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敏洋’s 昭和の恋物語り

狂い人の世界 [第一章:少年A](十八) 

2020年08月11日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 少女が発した「まだ帰りたくない」という強い言葉に、つい「好きなだけ居ていいのよ」と物わかりの良い大人を演じました。
おとなしくなった少年の−汚い表現を使いますれば−調教師役を勤めさせたいのでございます。
身勝手な思いだと考えはするのですが、その一方で、家出をしてきたのだという少女の言葉にすがる思いもわいています。
しかし本音のどす黒い澱のようなものが母親のこころを痛めつけてもいます。
少女の家族の本音を知りたくもあり、また知るのが怖くもあるのです。

 しばらくして少年に不機嫌な表情が戻り始めました。
暴力に訴えることはありませんが、口汚く罵ることもありませんが、その目がいらついている様を如実に現し始めました。
母親と和やかに話す少女にいらついているようでした。
目覚めてすぐの少年は、台所で二人並ぶ姿をじっと勝手口の扉の隙間から見つめています。
言葉をかけるわけでもなく、じっと睨み付けています。

 少女の明るくかける「お早う」という言葉にも、ふん! と鼻を鳴らすだけで、返事をしません。
母親が慌てて「もうできるからね、ごはんは」と声をかぶせても、じろりと視線を移すだけで相変わらずの冷たい視線を投げ返すだけです。
少女の「部屋に戻ってな、すぐだから」という命令調の言葉に「おう!」と応じる少年でした。
次の日に、少女が欲した卓上コンロやらフライパンをすぐさま購入しました。
包丁代わりのナイフには、多少の不安を感じはしたものの、購入することに致しました。

 その頃には短くはありますが、少年と少女の間に会話が成立し始めていました。もっとも、何かをしてほしい折だけのものではありましたが。
曰く
「お腹がすいた」
曰く
「背中がかゆい」
曰く
「着替えたい」
曰く
「寝る」 等々。

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