メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

ちょっとシニアチック

学芸会 

2017年12月23日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

「学芸会」

 私が小学生の頃である。
何年生だったかまでは記憶に無い。
1950年半ばのお話し。
その頃の小学校の学芸会は文化の日に行われた。
11月3日である。
その1ヶ月程前に先生がクラスの出し物を決める。
劇、ダンス、そしてクラス全員参加の合唱である。
私の出番は合唱であった。

 学芸会が近付いたある日のこと。
合唱の練習が終わりクラスメイトのYと一緒に
陽が傾いた田舎道を歩いた。
「みんなの前で合唱を唄うの嫌だな」とYが言う。
私は学芸会に出るチャンスがそれしか無いので
楽しみにしている。
しかし私は彼に調子を合わせ
「そうだよな恥ずかしいもん嫌だよな」
と心にも無い事を言った。
2人のお喋りはYの家に通じる分かれ道まで続いた。
「それじや明日ね」と私は手を振る。
「バ〜イ」Yはそう叫びながら走り去った。

 次の日の事だった。
授業が終わり掃除当番の生徒だけが残った教室。
先生が私を呼んだ。
「ちょっと話があるので職員室まで来てくれないか」
私達の担任は背の高い男の先生だった。
何時もニコニコ優しい先生である。
緊張しながら先生の机の前に立つ。
「合唱に出るのが嫌なんだって。
それなら出なくても良いんだよ」
怒っているようではなかったが私はドキッとした。
話はそれだけだった。

 学芸会は前日に総練習があり生徒の前で全体を演じる。
そして次の日、文化の日は家族などを招待した本番だ。
本番の日、私は学校へ行く必要がなくなった。
合唱に出ることがなくなったからだ。

 その頃の私はどうしようもない程無口な子供だった。
先生の前でただ頷くばかりで否定する事はなかった。
その結果、その年の私の学芸会は消えた。

↓アイコンをクリック、人気投票にご協力ください。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR





上部へ