メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

吾喰楽家の食卓

三つの幸運 

2020年02月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

毎年、国立演芸場2月中席は、中入りの後に鹿芝居をやっている。
噺家(はなシカ)がやる芝居(シバイ)だから、鹿芝居(シカシバイ)と洒落た命名だ。
金原亭馬生を座頭とした鹿芝居は18年続いているらしいが、今までに、『品川心中』、『らくだ』、『子は鎹』、『辰巳の辻占』を見てきた。
何れも落語の演題を元に、林家正雀が、“竹の家すゞめ”のペンネームで脚本を書いている。

蝶花楼馬楽は、昨年の『辰巳の辻占』でも、元気に舞台を務めていた。
ところが、公演の翌月、突然の訃報に驚いた。
終演後にロビーで、カメラを向けたら、快くポーズを取ってくれたのが懐かしい。
今年は、その穴を埋める為か、歌舞伎役者の大谷友右衛門が出演することになった。

二日目の昨日、昼餉を池袋のデパ地下で食べたが、少し嫌なことがあった。
ところが、国立演芸場で、鹿芝居(源氏店)は勿論のこと、中入り前の落語も大いに楽しんで、そのことは忘れた。
通常、寄席では、色物と呼ばれる落語以外の演芸を間に挟むが、この公演は、それも噺家が受け持っている。
落語や鹿芝居の詳細は別の機会に書くが、三つの幸運があったので、そのことを先に触れたい。

国立演芸場は、国立劇場と違い花道がないので、通路を花道の代わりにしている。
瓦版売り久蔵に扮した金原亭馬久が、売り声を上げながら舞台へ向かって通路を走って来た。
舞台へ上がる間際に、通路脇の最前列に居た私に、号外を手渡してくれた。
後で読むと、友右衛門丈が特別出演するに至った経緯(いきさつ)が書いてあった。

次なる幸運は、芝居が終わり、噺家の手ぬぐい撒きの時である。
最前列が有利なことには言うまでもないが、ガツガツするのは見苦しいと思っている。
ところが、正雀師と目が合い、アイコンタクトを交わした。
投げるのではなく、手渡しで、いせ辰の小さな達磨を下さった。

気分よく場内を出ると、既に出演者は舞台衣装のままロビーに並んで居た。
毎年、客を見送ってくれる。
端から、挨拶をしながら、写真を撮らせて貰った。
その場に居ない友右衛門丈を除く、出演した噺家全員の写真を撮れたのが、三つ目の幸運だ。

写真
2020年2月12日(水)撮影:号外と達磨



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







上部へ