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昨日号に続き、オバマ米国大統領の真珠湾での演説です。
2016年12月29日
テーマ:テーマ無し
昨日号に続き、
オバマ米国大統領の真珠湾での演説です。
安倍総理大臣、本日の総理のご出席と心のこもったステートメントは和解の力を証明する歴史的な行為であり、米国民を代表して感謝申し上げます。
また、米国と日本の人々の同盟関係は、戦争による最も深い傷でさえも友情と恒久平和に取って代わられることを私たちに想起させるものであり、謝意を表します。ご列席の皆様、米軍関係者、そしてそのなによりも真珠湾攻撃の生存者の方々及びその大切な人へ。アロハ!
米国人、特にハワイを郷里とする者にとって、この真珠湾は神聖な場所です。未だ嘆き悲しむこの湾に献花し、また花びらを投げ入れるとき、私たちは2400名を超える米国の愛国者たち、天の帆桁で永遠の敬礼をする父や夫、妻や娘を思います。
毎年12月7日になるといつもより少し背筋を正すオアフの守護者に敬礼し、そしてここで75年前に示された勇姿に思いを馳せるのです。
12月のその日、夜が明けると、楽園はこれまでにないほど魅力的でした。水は温かく。そして現実と思えないほどに青く。水兵たちは食堂で食事をしたり、教会に行く準備をしたり、自由を胸にこぎれいな白い半ズボンとTシャツを身につけたりしていました。
湾では、船舶がきちんと列をなして停泊していました。カリフォルニア号、メリーランド号、オクラホマ号、テネシー号、ウエストバージニア号、ネバダ号、そしてアリゾナ号のデッキでは海軍の音楽隊がチューニングをしていました。
その朝、兵士の肩に記された階級は、彼らの胸に宿る勇気ほどに意味をなしませんでした。彼らはこの海において、あらゆる手を尽くして自己を防衛しました。
あるアフリカ系アメリカ人の食堂の給仕係は、普段であれば清掃の役割しか与えられていなかったが、この日、司令官を安全な場所に運び、そして弾薬がなくなるまで地対空砲を打ち続けました。
私たちは、ウエストバージニア号の1級砲撃手であったジム・ダウニングのようなアフリカ人を誇りに思います。真珠湾に急行する前、彼の新妻は彼の手に聖書の言葉の一節を握らせました。「永遠なる神は女の拠り所、その永遠なる胸に抱かれて」というものです。
ジムが戦艦を守ろうと戦っている最中、彼は同時に倒れた者たちの名前を記録しました。家族にその事実を伝えることができるようにするためです。彼は言いました「人がする当然のことです」と。
私たちはハリー・バンのようなアメリカ人を記憶しています。彼はホノルル出身の消防士で、荒れ狂う火を前にし、最後の命を取り綴り、燃える戦闘機の鎮火に取り組みました。彼はパーブル・ハート勲章(名誉負傷)を民間人の消防士として唯一受賞した人です。
私たちは、2時間以上もの間、50口径のマシンガンを撃ち続け、20回以上も負傷し、最も高位の軍人の勲章である名誉勲章を受章したジョン・フリン上等兵層のようなアメリカ人に敬意を表します。
私たちは、戦争のもっとも永続的な価値に対し如何に挑戦するかについて思いを馳せます。日系アメリカ人が如何にして戦争期間中、自由を奪われたのでしょうか。米国史上最も勲章を受章した部隊は、日系アメリカ人2世の舞台である第100歩兵大隊と442連隊でした。私の友達でハワイ出身の上院議員、ダニエル・イノウエさんも所属していました。彼はずっとここに住んでいます。そして私は上院議員になったとき、彼の友人であることを誇りに思いました。彼は名誉勲章、そして自由勲章を授与されました。そして彼の世代で最も偉大な政治家の一人です。
第二次世界大戦における米国の最初の戦場である、ここ真珠湾で、私たちの国は奮起しました。多くの点で、この場所でアメリカ人は成熟したのです。私の祖父母を含め、多くの世代のアメリカ人は戦争を求めたりしませんでした。しかしながら、彼らは戦争から身を背けることを拒否し、経営の場や工場においてその役割を果たしました。そして75年後、誇り高い真珠湾攻撃の生存者の層は、時間の経過とともに薄くなってきています。この場で私たちが思い出す勇者は、私たちの国の心に永遠に生き続けます。真珠湾、そして第二次大戦の退役軍人の皆さん、立ち上がるか手を挙げていただけますでしょうか。感謝の心に富むこの国は、皆さんに御礼申し上げます。
国の本質は、戦時において試されますが、平時において定義されます。人類史上最も恐ろしい期間の一つ、太平洋を渡り悲惨な戦闘により、何百万もの命が奪われた時期の後、米国と日本は何十年もの間、友好と平和を示しています。私たちの同盟は、両国をより繁栄させています。同盟は、新たな世界大戦を予防し、何十億もの人々とを貧困から救った国際秩序の強化に貢献しています。そして本日、米国と日本の同盟は、共通の利益によって結ばれ、共通の価値に基づき、アジア太平洋の平和と安定の礎となっており、世界の進歩を推進する力となっています、実際、私たちの同盟はこれまでにないほど強固なものとなっています。
よい時も悪い時も、私たちはお互いを助けるためにいます。5年前、津波が日本と原子炉を襲い掛かり、福島の原子炉が融解したとき、米軍人は私たちの日本の友人を助けました。世界の中で米日はアジア太平洋地域と世界における安全を強化するために協力しています。たとえば、海賊を後退させ、疾病と戦い、核兵器の拡散を遅らせ、戦時の領土において平和を維持しています。
そして本年前半には、真珠湾の近郊で日米両国の人々は、24か国とともに世界で最大の海上軍事訓練を実施しました。この訓練にはハリー・ハリス司令官が率いる米太平洋軍も参加しました。
ハリス司令官は、米国人の海軍兵を父に、日本人を母に持っています。ハリーは横須賀で生まれましたが、それは彼のテネシーなまりからわからないでしょう。ハリー、あなたの誇りあるリーダーシップに感謝します。
このような観点から、本日私たちがここにいること、安倍総理がここにいることは、国と国、そして人と人との間に何が可能であるかということを気づかせてくれます。戦争は終わります。もっとも厳しい敵対関係にあったものが、最も強い同盟関係を結ぶことができます。平和という果実は、戦争による略奪をはるかに上回るものです。これが真珠湾のゆるぎない事実です。
この場所で、憎しみの炎が最も強く燃え盛る時も、部族間の争いがあるときも、私たちは内向きになったり、私たちとは異なる者とを悪のように扱うといった欲求に抗わなければならないということを想起します。ここで払われた犠牲や戦争による怒りは、私たちの皆の中にある共通項を探すことで思い出させてくれます。これは、日本の友人の言葉を借りれば「オタガイノタメニ」、つまり「相手とともにあって、相手のために尽くす」よう努力することを求めています。これがミズーリ号に乗船していたウィリアム・キラハン船長による教訓です。彼は、彼の船が日本人のパイロットによって攻撃を受けた後も、同パイロットの遺体を米国兵が縫製した日本の国旗で包み、軍葬儀の礼を行うよう指示しました。そしてこれは何年もあとになって真珠湾を再訪し、米国海軍のラッパ手と友人となり、同ラッパ手に軍葬の際に流される曲を演奏してもらうように依頼し、毎月2本のバラの花(1本は米国の犠牲者に、もう一本は日本の犠牲者に)をこの記念館に飾ることとなった。日本人パイロットによる教訓でもあります。
これは、2人の人がいかにもっとも平凡な方法で学ぶことができるかという点についての教訓です。多くの米国人が東京で勉強し、日本の若者も全米で勉強しています。日米の科学者はともに、がんに取り組み、気候変動と闘い、星を探査しています。またこれはマイアミのスタジアムを明るくし、米国人と日本人が共有する誇りによってともに元気づけられている。野球のイチロー選手についてもいえることです。米国人と日本人は平和と友情で結ばれています。
それぞれ国として、そして人として、私たちは私たちが引き継ぐ歴史を選ぶことはできません。しかし、そこからどのような教訓を学び、そして歴史を使ってどのように私たちの未来の計画を立てるかということは選ぶことができます。
安倍総理、私は友情の精神に基づき、あなたをここに歓迎します。それは日本人の人々が常に私を歓迎してくれたことと同様です。私たちが協働することによって、世界に対して、前に進むにあたっては戦争よりも平和によって多くのことを勝ち得ることができる。そして報復よりも若いがより多くの報償をもたらすというメッセージを送ることができることを期待します。
この静かな港で、私たちは亡くなられた方々に対して敬意を表し、我々両国が友人として勝ち得たすべてに対して感謝を表明します。神が戦没者をとこしえの胸に抱え、海が退役軍人を見守り、皆が私たちのために番をしてくださいますように私たちに神の御恵みを。
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