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言の葉庵

「迷言」が「名言」になる。河合隼雄 VS.武田鉄矢 

2019年07月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し


「のぞみはもうありません」
と面と向かって言われ、私は絶句した。
ところがその人が言った。
「のぞみはありませんが、ひかりはあります」
なんとすばらしい言葉だと私は感激した。
このように言ってくださったのは、
もちろん、新幹線の切符売場の駅員さんである。

(河合隼雄)

広告文案家だったぼくが、これは!と膝を打った「迷言」の作者が
心理学の泰斗である河合隼雄氏です。
言葉を駆使する臨床心理のプロだから、もちろん名言が多く、
世の中に広く「河合隼雄・名言集」があります。

そして、もうひとり。物語の名人である俳優武田鉄矢氏が登場。
この言葉の背景を伝えることにより、「迷言」が「名言」へと劇的に変化するのです。

そもそもこの言葉は、河合氏が自殺をほのめかす
患者さんの電話に、当日の学会の予定もすべてほっぽり出して、
夜更の新幹線で東京から関西へと急遽かけつけようとした。
その場面でJR窓口駅員が発したものである、と武田氏がラジオで語っています。

この言葉をコピペする多くのブログは、背景と物語を一切説明しません。
「迷言」、「駄洒落」で笑って終わり。
しかし患者にかけるべき言葉をまるで思いつかなかった河合氏は、
ここでまさに神の光、天啓を得た。
なにげない日常会話がひとりでに名言へと生まれ変わったのです。


オリジナルの武田鉄矢氏ラジオ番組、書き起こしページのリンクをご紹介します。
●武田鉄矢・今朝の三枚おろしの残り
http://urx.blue/Srja



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