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たかが一人、されど一人

読後感「検察に死の花束を捧ぐ」柴野たいぞう著 

2012年01月25日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

著者は元衆議院議員だったそうだ。1993年に与謝野氏や海江田氏が地盤とする激戦区の東京1区に、新政党から出馬して当選したことがあったらしい。次の選挙では落選して、以来政界をうろうろして最終的には2010年1月自民党公認で参議院選に出馬、これも落選したらしい。そして昨年9月首吊り自殺をしているのだが、殆ど報道もされていないのではないだろうか。少なくとも何も記憶が無い人物が、死ぬ直前まで書き綴った原稿を、出版社の編集が発見して今月発刊の運びなっている。この人物、一昔前によく聞いた自民党院外団(勝手な解釈かも知れないが、議員崩れの政治家の用心棒グループ、政治ゴロとも言われる)のような存在で、実態は分からないが評判決して良くなかったようだ。勿論怪しげな評論家になったり、本も出したりしていたのだろう。そして、2010年9月、自身が代表を勤める日本中油の架空増資と、未公開株をめぐる詐欺容疑により東京地検特捜部の強制捜査を受け、逮捕され、昨年4月に釈放されるまで198日拘留されている。本書の内容からすると、拘置所中でも相当検察に楯突いたようだ。検察に対する態度の悪さのせいかどうか分からぬが、取り調べが終わり起訴が確定して逃亡の恐れのない被告は保釈される権利が発生するが、彼の場合何故か11回の保釈申請が検察の妨害で却下され、12回目にしてやっと娑婆に出られた。本書の意図するところは、検察とのバトルを通しての実体験に基づき日本の司法制度の問題点を提起するところにある事だけは間違いない。著者が亡くなったのは第1審判決の出る前日の事。検察が起訴した99.9%が有罪判決に至る我が国の司法の構造を知悉した著者が、最後の手段を以てしてでも訴えたかった事を読み取ることが出来る。即ち、強力な権力を持つ検察制度が己の権力を維持するために、これと狙いを付けた人間は何が何でも、柄の無いところに柄を据えてでも牢屋にぶち込まずには済まない。その手段方法は凡そ近代民主主義国家には馴染まない前近代的であり、冤罪を生みかねない。昨年厚生省の村木局長が見事逆転無罪判決を勝ち取り、逆に検事が証拠物の偽造で逮捕されるなど、我が国の司法制度の問題点が一瞬露呈されたかに見えるが、大勢に何の変化が無いのでは、と心配になることしきりだ。

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