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『日米指揮権密約の研究』「日中友好協会練馬支部」講演会レジュメと「憲法運動10・11月号」 

2023年12月30日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



何かのきっかけから末浪靖司著「日米指揮権密約」の研究を読みましたが、刊行が2017年でしたので直近の論考を知りたくてGoogle検索したところ「日本中国友好協会練馬支部」の講演会と「憲法運動10・11月号」が出てきました。「憲法運動10・11月号」は憲法会議から取り寄せ、日中練馬支部からチラシ、レジュメ、PowerPointを頂きました。
共産党志位和夫委員長、松竹伸幸氏、小林節弁護士の論争を見ていると「自衛隊活用論」に終始しているような気がします。「指揮権密約」という手のひらの上で「自衛隊活用論」を論じても漫画に見えてしまいます。アンケートに、日中友好協会練馬支部がこの講演会を何故企画したのだろうかと言うのがありました。中国の台湾海峡問題と日本の平和問題は切り離すことは出来ません。岸内閣の安保三文書と防衛関連予算増大の時期にあった講演会だったと思われます。
末浪氏は講演の中で『台湾について半世紀(1911〜1945年)にわたり植民地支配をした日本に発言権はない。戦後も1972日中国交回復まで人権抑圧の蒋介石政権を認め、台湾民衆に敵対してきた。』と言われたそうですが、重い言葉ですね。『日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明 三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。』を堅持すべきです。


日中友好協会練馬支部講演会 2023.5.14 レジュメと資料 末浪靖司(日中友好協会参与)
安保三文書と日米密約
国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画 2022.12.16閣議決定
1 三文書が書いた軍拡理由
国家安全保障戦略
V 我が国の安全保障に関する基本的な原則
「ロシアによるウクライナ侵略により、国際秩序を形作るルールの根幹がいとも簡単に破られた。同様の深刻な事態が、将来、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて発生する可能性は排除されない」
W 我が国を取り巻く安全保障環境と我が国の安全保障上の課題
1 グローバルな安全保障環境と課題
「グローバルなパワーの重心が、我が国が位置するインド太平洋に移る形で、国際社会は急速に変化し続けている」
2 インド太平洋地域における安全保障環境と課題 
(1)「同盟国・同志国等と連携し、地域の平和と安定を確保していくことは、我が国の安全保障にとって死活的に重要である」
(2)中国の安全保障上の動向 (3)北朝鮮 (4)ロシア
Y 我が国が優先する戦略的なアプローチ
2 戦略的なアプローチとそれを構成する主な方策
 「台湾海峡の平和と安定は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素であり、様々な取り組みを継続していく」
我が国の防衛体制の強化
「鍵となるのは、スタンド・オフ防衛能力を活用した反撃能力である」「おむね10年後までに、より早期かつ遠方で我が国への侵攻を阻止・排除できるように防衛力を強化する」「わが国が反撃能力を保有することに伴い、弾道ミサイル等の対処と同様に、日米が協力して対処していくこととする」
「わが国の反撃能力については、情報収集を含め、日米共同でその能力をより効果的に発揮する協力体制を構築する」
国家防衛戦略
W 防衛力の抜本的強化に当たって重視する能力
1.スタンド・オフ防衛能力
「侵攻してくる艦艇や上陸部隊等に対して脅威圏の外から対処するスタンド・オフ防衛能力を抜本的に強化する
2.日米同盟による共同抑止
「我が国の防衛力の抜本的強化は、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する」
「我が国周辺国は、我が国と地域の安全保障を脅かしている。今後、いついかなる形で、力による一方的な現状変更が起きるのか予測が極めて困難な状況にある」
防衛力整備計画
U 自衛隊の能力等に関する主要事業
米国製のトマホークをはじめとする外国製スタンド・オフ・ミサイルを導入する。
V 自衛隊の体制等、1 統合運用体制 (1)常設の統合司令部を速やかに創設する。
陸上自衛隊 スタンド・オフ防衛能力を強化するため誘導弾部隊を新設する
海上自衛隊 スタンド・オフ・ミサイルを搭載可能とする垂直発射型ミサイル搭載潜水艦の取得を目指し開発する
スタンド・オフ防衛能力  12式地対艦誘導弾能力向上型は25年度まで、艦艇発射型は26年度まで、航空機発射型は28年度までの開発完了を目指す
?
2 安保三文書は中国をどのように書いているか
国家安全保障戦略
(2)中国の安全保障上の動向 
早期に人民解放軍を「世界一流の軍隊」に築き上げることを明確な目標としている。
このような国家目標の下、国防費を継続的に高い水準で増加させ、十分な透明性を欠いたまま、核・ミサイル戦力を含む軍事力を広範かつ急速に増強している。
 経済面での安全を確立すべく、戦略的な取り組みを強化しており、他国の中国への依存を利用して、相手国に経済的な威圧を加える事例も起きている。
 台湾について平和的統一の方針は堅持しつつも、武力行使の可能性を否定していない。 
 わが国近海への弾道ミサイル発射を含め台湾周辺海空域において軍事活動を活発化させており、台湾海峡の平和と安定については、我が国を含むインド太平洋地域のみならず、国際社会全体において急速に懸念が高まっている。
 現在の中国の対外的な姿勢や軍事動向等は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、我が国の平和と安全及び国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦であり、我が国の総合的な国力と同盟国・同志国等との連携により、対応すべきものである。
Y 我が国が優先する戦略的なアプローチ
 中国が力による一方的な現状変更の試みを拡大していることについては、これに強く反対し、そのような行為を行わないことを強く求め、冷静かつ毅然として対処する。
 台湾海峡の平和と安定は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素であり、両岸問題の平和的解決を期待するとの我が国の立場の下、様々な取り組みを継続していく。
(ウ)我が国周辺国・地域との外交、領土問題を含む緒懸案にむけた取り組みの強化
台湾との関係については、我が国は、1972年の日中共同声明を踏まえ、非政府間の実務関係として維持しており、台湾に関する基本的な立場に変更はない。台湾は我が国にとって、民主主義を含む基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーであり、大切な友人である。また、台湾海峡の平和と安定は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素であり、両岸問題の平和的解決を期待するとの我が国の立場の下、様々な取り組みを継続していく。
3 安保三文書の背景にある日米密約
 1、日米指揮権密約
米軍指揮下でアメリカ軍が自衛隊を指揮して世界中で戦うための密約(『日米指揮権密約の研究』創元社2017.10.10)  
・行政協定第22条に関する密約1952.2.25
合同司令部とか米人司令官のような問題は、将来、政府間においてとりあげるにしても、そういうことは、交換公文や議事録などにも一切残さないことにする
・行政協定第24条 日米政府は日本区域防衛のために必要な措置をとる
・1960.5.19日米安保条約第4条 極東における国際の平和と安全が脅かされる時はいつでも、一方の側の要求により協議する
・2015.4 日米安全保障協議委員会・第3次ガイドライン(日米防衛協力の指針)
同盟調整メカニズム(ACM)事実上の日米統合司令部、共同運用調整所
 共同計画策定委員会(BPM) 日米安全保障協議委員会の下に設ける
  日本側は自衛隊の代表、米側は太平洋軍、在日米軍の代表
2.日米間で結ばれている他の主な密約
米軍出撃密約
現行日米安保条約の1959.1.19調印に際して、秘密文書で米軍出撃を「移動」として、地球上のどこにでも出撃することを認めた密約(『対米従属の正体』高文研196〜214ページ)
日米安保条約第6条は、日本に駐留する米軍がフィリピン以北の「極東」に出動することを認めているが、この密約により、米軍は地球上のどの戦争にも日本から出撃できる
ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争
日本はアメリカの世界戦略にあわせて行動し、自衛隊を海外に派兵する
アフガニスタン戦争ではインド洋上で米軍後方支援
イラク、南スーダンへ
北富士演習場には、イラクのサマワに陣地を作った訓練施設が残されている(『指揮権密約の研究』序章11〜52ページ)
核兵器持込み密約
1960.1.19現行日米安保条約の調印に先立ち、1960.1.6「討論記録」で秘密取決め
「事前協議は米艦船の寄港、航空機の離着陸、それらの領海、領空通過に影響しない」
非核三原則(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)に反して米軍の核持ち込み容認
刑事裁判権密約
1953.10行政協定(1951.9調印。現在は地位協定)第17条は、米軍人・軍属を日本の裁判所が裁くと定めているが、実質的に、無罪放免か軽微な罰で釈放する
ジラード事件 1957.1.30 薬莢拾いの女性を「ママさん、大丈夫」と言って誘きよせ、怯えて逃げるところを背後から撃って射殺した(『対米従属の正体』149〜158頁)
4 中国を理由に軍事大国化
1.台湾の緊張を利用して自衛隊強化
「台湾有事」危機をあおり、米軍・自衛隊の共同作戦態勢強化
石垣島など南西諸島配備などへ自衛隊配備増強
台湾について半世紀(1911〜1945年)にわたり植民地支配をした日本に発言権はない
戦後も1972日中国交回復まで人権抑圧の蒋介石政権を認め、台湾民衆に敵対してきた
『研究中国』2022.4.1「台湾海峡紛争と日米中の関係」
2.中国は台湾に軍事侵攻するか
中国が台湾進攻を決めたわけではない
米国防総省カール次官2023.2.28下院公聴会「(習近平が台湾侵攻を)決めたわけではない」「準備を加速させるであろう兆候もない」(「朝日」ワシントン2023.3.2)
大陸と台湾は密接な経済関係ができている
新華社上海電・多くの台湾企業が上海に進出し、両岸青年が企業を起こすモデルになっている。上海市台湾同胞投資企業協会林建雄常務副会長は「両岸青年が集まり、両岸の協力が発展する重要な舞台になる」と言明(人民日報海外版2023.4.11)
3.中国の状況(日中友好新聞・中国レーダーから)
迫害される知識人
祭霞・中央党学校教授を追放・アメリカに亡命
許章潤・精華大学教授を免職・追放
人権・民主主義抑圧に起因してコロナ蔓延
コロナの危険を最初に指摘した武漢の眼科医・李文亮は公安局の取調と処分を受け死亡
コロナ蔓延への対応の誤りを指摘した法学者の許志永は、2020年2月に逮捕
武漢市の状況を世界に発信した医師の方斌は、当局に拘束され、行方不明
習近平政権のコロナ対応の誤りを指摘した実業家の任志強は追放
武漢市で遺族の口封じや緊迫する病院、火葬場の状況を広めた法律家・市民ジャーナリストの張展は、上海地裁が社会秩序騒乱罪で懲役4年の判決
中国の民衆は抑圧に屈していない
2023年冬、湖北省武漢、河北省天津、広東省など多くの都市で高齢者の大規模な行動
2022年秋、北京市四環路に「独裁の国賊・習近平を罷免せよ」の横断幕、撤去・投獄
〃 北京、上海、武漢、南京、広州、杭州、鄭州で習近平辞任を要求する青年学生デモ             □
4 アメリカは中国をどうみているか
アメリカは1979年1月の米中共同声明で「一つの中国」を誓約した
米中ともに「競争」と言って、対立はしていない
バイデン大統領は「民主主義と専制主義のたたかい」とアメリカ政治を宣伝
ミリー米統合本部議長 2023.3.23 下院予算員会証言
中国、ロシアとの戦争は不可避ではなく、差し迫ってもいない
人民日報社発行・グローバル・タイムズ2023.4.3
「アメリカの専門的軍人のミリーは、アメリカが中国に対してタカ派的敵対心を過度に表明する時は、アメリカの国家的利益を現実に超えているということをよく知っている」
5 岸田政権が強行する大軍拡
2023年度「防衛力抜本的強化元年予算」と自己宣伝
軍事費6兆8219億円。GDPの2%
2022年度比、約26%、1兆4214億円増。5年間(23〜27年度)で43兆円増やす
日本防衛より外国を攻撃する兵器
トマホーク2113億円、400機を購入。1機あたり5億2800万円
地上攻撃型の射程は1300〜1600キロ 
ほかにイージス艦搭載関連機材1104億円。合わせて3217億円。2026年配備開始・2027年配備、イージスシステム搭載艦の建造費2208億円
次に世代に大きな負担
新規後年度負担7兆6049億円。有償軍事援助(FMS)による兵器購入1兆4768億円
その他の主要装備購入:F15戦闘機能力向上1135億円、空母化型護衛艦搭載のB35戦闘機取得1435億円、E2D早期警戒機1949億円など。
米軍経費も国民の負担で、再編基地対策費2217億円、関連経費4872億円
スタンド・オフ・ミサイル(長射程ミサイル) 
[国産]12式地対艦誘導弾能力向上型/約1000`以上、超音速高速滑空弾/約2000` 音速誘導弾/約3000` [輸入]トマホーク/1300〜1600、JSM/500`(空対艦ミサイル、F35戦闘機に搭載)、JASSM/900`(空対地ミサイル、F15戦闘機に搭載)
統合防空ミサイル防衛(IAMD)共同推進
サイル防衛と相手国のミサイル基地攻撃を結合する「攻守一体」の軍事システム
日米豪印(クアッド)で情報を共有して、米軍司令部による「射撃統制」 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(了)

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