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パトラッシュが駆ける!

新酒の味は 

2016年12月03日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

酒は何でも好きだ。
但し、自前で購入するのは、ビールと清酒であり、時に焼酎が加わる。
その他の酒は、買ってまでは、飲まない。
他人様が、プレゼントして下さるなら、話は別だ。
喜んで飲む。

ウイスキーは、父の日に、娘婿からもらった。
スコッチであった。
私は、これを水で割るのは、邪道だと思っている。
ロックでやった。
フレーバーが鼻腔に抜け、思わず「嗚呼……」と声が出た。
ウイスキーとは、何と気分の良い酒かと思った。
但し、ボトルを空けたら、それきり。
六月以降、フレーバーとも無縁になっている。

ワインを最後に飲んだのは、何時だったか……
にわかに思い出せないところを見ると、これも数か月は、経っていると思われる。
ワインの難しいところ、それは、食事酒だということだ。
肴なくして、これを飲むのは、デュエットで歌うべき、カラオケの曲を、
相手が居なくて、一人憮然と、歌っているようなものだ。
不本意であり、大いに侘しい。

それは、私の晩酌タイムに関係がある。
長年の習慣で、私の飲酒は、終業後と決めてある。
商店経営をやっていた頃の、名残りである。

囲碁サロンのシャッターを下ろし、三階に上がり、飲酒を始めるのは、
九時過ぎとなっている。
真面目なシニアなら、もう寝ている時間だ。
実際に、私の友人には、早寝の男が居る。
何人も居る。
その一人なんか、七時に寝てしまう。
京都の町では、著名な人だ。

口開けに、ビールをやる。
350ミリリットルを一缶だから、つまみは、豆の一掴みもあればいい。
その後、清酒に移行する。
もう、つまみも肴も要らない。
ただ酒だけを、ちびちびとやる。
十時半には、寝床に入る。
私は酒好きだが、真の酒飲みとは、言えないだろう。

 * * *

11月16日
M子さんから、ワインをもらった。
「ボジョレー・ヌーボーは、本当は明日発売なんですけどね。
ツテがありまして、前もって、入手しましたの」
ああ、もう、そんな季節なんだと知った。

そうだよなあ……
ワインはフランス産なのだから、とっくに日本に上陸していて、
解禁日を待っているに違いない。
「ヌーボー?、あんなもん、私はとっくに飲んでますがな」
関係者なら、事前に入手して、ほくそ笑んでいても、不思議はない。

ともかくも、私は世間様より、一日早く、ヌーボーを飲んだ。
M子さんのおかげだ。
彼女、私のサロンの客である。
生徒である。
来年のこともある。
再来年のこともある。
懇切丁寧に、教えてやらねばと思う。

11月17日
裏の家作の慶介が、赤ワインを抱えて来た。
ヌーボー当日である。
「何時も済まないね。高いんだろう」
「いえ、大したことはありません。ご希望なら、言って下さい。
まだ、たくさんありますから」
そりゃ、あるだろう。
彼は、食品スーパーの店長をやっている。

そこには、店長ならではの、ノルマがあるようだ。
売れ行きが悪いと、その成績に関わる。
背に腹は代えられない。
土用の丑の日には、うなぎの蒲焼きを、クリスマスにはケーキを、
年末には、正月用お節料理の箱入りを、彼は買い込んで来て、
家主である、私のところへ、せっせと運んで来る。
これを、いわゆる「自爆営業」と称するのだそうだ。

可哀想だから、そこでなにがしかの金を渡す。
結局は、私が自爆しているようなものだ。

11月22日
U子さんが、ワインを運んで来た。
自転車の籠に、何本か積んでいるところを見ると、友人知人に、配っているようだ。
「少し遅くなったけど……」
やはりヌーボーだ。
彼女のところでは、旦那が酒好きで、ヌーボーは毎年、ケースで買うのだそうだ。

「いえね、おだてられて、買わされちゃってるのよ」
「ケースってえのは、いったい、何本入ってるんですか?」
「六本入りが、八箱かな」
「……じゃあ、何万にも……」
「万じゃすまないわよ」
「……」

彼女は、かつての、金物店の顧客である。
彼女も、その旦那も、出版社に勤めていたくらいで、書物には詳しい。
揃って、読書家でもある。
私が雑文を書いていることもあり、妙に話が合う。
その縁で、時たま、珍しいものを、分けて下さる。
私は、良き友人に恵まれている。

10分ほどして、また彼女がやって来た。
「もう一本上げる。これは去年のだけど」
それは、白い瓶であり、即ちロゼであった。
何でも構わない。
私は、下さると言う酒を、お断りすることはない。

というわけで、11月後半、私は、にわかにワインに、裕福になった。
長者とは言うまい。
たったの四本なのだから。
しかし、私にしては、珍しいことだ。

ものをもらう。
嬉しいことだ。
それが酒であるなら、なおのことだ。
お年玉をもらった、幼児の如くに、私の顔は、締りがなくなっている。

 * * * 

そんないきさつから、私はこのところ、晩酌に、ワインばかり飲んでいた。
そこから、見えて来たものがある。
貰った酒は、確かに美味い。

その上で、感じたこと。
新酒だから美味い……ということには、どうしてもならない。
実は、四本の中で、旧酒である、ロゼが一番美味かった。

私は、ヌーボーに向いていない。
その良さがわからない。
いや、決して、不味いわけではない。
ただ、旧酒、古酒のワインに比べ、格別に美味いとは思えない。

世の中の人が、何故、ヌーボーヌーボーと騒ぐのか。
そこがわからない。
私はそもそも、ワインに向いていないのかもしれない。

しかし、それを、声を大にして言うのは、止めておこう。
新酒だろうが、古酒だろうが、赤だろうが白だろうが、私は頂けるものなら、
酒は何でも、頂こうと思っている。
そう言えば、ワインもウイスキーも、私はもう数十年、買ったことがない。



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あーよかったー

パトラッシュさん

彩々さん、
その後、お顔が見えないので、心配しておりました。
彩々さんに限って、倒れるわけは、ないと思いつつも……
安心しました。
当日、盛り上がり過ぎましたね。
(少し反省)(でもまたやるでしょうね、きっと)(笑)

ワインにうるさい、彩々さんでも、ヌーボーは買いませんか。
それが賢明なのでしょうね。
新酒だってこと、言われなければ、わかりませんもの。

今度は、どれか一つに決めましょう。
ちゃんぽんにやるのが、良くないようです。

2016/12/05 20:46:56

お酒のお風呂から

彩々さん

先ほど上がって来たところです(大笑い)

いえいえ、そんなことはありません!

先週はちょっと飲みすぎただけです。
でも、ご心配をおかけしましたね。
久々にナビ仲間さんたちとの忘年会、
時は「花金」でもあり、楽しくて
つい呑みすぎてしまいました。
(二日酔いはありませんでした)

>そう言えば、ワインもウイスキーも、私はもう数十年、買ったことがない。

まぁ、何と羨ましいこと!

そう言えば、私はボジョレーヌーボー、
ここ数年買わなくなりました。

「50年に一度の味」だとか「今年は、〇〇…」
とか、口車に乗せられて買っていましたが、
期待以上の味は楽しめませんでした。

新しいものに迷っては、いけませんね。

先日は、日本酒に酔わされてしまいましたが、
ワインは生産国名で決めています。

やっぱりお酒も、呑む相手も「相性」が
よろしければ、気持ちよく酔えるものですね!?

2016/12/05 14:27:51

隣が酒屋で幸いです

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
昨日も、その「獺祭」の話題で、ひとしきり盛り上がりました。
飲食店ですから、持ち込みは出来ませんが、これがホームパーティーだったら、私は必ず、獺祭を持参したことでしょう。
常に、ストックは、欠かさないようにしておりますので。
この人気、何時まで続くことでしょう。

2016/12/03 13:44:11

古酒もまたよし

パトラッシュさん

澪つくしさん、
「パト亭酒楽」……頂きます。
この名に恥じぬよう、稽古に努めなければ……

澪さんは、日本酒党でしたね。
私は、日本酒の新酒も、よくわかりません。
(その美味さが)

ただ一つ、私の感じることがあります。
日本酒は、封を切った、その直後に飲むのが、一番美味いと。
どんな銘酒も、日が経つにつれ、当初の美味さが減じます。
空気に当たり、劣化するのでは……と思っております。

2016/12/03 13:36:08

踊らされまいと

パトラッシュさん

吾喰楽さん、
人はどうして、こうも易々と、陰謀に引っかかるのでしょう。
まあ、振り込め詐欺よりは、被害がないだけ良いのですが。
きっとヒマなのでしょうね。
ハローウィンもそうですが、きっかけは何でも良い、つまり騒ぎたいのでしょうね。

私は、一人醒めて、騒ぎの埒外に、居たいと思います。

2016/12/03 13:26:28

獺祭の思い出

シシーマニアさん

お酒の話題は、自分が参加していなくても、何となく楽しいものですね。

ご本人の、嬉しそうに見せびらかしている様子が、伝わってくるのでしょうか。

お酒の見せびらかしは、聞いている方にも、どこかゆとりがありますね。

「今度ご一緒に」という言葉を期待している場合もあるし、いずれにしろ参考意見として、今後に役立つからでしょうか。

師匠にご馳走になった、「獺祭」があれほどまでに希少価値のあるお酒だったとは。

時折日本酒売り場で探したりしながら、あれは東京の隠れた銘酒なのか、と勝手に決めつけていましたが・・。
隠れたどころか、余りの銘酒なるが故に、手に入らないほどのお酒なのですね。

素晴らしい経験をさせて戴きました。

2016/12/03 11:57:38

お酒は楽し♪

澪つくしさん

新酒というので、てっきり日本酒のお話かと早合点した、
そんな日本酒党の私メです。


さすが”お酒Love”のパトさんです!

楽しく一気に読ませて貰っちゃいました(*^-^)ニコ


>裏の家作の慶介が・・・

このくだりから後が・・・
落語の語り口の如くに、トント〜ンと・・・

楽しくて、とっても面白かったです♪


>お年玉をもらった、幼児の如くに、私の顔は、
 締りがなくなっている。

ここで、「お後がよろしいようで・・・」と

楽しく一席聞かせて頂いた思いでした(⌒▽⌒)アハハ!


昨日の痛飲の余韻でしょうか??? ∬´ー`∬ウフ♪


これからは”師匠(落語の)”と呼ばせて頂きます!

高座名は「ぱと亭酒楽」なんていかがでしょう(^^♪

2016/12/03 11:40:02

ボジョレー・ヌーボー

吾喰楽さん

隼町からです。

元々は、ブドウの収穫を祝う祭りだったようですね。
地域のワインの品質を維持するために、出荷開始日を規定した。
それが、いつの間にか、新酒を味わう祭りに変わった。

業界の陰謀に、皆さん、はまったようです。

2016/12/03 10:58:14

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