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死より切ない別れ「わたしの頭の中の消しゴム」 

2022年08月20日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


「わたしの頭の中の消しゴム」 2004年 韓国 原題:A Moment to Remember 泣いて泣いて泣き疲れたという記憶のあった韓国映画の傑作「わたしの頭の中の消しゴム」を、観直した。おっちょこちょいで健忘症のスジンは不倫相手と駆け落ちしようとしていたが相手に振られ、実家にまいもどってくる。建設会社の社長である父の車で、父が建築中のビルの視察をする為に仕事場に寄る。その時、コンビニでの思わぬハプニングで出会った肉体労働者風の男・チョルスに再び出会う。彼は父の建設工事の現場で現場監督として働いていた。スジンは、彼がとても気になる存在となる。やがて彼と交際し、建築士となったチョルスと結婚に至る。二人は幸せに暮らしていた。しかしスジンは27歳という若さでアルツハイマーであることを医者に告げられてしまう。映画の興行収入は、韓国で公開後3週連続第1位となり、日本では公開後4週連続第1位となり、興行収入の累計総額は30億円に上った。これは日本で公開された韓国映画史上第1位であり、2020年公開の『パラサイト 半地下の家族』(47・4億円)に抜かれるまで記録を保持していた。「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」(2018)という韓国のドラマを観終わっていて、このドラマの主演のソン・イェジンは、映画は何に出ていたのかを調べた。かつて見た「わたしの頭の中の消しゴム」に出ていたのを知って驚いた。それでもう一度、この映画を観直したいと思っていた。彼女は映画では「ラブストーリー」や「四月の雪」、ドラマでは「愛の不時着」にも出演している。「わたしの頭の中の消しゴム」は、序盤からだれることなく画面に惹きつけられる。特別変わった展開をしているわけでもなく、ごくごく静かな撮り方なのに、こんなに他の作品とは違うことに驚かされる。その物語の冒頭でふと気になったのはスジンが、駅のホームのベンチで横になっている浮浪者の男に話しかけられる場面。ほんの数分の場面なのに、しっかりと演技ができる俳優だし、他の映画でも見た記憶がある。浮浪者が煙草を手に持ち「ちょっとお嬢さん ライターある?」と聞いて、スジンは他に気を取られていて答えない。浮浪者は「いつ吸えるかな」と、あきらめの声を出す。『その場面だけで浮浪者の出番が終わるのは解せない』と思っていたら、どうやら他の会話のやり取りはカットされていたようだ。劇場公開版に未公開シーンを追加した「ディレクターズカット版」には載っているとのこと。彼女がチョルスと出会う場所はコンビニであることは覚えていたが、それが日本発祥の「ファミリーマート」であることがわかる。店員の人の制服がどこかで見た記憶があり、「なるほど…・」と、納得。意外なところで、日本と繋がっていると、おもいきや、実はこの映画の元は日本のドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』にあるとのこと。映画のエンドロールにも「Based on the television program "Pure Soul"」と、書かれている。この映画の『ぶっきらぼうだけれど、繊細で優しくて、怒ると野獣のよう』というチョン・ウソン演じるチョルスのキャラがいい。最初見たときより、どんどん時の経過と共に彼に感情が入っていくので、なおさらスジンの記憶の無くなる哀しみを受け止めるチョルスと彼女の悲劇が心にしみてくる。前に観た時にはそんなに心に響かなかった場面が、今になって心に染みた場面。スジンはチョルスが寝た後、チョルスから開けるなと言われていた引き出しを開けると、債務者にオ・チョンジャ(チョルスの母親)と記載がある、”仮差し押さえ決定に対する異議申し立て”と書かれた書類を見つける。スジンはチョルスにチョルスの母を釈放するためのお金を払うよう要求するが、チョルスは「母親はいない」と否定し、怒りながら書類を破いてしまう。「産めば親か、親になるのか。俺は泣きすぎてもう涙も出ない。あの女に捨てられた日に泣いたんだ」スジンは、チョルスが怒りで壊した食器を拾いながら・・・・・・・「人を許すことは難しくないの。”許しは心の部屋を一つ空けること”おじいちゃんの言葉よ。”本当の大工は心の家を建てる人”だと。」「許しが苦しいことはわかる。でも父はその言葉を守った。不倫をした私を許してくれたし、あなたとの結婚も認めてくれた。許しとは心の一部屋を空けるだけなのよ。」一度観た映画をもう一度観ることはぼくにはあまりないのだけれど、これくらい新鮮な気持ちで見られるなら、自分の中での名作を再鑑賞すことを続けていきたい。 

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