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たかが一人、されど一人

読後感「戦後史の正体」孫先享著 

2012年08月28日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

どこの書店でも店頭に大量に置かれているし、非常に多くの評論家が書評を書いたりコメントしている。今最も売れている本の一つだろう。著者の著書は何冊か読んでいるが、流行に敬意を表して読んでみた。高校生にも分かるように書いたと書かれている通り非常に分かりやすい。言わんとするところは1945年の終戦から現代にいたる我が国と米国の関係についてである。これはとても独立国同士の関係ではない。終戦時に連合国代表で日本に進駐した米軍は、その後の世界情勢の変化で1951年サンフランシスコ条約で日本の独立を認めた形をとっているが、同時に旧日米安全保障条約が結ばれことで、他国の軍隊は撤収したが、日本における米軍の実態は占領時代と何ら変化していない。その後安保条約の改正はあった形にはなっているが基本的なところは何も変わっていない。常に米国に都合よく利用されてきているのが戦後の歴史である事を順序良く具体的に述べている。先ずは日本が独立する時旧安保条約を締結した。当時ダレスは米国務長官「我々が望むだけの軍隊を、望む場所に、望む機関だけ駐留させる権利を確保する、それが米国の目標である。」と述べている。このダレスが決めた目標は、その後一貫して、日米の安全保障関係を支配している。これを根本的に変えようとした政治家は重光葵であり岸信介だが何れも成功していない。そしてその日米安保体制が時間の経過とともに、日本がまるで米国の属国のようになってしまった理由が述べられる。即ち米国は日本の政治に対して或いは表から恫喝したり、或いは裏から画策して都合の悪い人物を排除してきたからである。日本の主たる政治家は米国のポチにならない限り長続きしないらしい。勿論検察やマスコミが何故にそうなったかについても改めてよく理解できた。1945年9月2日日本が降伏文書調印直後、マッカーサーが最初に出そうとした布告が次の3か条であったことを私は初めて知った。そしてこの布告を無条件降伏にサインしたばかりというのに即座に撤回させた重光葵の働きを現在何人の日本人が知っているだろうか?1.日本を米軍の軍事管理のもとに置き、公用語を英語とする。2.米軍に対する違反は軍事裁判で処分する。3.通貨を米軍の軍票とする。朝鮮動乱の勃発や冷戦の終結による世界情勢の変化が米国にどのような影響を及ぼし、結果的に日本がどんなに救われているか。対米関係で日本の自主を勝ち取ろうとした政治家と、対米追随に終始した政治家が国民に対して何をしてきたか、認識を新たにしたことが盛りだくさんである。2代目3代目の政治家でも先祖の事績をどこまで理解できているか心配になってきた。日本人必読書かもしれない。

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