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パトラッシュが駆ける!
「あたしでーす」
2013年03月08日
テーマ:テーマ無し
妻の声がした。
ぐっすり眠ってしまったようだ。
昨夜の寝不足が、響いている。
女子サッカーのアルガルべカップ、対ノルウェー戦を見ていて、
寝るのが遅くなった。
もっとも、そんなことがなくても、私はのべつ寝ている。
客さえ来なければ、パソコンに向かっているか、
うたた寝をしているかの、どちらかだ。
サロンの一画、デスクの横に、冬場は、コタツを置いてある。
これに足を突っ込み、上半身を45度、ひねるようにして、
デスクに向かっている。
パソコンに飽きると、尻を浮かせ、全身をコタツに移す。
そして、胸まで布団にもぐり、寝てしまう。
衝立を置き、外からは、見えないようにしてある。
戸の開く、かすかな気配を感ずるや、私はすかさず、上半身を起こす。
「いらっしゃいませ」
何食わぬ顔をして、応答をする。
私の得意とするところだ。
長いこと商売をやって、身に付けた特技と思っている。
しかし、客でもない者に、眠りを中断し、返事をするのは、忌々しい。
そこで妻には、必ず声をかけるように言ってある。
戸を開ける、その瞬間にである。
一秒遅れても、だめだ。
私は、その一秒の間に、すかさず起き上がってしまう。
それが妻であれば、無駄な努力をしたことになる。
「何の用なのさ」
つい、責めることになる。
* * *
珍しく夢を見ていた。
いやそうではない。
夢はのべつ見るのだが、すぐに大概、忘れてしまう。
珍しく、覚えていた。
それはつまり、起き上がる瞬間まで、見ていた夢だからだ。
私が電話で、外国人と話していた。
後から考えれば、そんなことはあり得ないのだが、カトリックの神父さんだ。
これを、説教と言うのかもしれない。
片言の日本語ながら、彼、次々に、いいことを言う。
マタイの福音書が出て来る。
善行を行う際の、心構えを言われたから「ああ、それなら」と、私は遮った。
「知ってますよ『右の手ですることを、左の手にも知らせてはならない』でしょ」
プロに先手を打ち、少し、得意になっている。
結局は、寄付金の話になった。
神父に言いくるめられた、わけではない。
私が自発的に、お金を出そうとしている。
支払いの方法を聞かれた。
「Credit card ?」
「No。 bill で」
何だか変だが、ここだけ英語になっている。
夢だから仕方ない。
おれだって、このくらい喋れるぞと、いいところを、見せようとしているのかもしれない。
「good luck」と言ったら、神父が「good bye」と言った。
ああそうか、byeの方がいいのかと、考えているところで、妻が戸を開けた。
夢を終わろうとする、寸前であった。
惜しいところであった。
それでつい、不機嫌になってしまった。
* * *
珍しく、朝から本を読んでいた。
曽野綾子さんの随筆集「堕落と文学」である。
「作家の日常、私の仕事場」と、副題にあるように、創作の現場を語っている。
裏側と言ってもいい。
何の世界でもそうだが、裏を覗くのは、楽しいものだ。
それが小説家のとなれば、私も書くことが好きだから、なおさらに興味深い。
なるほどと思わせることが、たくさん書いてある。
「文体にはそれぞれ、宿命的な粘度や湿度がある。光度も違う。
明るいばかりがいいわけでなく、暗ければ安心出来るというものでもない。
それ故に、生理としか言いようのないもので、作者と読者は繋がる」
なるほど、生理とは、うまいことを言う。
私の文は、果たして読者に、どう受け止められているのか・・・
生理的には、嫌われていないと思うのだが・・・
なんてことを、しきりに考えていた。
曽野さんは、クリスチャンでもある。
カトリックの神父さん達とも、親交がある。
バチカンでの出来事を初め、様々な逸話が、そこで語られている
私は、旧約聖書の「ヨブ記」を読み、これはとても信仰なんか、
するもんじゃないと思った。
善人ヨブさんが、次から次へと、苦難に遭わされる。
真っ平だと思った。
曽野さんは、逆だ。
あれを読んで、信仰が確たるものに、なったとおっしゃる。
人の考えは面白い。
同じものを見ても、まったく逆の結論に至る。
曽野さんの信仰たるや、私のような凡夫の、理解の及ばないところにある。
そう思うしかない。
しかしながら、一歩教条を離れると、話は別だ。
その体験談には、頷かされるばかりとなる。
頭が下がる。
彼女は、アフリカで、インドで、熱心な救援活動をやっている。
慈善と言うと、それは違うと、きっと言われそうだが。
曽野さんに、心酔はしない。
尊敬とも違う。
同感もしくは、賛成くらいのものだ。
それでも偶然ながら、良い本に当たった。
私は満足しつつ、そのまま、寝てしまった。
私は単純な人間だ。
すぐに何かに、影響されてしまう。
直後の夢に、神父が出て来たって、何の不思議もない。
一月ほど前には、アリストテレスとだって、対面している。
それは、もちろん、私が教えを乞うているのだが。
* * *
せっかく見た夢だ。
もったいないから、私はことの顛末を、エッセイに書く気になった。
それで、パソコンに向かっていた。
「ブー」
突如、インターフォンが鳴った。
三階からだ。
即ち妻からだが、彼女ブーを鳴らしただけで、何も言わない。
もしかしたら、先刻文句を言ったので、むくれているのかも知れない。
いけねえ・・・
昼食の時間を、大幅に過ぎている。
何をしてるのよ?
責めている「ブー」だ。
私は、没頭する男である。
すぐにどっぷりと、何かに浸かってしまう。
煩わしいけれど、時たま誰かに、店の戸を開けてもらう方がいい。
但し、声はかけてもらわねば困る。
「あたしでーす」
これでまあ、仕方あるまい。
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パトラッシュさんも
>私の得意とするところだ。
でエンター押したら飛んで、投稿となってしまった
削除歴残るんでしょうか?
気になるといけないので、削除して書き直しの件お断りしておきます
若い頃居眠り上手がいて、上司がいないと机に伏して寝て、上司が入室すると同時に起きる後輩がいました
その彼がT自動車系デーィラーの支店長、定年後系列会社の社長を務め満願リタイヤしました
非凡だったんですよね
2013/03/13 21:57:37
日常の様子
日常のさりげない様子が判りますよ あはは
何もなく時が流れる 心地よさも感じましたよ。
忙しく旅行や仕事に追われるより、かえって
充実の時かもしれませんね (^_-)-☆
2013/03/12 09:55:48
そうでした
欧米では、現ナマよりも、小切手が主流なのですね。
しかし、夢の中って、とっさに英語が出ないものですね。
というか、外人相手に、英語がしゃべりたくて、それで夢を見ていたのかもしれません。
「コンクラーベ」覚えておきます。
実に含蓄のある言葉です。
2013/03/08 20:19:32
笑いながら読ませていただきました
あ〜面白かった。
昼寝を電話で起こされ咳払いして出ても「寝ていたでしょう」と言われる、盗み喰いした猫が舌をベロベロしながら「おやつちょうだーい」とねだるのと同じでバレナレですね。
神父さんの寄付は小切手でも受け付けてくれますので次回の夢の時は[Chect」と言ってみたらいかがでしょうか。
バチカンではコンクラーベが行われるのでしょうかね、覚えやすい言葉で間違わずに言えます。
いつもギャラリーに拍手ありがとうございます。
2013/03/08 14:29:42