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人生いろは坂
発酵の力
2014年01月05日
テーマ:テーマ無し
今までEMや光合成細菌の培養など微生物の培養に取り組んできた。その発酵や培養に魅了され今回は
二つの発酵に取り組んだ。
その一つが果実の酵素ジュース作りだ。この取り組みについては先のブログでも紹介したので詳しくは
書かないが、この時も完成近くには圧倒的な発酵力をまじまじと観察することが出来た。かき混ぜた時の
泡の量が半端ではなかった。かき混ぜるたびに容器の口からこぼれはしまいかと心配するほど泡が出た。
溶け込んでいた炭酸ガスだと思われる。
二度目の酵素ジュース作りの時は一度目ほどではなかった。何が原因だったのか良く分からない。
しかし発酵時特融の甘酸っぱい匂いとリンゴなどの果肉がまるでスポンジのように柔らかくなっていたのが
印象的であった。果汁が完全に抜けてしまったからだろうか。仕込んだ果実の大半は軽くなって浮いていた。
ただ生姜だけは浮かずに液の中を漂っていた。
一回目と二回目の違いは果実の種類が違うこと、二回目は水を全く加えなかったこと、一回目の発酵液を
多少加えたこと等だ。従って出来上がった液の量も当然少なく、ただし水を加えなかった分だけ糖分が濃く
液そのものも濃い。通常、果樹と砂糖の比は1:1.1である。砂糖の方が重量にして10%ほど多い。
砂糖を多くするのは腐るのを防ぐためだと思われる。もう一つの目的は発酵を促進させるためだと思われる。
砂糖も当然のことながら発酵する。それはビールつくりの時に栓をする直前に更に炭酸ガスの発生を促すために
砂糖を加えるからだ。
発酵と腐食は一見似ているようで違う。それは出来上がり状態で判断できる。腐食は溶けてものの形が
崩れてしまう。しかし発酵したものは大根や白菜などを見ても分かるように、しんなりとはしているが
形は全く崩れていない。形を保ったままである。ここが完全に異なるところである。そして出来上がった時の
匂いが異なる。発酵の場合は使う材料にもよるが何となく甘酸っぱい匂いがする。この酸っぱい匂いこそ
発酵の証拠である。そして何よりも飲んでみれば良くわかることである。何となく酸味を感じる。従って、
口に入れて何かしら違和感を感じるようであれば飲まない方が良い。
作ったものに自信がない人や確証がつかめないときは先輩に聞く方が良い。発酵を何度も経験していると
失敗か成功かは簡単に見分けがつくようになる。何しろ酵素ジュースを作るには果実や野菜についている酵母と
私たちの手についている常在菌の力を借りる。多少心もとない感じもしないではないが、それがものの見事に
成功すると改めて酵母や常在菌の力と存在を知ることになる。
実はここのところが何とも面白い。さて、この酵母、こうしてみると様々なところへ存在していることに
なる。そして環境さえ整えれば簡単に発酵に至る。あるべき環境さえ整えてやれば自然は簡単に修復する
ことが出来ると言うことであろうか。木村式自然農法の何かに通じることである。
昔の人は理論理屈の前に自然発酵を簡単に利用していた。たくわんの漬物、白菜のキムチ、味噌、醤油など
である。その代表的なものが朝の連ドラの「ごちそうさま」で出てくる糠床であろう。糠と塩を使うことで
腐らせることなく簡単に発酵状態を作ることが出来る。そして手でかき混ぜると更に手に付いた常在菌が環境を
整える。
そして今回は豆乳に玄米を入れて発酵を試みた。加温しつつ約12時間弱、朝起きてみると軽く蓋をしておいた
注ぎ口から発酵した豆乳がそぼろ状になって吹きこぼれていた。驚くべき発酵力であった。玄米に付いていた
菌によるものだと思われるが、その増殖力をまざまざと見せつけられた感があった。
これが豆乳ヨーグルトと言うものだろうか。食べてみたが違和感はなかった。わずかに酸味を感じるこの
発酵物は豆腐をつぶしたような感じで、いわゆる豆乳ヨーグルトとは若干異なっているような気がしている。
ともあれ腐ったものでないことだけは確かなようであった。出来ればもう一度作ってみたいと思っている。
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