同角度の事例も進入方式が異なるので比較できない。これほど難しいというのに、騒音対策にもならない。高度を引き上げるというが、大井町上空でいえば、わずか30メートルほどの高さの違いでしかないのです」
航空会社「内部文書」入手 デメリット記す
 一連の取材で、国内大手航空会社が国の方針に関して協議した「取扱注意」の内部文書を入手した。沖縄・下地島空港での実証実験の結果などを踏まえた報告書で<3・45度の降下角で進入を行う場合、気温や気流の状況、機体重量によっては低高度においてSink Rate(降下率)が大きくなる可能性がある>とデメリットが記してあった。その上で、高降下角アプローチに伴う降下率調整感覚の習得が必要であり、さらに操作が煩雑になると注意を促していた。
 JR中野駅や西新宿付近に設定されたFAF(最終降下地点)通過後、降下角を3・77度になるよう約3800フィートから2000フィート近くまで急降下させ、途中から3・0度に可変する方策を検討するというのだ(図の破線部参照)。国交省の「追加対策」、やはり無理筋ということだろう。
 なぜ3・45度に設定されたのか。この疑問への答えは内部文書に明瞭に示されていた。<Rwy16R(A滑走路)のFAFが横田空域内に位置している事に起因しており、横田空域内のTraffic(交通)と垂直間隔を確保する必要があるため>とされている。ここでも横田基地の存在が影を落としていたのだ。
 一方でRwy16L(C滑走路)に向けた進入経路については<横田空域には抵触していないものの、Rwy16Rの経路と横方向で2キロも離れていない事から、経路近傍の地元住民への騒音軽減の公平性の観点>から<同様に3・45度での公示となっている>という。
 住民を安全を脅かしながら「安全保障」を優先する矛盾は糾弾されていいだろう。
 杉江さんは「今回の人工衛星を利用する進入方式(RNAV)では、降下率を毎分1000フィート以内と定めた『スタビライズド・アプローチ(安定的進入)』に反する恐れがあるのは、国や航空各社も知っている」と指摘する。進入角度の調整が難しくなるのだ。
 「着陸重量の大きな飛行機は降下率を超えやすく、進入継続を断念して再び上昇してやり直すことになるので、大井町周辺では離陸時と同程度の騒音が発生するでしょう。ましてや同時に2ルートでRNAVをやるのは世界初。ニアミス(異常接近)の危険が常にあり、管制官も不安を感じているはず。外国の不慣れなパイロットの中には、不安定な状況でも進入を続け、最後にエイヤッと突っ込む飛行機が出るのでは、と心配です。荒天時に従来の3・0度の地上施設からの精密誘導電波を利用する進入方式(ILS)に戻すというのは、何をか言わんやです」
 2月2日から乗客を乗せた実機を飛行させる新ルート確認が始まった。南風が吹く午後3時〜午後7時(実際は横田空域との兼ね合いから午後3時15分〜午後6時15分の正味3時間)に、7日間程度実施する方向で、飛行ルートの近隣住民は騒音、落下物などに不安を募らせている。
頭上を間近に飛ぶ新ルートの実機飛行に驚き、スマホで機体を撮影する住民たち=東京都品川区八潮で2020年2月2日、中澤雄大撮影
 ここに来て、米大手のデルタ航空が3・45度のRNAV進入方式は「安全性が社内で確認できていない」として、2日からの実機飛行確認を見合わせているという。杉江さんは「知り合いのデルタ機パイロットは『乗客を乗せてトライアルをするのはおかしい』と言っています。これが普通の感覚ですよ」と話す。デルタ航空の反応は他の航空会社にも影響を与えそうだが、日本国内でこうした声が上がらないのはどういうことだろうか。そのうち、なし崩し的に「常時ILS進入にするのでは」との臆測も呼んでいる。
避けられない落下物 墜落すれば大惨事
 国が「世界に例を見ない厳しい基準を策定し、対策を強化した」とした落下物対策にも懐疑的だ。「部品や氷塊の落下は避けられない。昨年末にはデルタ機がボストンの空港へ進入中に脱出用シュートを落とす事故が起きたばかりです。国交省は過去10年の落下物発生件数を『羽田周辺0件』と公表しているが、それは海上ルートだったからにすぎない。成田周辺では20件もあった。進入着陸時に機体が揺れて氷塊が落ちるため、従来のルートでは海上で車輪を下げる手順でしたが、新ルートは違う。小さな落下物でも、地上で直撃したらひとたまりもない。ルート上の街ではいつも危険がつきまとうでしょう」
 ましてや、飛行機の墜落となれば大惨事である。米ボーイング社が開発した最新鋭機737MAXは18年秋から19年春にかけて連続して墜落事故を起こして、運航停止となっている。「私はハイテク機の便利さと危険性は、身をもって知っている。ハイテク機は操作が煩雑でシステムが暴走し、パイロットが対処できずにコントロール不能な状況による墜落事故が世界で起きており、東京で起きない保証はありません。さらに万が一、事故が起きてしまったら、どのような出動態勢を取るのかなど対策が一切示されていないのも大きな問題です」
 <悪者にされるのは、いつもパイロットなんだ>
 日ごろ見過ごしがちな現代の科学技術の危険な陥穽(かんせい)と、高度なエレクトロニクス文明がもたらす危険な影の部分を冷静な筆致で描いたノンフィクション作家、柳田邦男さんの衝撃作「マッハの恐怖」の一文である。
?
長年、航空機事故を取材してきたノンフィクション作家の柳田邦男さん=2015年6月29日、喜屋武真之介撮影
 これまでリスクが高いと避けてきた都心上空をなぜ飛ばすのか。引き返すなら今しかない。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR





掲載されている画像

    もっと見る

上部へ