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たかが一人、されど一人

読後感「思想の英雄たち」保守の源流をたずねて 西部 邁 著 

2012年05月17日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

「途中で投げ出さず、よく最後まで読み終えた」が偽らざる最初の感想。少し著者について書いておきたい。嘗て著者の講演を1回聞いた事がある。今からちょうど10年前、ブッシュ大統領がアフガン侵攻を開始した翌年にイラク、イラン、北朝鮮を悪の枢軸と名指しして非難していた頃のことである。小柄でちんちくりんの著者が、逆にブッシュを痛烈に批判して、「私もそのうちにCIAに暗殺されるかもしれない」を聞いて、面白いことを言う人だと印象深かった。その後何回かテレビでも観たが、頻繁にはお呼びがかからないようだ。この本も丁度その頃書かれたものだ。読む気になった理由にも深いものは無く、たまたま著者の本を一度読もうかと書店に行ったら、文庫本ではこれしかなかっただけの事。少し硬すぎるかなとも思ったが、大学の哲学科出身の名誉にかけて購入してしまった。西洋の哲学者(だと思う)15人の考え方と解釈のされ方を200頁以上にわたって解説し、最後に著者自身の考え方を述べて締めくくっている。紹介されている思想の英雄とはエドマンド・パーク、セーレン・キルケゴール、アレクシス・ド・トックビル、フリードリッヒ・ニーチェ、ヤーコブ・ブルクハルト等々。全員書いても詮無さそうだ。哲学者と言えばデカンショ節に歌われているデカルト、カントぐらいしか名前を聞いたことがないのだから。哲学者と勝手に書いたが、ニーチェのような文学者や中には政治家もいるらしい。紹介された殆どが、筆者と同じ保守主義を唱えているらしい。保守とか守旧に対する概念に進歩や革新が来るようだ。そもそも人間の存在とか言語、もっと言えば国柄なんてものは全て、歴史から生まれているものだから、それを気安く捨て去るか忘れて、進歩だの革新と言う人は余り出来のよくない人間だと言いたいらしい。著者は学生時代に共産主義者同盟(ブント)のリーダーとしてゲバ棒を振るったらしいので、若い時は対極にいたのだろうと思うが、どこかで気が付いた事なのだろう。ここに来て読むきっかけを思い出した。憲法記念日のテレビかなにかで、彼が言っていた事「首相公選論や改憲が急にクローズアップされている。特に改憲については使い勝手が悪いと言われた。(相手はみんなの党の国会議員柿沢氏)使い勝手が悪いと言って憲法をそんなに手軽に扱うのは如何なものかだ。現憲法についてはアメリカに押し付けられたと言うが、それも違うだろう。日本人が押し頂いたのだ。」アメリカ嫌いの著者だから、本音ではちゃぶ台返しをしたいくらいなのだろうが、若い政治家の歴史認識の浅さを咎めての発言である。これを聞いて、本でも読もうと思い立った。同世代でありながら、学生時代に学問らしいことを何もせずに遊び歩いていた自分に思いを致すと、著者の学問深きこと、知見の高さには只々感嘆するしかない。但し、難しすぎてあまりお薦めできないかも。

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