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人生いろは坂

収集癖 

2014年04月02日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 「へき」とか「くせ」と呼ばれるものは誰でも持っている。特に男性に多いのは収集癖だ。何故、男性に多い
のだろうか。私の考察によると男性にそのような癖が備わったのは遠く古代に遡る。幾日も幾日も食べるものを
求めて荒野を彷徨うような日々。それこそ食べ物にありつけたらその場で食べ、残ったものは待っている家族に
持ち帰る。食べたり、食べられなかったりする日々を過ごすうちに蓄えると言うことを覚えた人類は様々な方法で
保存し収集するようななった。これこそが生き残りの究極の手段であったと考えているのである。その役目の
多くは狩りに行く男性が担うようになった。

 この推測が当たっているかどうかは分からないが、今もって人間の行動の多くが原始時代と言われる人類進化の
気が遠くなるような日々の中で培われてきたことが多い。それは近代と言われるほど人類が進化した今日でもまるで
尻尾のように持っている多くの行動やものの考え方や遺伝子の中に色濃く残っている。人類がたどってきた長い長い
進化の記憶ではあるまいか。

 さて難しい話はそれくらいにして私の収集癖の話に移ろう。中学校の修学旅行は北九州であった。記憶に残っている
もので一番に思い出すのは阿蘇山に登った時の事だ。草千里の雄大な眺め、小さな町の事しか知らなかった私にとって
日本にもこんなに雄大な場所があることを知った初めての旅であった。そして数年後、再びこの地を訪れるようになろう
とは思いもよらなかった旅でもあった。余談になるが人間は縁ある土地については幾年か前に体験することがあるようだ。
また人との出会いも幾年か前に何らかのことで体験していると言うのが私の実感だ。

 そして阿蘇に登った頃、私の収集癖は頂点に達していた。持って帰りたい珍しい石が無尽蔵に転がっていたからだ。
周辺の景色もそこそこに坂道に転がっている火山から噴き出した石を夢中になって拾っていた。とにかく持っていた
旅行鞄の中には重たくなるほどに石が詰まっていた。持ち帰ったものを見て家族はいささかあきれていた。何と言う
ことだろうお土産はお菓子でもなく饅頭でもなく食べることも齧ることも出来ない固い石だったのである。今もって
変わり者の私のエピソードの一つになっている。

 山口県の秋吉台を旅行したころは化石に凝っていた。点在する露頭の石灰岩を見るとフズリナという原始の生き物たちの
そのままの姿が閉じ込められていた。まさか露頭の石灰岩を割って持ち帰るわけにもいかないので周辺を捜していると
小さな石にも様々にフズリナの姿を確認することが出来た。これらはお土産に買ったフズリナが地模様になった灰皿と
一緒に持ち帰った。このときの鞄も石で重かった。

 岡山県に住むようになって友人に誘われるままに成羽町に行った。その友人も収集癖の塊のような人であった。私と
異なるのは収集が学術的な域にまで達した人であったことだ。陸生の貝殻の中に新酒を発見したり、会社周辺で海底から
上がった土砂の中から新種の貝を発見し学会で認定されたりと、その道では名の知れた人であった。その人の誘いで
成羽町まで化石の採取に出かけたのであった。ごく普通の畑のそばの崩れかけた崖からそれこそ無尽蔵とも思えるような
化石が露出していた。

 子供の頃住んでいた神辺にも思い出の場所があった。竹尋とか竹田とか呼んでいた土地であった。ここには鉱山跡が
あり鉱石の残骸がたくさん転がっていた。それこそ私たちにとって宝の山であった。何かに夢中になっているとこんな
情報も誰からともなく入ってくる。子供の足だと数時間はかかるようなところまで自転車と徒歩とで友人たち数人と
一緒になって探しに行ったことがある。それが黄銅鉱だったのか黄鉄鉱だったのか、塊の中にキラキラ光るものがあった。
私たちにとっては宝の様なものであった。

 このころ、そう小学生の頃、石の収集に凝っていた頃があった。中二階の天上部屋には色んな石が箱に入れて保管
されていた。収集に熱中すると不思議なことに次々と珍しい石が手に入る。この体験は経験したものでないと分からない。
さすがに今は当時ほどの収集癖は残っていないが、今でも旅行先の石を拾って帰ることが習慣になっている。家の外や
内には色んなところに石が保管されている。今や多くの石はどこで拾ってきたのかも分からないそんな石ころである。
いい加減に捨てなさいとか、またそんなものを持ち帰ってと、常に妻に揶揄させるのだが容易にその「癖」は終わり
そうにない。次回は古銭収集の話をしたい。

 外は春爛漫である。我が家の周辺も花盛り。そんな花の一つを紹介したい。一つはクリスマスローズ、更に一つは
ボケの花である。今を盛りに咲いている。

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