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北軽井沢 虹の街 爽やかな風
幻の滝と二度上駅舎の面影を訪ねて−2
2010年11月30日
テーマ:テーマ無し
<div>おやつタイムは、絶妙のタイミングであった。二度上峠さんが用意してくれたブルーシートにはそれぞれが持参したおやつの数々が並ぶ。案内には自分の食べるおやつと飲み物と書いたつもりだが、出るわ出るわ・・・様々なお菓子や果物、漬物におにぎりまで。ウッカリすると何時間でもおやつタイムは続きそうだった。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>すぐ近くに二度上峠さんが住んでいたという場所があり、お爺さんの胸像があり、いろいろな説明書きもあった。こんな山の中で電気のない生活をしたという経験は、今となってはとても素晴らしいものだ。草軽鉄道の列車が来ると、遅れそうな二度上峠さんのために父上が大きな声で待っていてくれと叫んだという。静かな山の中で子を思う父の声が、大きくこだましたに違いない。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>夢のような話しはまだ続く。草軽鉄道が廃線になることが決まったとき、お父さんは当時のプリンス自動車の小型トラックを手に入れ、小学校2年生だった二度上峠さんに運転をさせたという。座席にみかん箱を置きその上に座って運転した二度上峠さんを想像することはむつかしいが、当時の駐在さんが、家からここまでという条件で目をつぶったというのは、今ではとても考えられない、なんとも温かい話しである。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>私も無免許でオートバイに乗っていたことを思い出すが、それは中学2年生のころである。小学校2年生で自動車を運転したという話しには仰天してしまったが、無免許運転という犯罪的な匂いのする話しが共通点であることから、ますます二度上峠さんとの親しさを倍増させていった。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>私より6歳若い二度上峠さんの壮大な経験から来る人格の大きさをずっしりと感じながら、ランチタイム後の幻の滝へと出発した。<br>
少し進むとすぐに小さな建物があり、そのそばにトイレもあった。ここでは、今でもこの建物に泊まり込み、梅干しとおかゆだけで、滝に打たれて修業するということが行われているという。そのような神聖な場所なのだと言うことを知った。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>使わせていただいたトイレもきれいに掃除がされていたという、何から何まで細やかな心遣いに恐れ入った。<br>
いよいよ幻の滝へ向かって歩き出したが、山には入る入口で立ち止まった二度上峠さん。両手を口元へ持っていき、「入りま〜す!」と大きく叫ぶ。<br>
つい私もつられて「入りま〜す」と言ったが、それはどういうことかと尋ねた。<br>
どうやら山の神に、これから入りますということのようだが、同時にその発する声のおかげで熊に出会ったことがないという。<br>
「入りま〜す」は、もう1カ所でも発せられた。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>人一人がやっと通れる山道の左側には川が流れているが、途中にとても珍しいものが見えた。それは、その経緯を知らなかったら珍しくも何でもないタダの石垣と、コンクリート擁壁の一部だった。説明によるとこれは、二度上峠から倉渕に行く道路工事の際、測量を間違えて一キロほど作られた幻の道路の跡。<br>
そのまま進むと、軽井沢の方向に進み倉渕には出ないと言うことが分かり、作り替えたというエピソードの跡だが、このような珍しいものまで見ることが出来、ますます探検という言葉が相応しいツアーだと感じた。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>しばらく進むといよいよ滝が見えてきた。二度上峠さんのお爺さんが命名した「相生の滝」が目の前に現れたときはやはり感激した。滝という自然現象はなぜか神聖な、有難いもののように思えるのだが、日本には、そのまわりの環境により様々な滝があり、人々を魅了している。全員が30&#13213;の水深に絶えうる長靴を履いていたため、指示通り水の中を進み滝壷に到着した。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>これがあの浅間大滝の上流にある幻の滝。水の量は多くなく、少し幅広の滝からは白糸の滝を彷彿とさせるような静かな流れがあった。その右側に勢いよく流れ出る滝がもう一つあったが、それは最近大きな石が落下して出来たものらしい。真ん中の滝の前には巨大な岩があったが、それも滝の流れで落ちたものだという。ここで水に打たれて修業をするのだと思うと、きりっと引き締まった気持ちになるが、すぐ上から落ちてくる水しぶきにマイナスイオンがいっぱいに漂っている。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>相生(あいおい)の滝という名前も私にはとても親しみがある名前であった。<br>
それは、広島の原爆ドームのすぐ西側に架かる橋の名が「相生橋」なのだ。<br>
広島にいるころ、娘が作ってくれたホームページに「橋のある風景」を書くことにしたが、その第一号にこの思いで深い「相生橋」を書いたのだった。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div><a href="http://symphonyclub.petit.cc/muscat2b/" target="_blank">http://symphonyclub.petit.cc/muscat2b/</a></div>
<div>&nbsp;</div>
<div>小学校1〜2年生のころ、今では考えられない原爆ドームの螺旋階段を上がってよく遊んでいた。相生という名前は忘れられない想い出となっている。</div>
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<div>この滝壷から流れ降りている川は、途中3カ所の支流と合流し、浅間大滝では水量が多いあのような滝になるということも分かった。<br>
「来て良かった、普通なら見ることの出来ない滝」、参加者は口々に思いを語り、満足のいく様子が伝わってきた。<br>
帰路、よろけて水に手をついた人もいたようだが、ミステリーツアーは行きの道で発見できなかった熊のフンを無事発見し、全員がそれをフンずけることなく終了した。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>かくして「名探偵シャーロック・ホームズと行く、幻の滝と二度上駅舎の面影を訪ねて」というミステリーツアーは、12人の出逢いに強烈な想い出を残し、<br>
まるで幼いころの遠足のような甘酸っぱい雰囲気さえ味わったのであった。</div>
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<div>私が、なぜ名探偵シャーロック・ホームズになったのかという経緯は、また別の機会に紹介するが、この度、会うことができた二度上峠さんとは、随分以前に最初にコメントをいただいた時から、会えるような予感がしていた。<br>
相生の滝も、二度上駅舎の面影も大変素晴らしかったが、私にとっては、二度上峠さんに会えたことが最高に素晴らしい出来事だった。</div>
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<div>これをきっかけに、よい交際が長く続き、いつの日にかこのツアーのことを話しながら暖炉の炎を肴に二人で飲みながら笑っている姿を想像している。<br></div>
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<div>二度上峠さん、本当にありがとうございました。<br>
今後とどうぞよろしくお願いいたします。</div>
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