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北軽井沢 虹の街 爽やかな風

92歳老人北軽井沢移住生活奮闘記(43) 

2016年12月15日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


野菜直売店での75日休みなしの仕事を終えた翌日、爽太は昼頃まで死んだように眠っていた。この75日は爽太にとってあまりにも強烈な経験だった。そして、ここでもまた爽太は千恵子に支えられてこの仕事を成し遂げたのだった。最後は緑豊かな自然の中で暮らしたい、と言ってやってきたこの地は、千恵子が自ら望んだ場所。リタイヤするまでは勝手気ままに生きてきた爽太を、何も言わずに支えてきた千恵子。爽太はその望みをかなえるために同行してきたはずだった。もうどこへ行かなくてもいい、ここにいるだけで幸せという千恵子だったが、爽太はじっとしていることができなかった。夫婦というのは奇妙なもので、長年連れ添って生活していると、何も言わなくても気持ちが通じ合う。しかし、男と女は、絶えず気持ちがすれ違っているという一面があるものだ。
 
爽太は、仕事のため途絶えがちだったブログを再開した。いろいろな人々とコメントを交わしながら、毎日ブログネタを探しては書き続けていた。
10月になったある日、ある人物から「オフ会」をやろうという提案があった。オフ会とは、オンライン(ネット)上で知り合った人などがオフライン(リアル)で集まって、雑談したり遊んだりするイベントのことで、爽太は初めて聞く言葉だった。その話はあっという間に具体的になり、10月18日「オフ会」は近くの喫茶店で開催された。
集まったのは子供一人を含めて11人。この近くに住んでいるか、山荘を保有して時折この地を訪れている人たちだ。野菜直売店を訪ねてくれた二人を除いて初対面の人たちだったが、ブログでのコメントのやり取りで、誰も皆ずいぶん前からの知り合いのような気持ちが湧いていた。小さな男の子を連れてきた若い夫婦もいたが、どうやら爽太が最年長だということはすぐに分かった。食事をしながら様々な会話が飛び交う中で、定住している人も山荘に通っている人も、ここの自然が大好きだという共通した気持ちがあるためか、心がつながる何かがあった。ブログというものについても、世間では批判的な見方もあり、妻の千恵子ももろ手を挙げて賛成しているわけではなかった。自分の日常を他人に告白するという行為が不思議だという人もいる。しかし、ブログで知り合った人たちが集まっているのだから、ブログに対する批判はあるはずもない。いろいろと話が弾み数時間はあっという間だった。再会を誓って別れたが、爽太はこれを機会に交流が広がることになる。
 
交流が広がり、少しずつ友人知人が増えていくことをそんなに喜ぶ千恵子ではなかったが、まんざら楽しくないということもないようだった。人間は生活していく上で誰とも交際しないということはできない。知らない土地で生活していく上では、友人知人がいるということは何よりも心強いものに違いなかった。
 
 

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