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吾喰楽家の食卓

料理における『守破離』 

2020年07月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:男の料理

前日、イサキの代わりに金時鯛を使って、ピッツアイオーラを作った。
盛り付けが今一だったが、美味しく食べた。
何れ、イサキを使い、レシピを探して再挑戦することにした。
ところが、翌日の昨日、大きいイサキが手に入った。
大きさの差もあるが、半額ではないから、非常に高かった。
一度は通り過ぎた鮮魚売場だが、引き返してしまった。

三枚下ろしを頼んだ相手は、前日とは違う人だった。
「塩焼ですか」と訊かれ、「ソテーです」と答えた。
一口に三枚下ろしと言っても、色々、あるようだ。
数分で、三枚下ろしが出来上がった。
金時鯛より身が厚く、皮も柔らかそうなので、下ろし易いのだろう。
そして、職人さんは、ベテランかも知れない。

上野の黒門町にある、落語協会事務所二階の和室に、『守破離』の額がある。
茶道や武道などにおける、師弟関係の在り方を表した言葉だ。
千利休の訓をまとめた本からの引用らしい。
師匠の型を「守る」から始まり、それを研究して既存の型を「破り」、更には型から「離れ」自在になれるという。
このことは、落語の修行にも言えるので、その額を選んだのだろう。
大袈裟な言い様だが、我が料理の道には当てはまる。

金時鯛のピッツアイオーラは「破」で、順は逆になったが、イサキのそれは「守」ではないだろうか。
イサキを使って、可能な限りレシピに従って作り、基本を知りたかった。
二回目ということもあり、イサキの方が、技術的には上手くできた。
ところが、前回ほどに感激を得られなかったのは、魚の差なのだろう。
そもそも、食べ慣れたイサキと、初めての金時鯛を比べるのは、無理がある。
トマトソースを使わず、生トマトで作るのが、私にとっての「離」だと思っている。

*****

写真
2020年7月29日(水)の夕餉(イサキのピッツアイオーラ風・イカの刺身・イカのもつ煮・長芋)とスーパーの店先(店内撮影可)

御礼
「金時鯛のピッツアイオーラ」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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