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人生いろは坂

劇団新感線 

2014年05月20日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 季節は寒く長かった冬から初夏へ。初夏とは言いながらかなり肌寒い5月15日、久々に上阪した。大きく様変わりして
しまった梅田界隈。在職中には何度も通った大阪であったが、今はすっかり変貌してしまい超近代的な街へと生まれ変わって
しまった。何となく大阪らしい庶民的な良さが失われていくような気がしてならない。これが発展と言うものであろうか。

 今回の上阪の目的は、長く寒い冬がやがて終わろうかと言う頃に電話予約しチケットを手に入れた「蒼の乱」という
劇団新感線が演ずる演劇鑑賞が目的だった。慣れない予約手続きで随分てこづった挙句、予約できた席はS席ながら一階の
かなり後ろの方、更には端から一番目と二番目と言う最悪の場所であった。それでも購入できたのはラッキーだったらしい。
人気のある公演らしく、梅田芸術劇場メインホールの座席二千近くを埋めるような観客であった。この日、一階席も二階席も
ほぼ満席状態だった。公演当日は新しく完成したグランフロント大阪という高層ビルにあるホテルに一泊しての贅沢な物見
遊山とあいなった。

 この劇団新感線なる演劇、大衆演劇を更にど派手にし、しかも巨大にしたものと言っても良いだろう。ど派手な演出と
腹の底に響くような音響、とにかく今まで見たこともないような舞台であった。名付けて「いのうえ歌舞伎」と言う。
今作は、平安時代をモチーフにした架空の国の平将門をめぐる物語。主演の天海祐希は、強く美しい将門の妻:蒼真を演じる。
蒼真の夫:将門小次郎を演じるのは、新感線初参加の松山ケンイチ。朴訥とした雰囲気で(何となく大河ドラマで演じた
平清盛を思わせるような)新たな将門像に挑戦。また、同劇団には三度目の出演となる早乙女太一と彼の弟だと言う早乙女友貴
更に、演劇界の重鎮・平幹二朗が、満を持して初参加と言う豪華な顔ぶれだった。一万円を超えるチケット料金は高いと思ったが
この顔ぶれなら仕方がないか。

 ストーリーは都では中央集権の政(まつりごと)のもとに朝廷では貴族たちが贅沢三昧に暮らし、地方の民たちには税が重く
課され貧しい暮らしを強いられていた。不満のたまる地方の民たちは小さな叛乱を起こしては貴族によって封じられていた。
あるとき、左大臣の屋敷で国の行く末を占っていた渡来衆の一団が、国家大乱の卦を出したことを口実に武士たちに襲われた。
窮地に追い込まれた彼らの長である蒼真(天海祐希)と蒼真の親友、桔梗(高田聖子)は、坂東から京に出てきていた将門小次郎
(松山ケンイチ)に救われる。蒼真と小次郎の運命の出会いである。二人はその運命に導かれ夫婦となり、小次郎の故郷・坂東の
地を目指し都を後にする……。と舞台は転回していく。

 テンポのいい転回は観客を飽きさせない。途中、20分間の休憩はあるものの見ごたえのある舞台であった。舞台は会場に
向けて傾斜しており、更には回り舞台をフルに活用。暗転は舞台の端(観客席の前)に強力なライトが照らされ、遠くからだと
ほとんど暗転した舞台が見えなくしている。普通は白か黒の紗幕を使うところだ。新しい工夫が至る所に見られる。

 私たち夫婦は舞台を見ながら奇しくも同じことを考えていた。つい先ごろ終わったばかりの創作ミュージカル「ヤオヨロズ」
と重ね合わせてみていたのだ。出来るか出来ないかは別にして舞台装置や演出のテクニックなど取り入れるべきものも多種多様に
あった。そして何よりも主演の天海祐希とヤオヨロズのTさんとがダブって見えていた。それは家内も同じであったらしく
規模やアマチュアとプロの差は歴然とはしているものの「ヤオヨロズ」が完成度の高いものであったと言うべきであろう。

 先の金毘羅歌舞伎には伝統歌舞伎の良さがあり、今回のいのうえ歌舞伎には伝統的なものにはない良さがあった。今シーズンは
図らずも二つ続けて素晴らしい舞台芸術を見せて貰った。むろん「ヤオヨロズ」もこの二つには負けないと自負しているのだが。

 興奮冷めやらぬ間に会場を出てみると爽やかな風が吹き抜けていた。早めにホテルに入り、その豪華な部屋の作りにいささか
驚きながら孫や娘夫婦が来るのを待った。今夜は豪華な食事が待っている、そんな楽しい一夜であった。

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