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葵から菊へ
これこそ不要不急では スターリンを思わせる「政治検察」生む検察庁法改正案(毎日新聞 2020年5月11日)
2020年05月12日
テーマ:テーマ無し
友人の川口重雄さんからのメールを転載します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
各位 5月12日〔BCC、本日第6信〕
友人からの情報です。
「#検察庁法改正案に抗議します」に500万件近いツイートが5月9日〜10日に集まりました。
「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないでください」(俳優・井浦新)。
2期6年の自民党総裁の任期を自民党則を変えて3期9年居座り、内閣人事局で官僚の首根っこを抑えた安倍政権。
あと一つ残った官僚機構―検察官人事に手を出そうという訳です。
昨夜のBSTBS「報道1930」には、自民党石破茂・立憲民主党枝野幸男両氏が出演して、検察庁法改正案について発言しましたが、内容には一致するところが多々ありました。
重武装改憲・小さな政府か、軽武装護憲・大きな政府か。
それでは。川口重雄拝
Sent: Tuesday, May 12, 2020 9:53 AMSubject: これこそ不要不急では スターリンを思わせる「政治検察」生む検察庁法改正案(毎日新聞 2020年5月11日)
毎日新聞からです。
https://mainichi.jp/articles/20200511/k00/00m/010/145000c
これこそ不要不急では スターリンを思わせる「政治検察」生む検察庁法改正案
毎日新聞 2020年5月11日 18時00分(最終更新 5月11日 23時00分)
? 吉井理記
検察官の定年を段階的に65歳へ引き上げる検察庁法改正案の実質審議に入った衆院内閣委員会。立憲民主党などの主要野党の議員たちは森雅子法相の委員会出席が認められなかったことなどに反発して欠席した=国会内で2020年5月8日午前9時47分、竹内幹撮影
不要不急のあれこれが何かとはばかられる5月である。ところが、永田町はと見てみれば、この国のかたちを大きく変えるような法律が成立しそうなのだ。検察庁法改正案である。全国民に知ってほしい「不要不急」の改正案を改めて点検する。【吉井理記/統合デジタル取材センター】
◆なぜヒトラーでなくスターリンなのか
ソ連の独裁者スターリンの肖像画=モスクワの勝利公園の博物館で2014年7月、真野森作撮影
「よく安倍政権をヒトラー政権になぞらえる論者がいますが、そうじゃない。私はむしろ旧ソ連のスターリンを想起する。もちろん政治体制は違うが、陰湿な手法がよく似ている。すごい法改正が今、なされようとしているのです」とのっけから辛辣(しんらつ)なのは、憲法学者で早大教授の水島朝穂さん。
時はまさにコロナ禍である。対面取材も気がひける。ならばと電話で聞いてみると、普段はまことに温厚な水島さん、電話の向こうで激しくお怒りであった。
確かに、2014年に長年の憲法解釈をがらりと変え、集団的自衛権の行使を可能とした安倍政権である。「全権委任法」という1本の法律で「世界で最も先進的」と評されたドイツ・ワイマール憲法をがらりと変質させ、独裁に道を開いたヒトラー政権になぞらえる声はよく聞く。でも、なぜスターリンなのか?
「今回の検察庁法改正案は、国家公務員法などの改正案とまとめて提案されています。一見すると、単なる定年の問題に見えますが、大変な誤りです。ことの本質は、検察の巧妙な『政治検察』化なのです」
◆「定年を一般公務員に合わせるだけ。何が問題か」という意見もあるが……
参院予算委員会で黒川弘務・東京高検検事長の定年延長問題について追及した社民党の福島瑞穂党首の質問時間が終わり時計を指さす安倍晋三首相(左)。中央は麻生太郎副総理兼財務相、右は森雅子法相=国会内で2020年3月23日、川田雅浩撮影
おさらいしておくと、安倍政権はコロナ禍まっただ中の3月13日、検察官の定年などを定めた検察庁法の改正案を、国家公務員の定年を引き上げる国家公務員法改正案などとまとめて国会に提出している。
ざっくり言えば、@現在「検事総長は65歳、その他の検察官は63歳」となっている定年を、すべて「65歳」に一本化する(検察庁法改正案22条1項)Aでも、管理職である最高検次長、高検検事長、地検検事正には、63歳で役職を退く「役職定年制」を設ける(同9条2項、22条4項など)Bただし、内閣や法相が認めれば、特例として役職定年後もその役職にとどまれる(22条5、6項など)Cのみならず、内閣や法相などが認めれば、やはり特例として検事総長を含む全ての検察官について、65歳になっても、その役職のまま定年退職を先送りできる「定年延長制度」を新たに導入する(同22条2項など)――というものだ。
なるほど、安倍政権は「人生100年時代」を盛んに宣伝している。一般の国家公務員も定年を60歳から65歳に引き上げられる。ならば検察官も当然だろう。今回の改正案を支持する人には「検察官の定年を一般の公務員と同じく65歳にするだけ。何が問題なのか」との声もある。
◆検察官は一般公務員とは違う
だが、水島さんは言う。
「とんでもない。検察官は唯一、人を裁判にかける公訴権を持つ強大な存在です。だからこそ、検察庁法4条では『公益の代表者』とされているんです。ところが役職定年や勤務延長の『特例』を見てください。検察官、特に事件捜査を指揮する検察首脳部が定年を先送りして、職にとどまり続けられるかどうかは内閣が判断することになる。どういうことが起きるでしょうか」
検察は、東京地検特捜部が典型だが、国政がらみの事件や国会議員の違法行為を捜査することが多い。現に今、広島地検が公職選挙法違反容疑で自民党の河井克行前法相と妻の案里参院議員の選挙違反事件を捜査しているのは読者もご存じだろう。
「こうした捜査について、自分の出世や人事を左右する内閣の顔色を一切気にせず、断行できる検察官はいるでしょうか。むしろ、例えば同期のライバルAに先を越された検察首脳ポストに自分もつきたい。でも間もなく定年退職が近いのでかなわない。でも、内閣に定年や役職定年の延長を認めてもらえれば、そのポストにつけるかもしれない、という事態になれば、どうでしょう」
◆大量粛清の先兵となった検事総長
ここで水島さんが例に挙げたのは旧ソ連のスターリン政権なのであった。
「検察が大量粛清の先兵になったんです。スターリンの意を受けた検事総長のアンドレイ・ビシンスキー(1883〜1954年)は、次々にスターリンのライバルたちを起訴し、銃殺刑に追いやりました」
検察トップがビシンスキーのように権力者の意を受けて動くのではないかという懸念である。粛清ではないが、戦後の日本でも時の政権に検察が動かされた史実がある。1954年の造船疑獄で、与党・自由党(自民党の前身)の幹事長だった安倍晋三首相の大叔父、佐藤栄作元首相の逮捕を免れさせるため、政府・与党が犬養健法相(当時)に検事総長を通じて検察の強制捜査を中止させた。検察庁法に基づく指揮権の発動である。
「今回の法改正案では、『指揮権発動』という露骨な形を取らずとも、定年や役職定年の『特例』を利用し、意中の人物はより長く検察首脳の地位にとどめる、あるいは本来は定年退職で就任ができないポストでも、定年延長でポストへの道を開く、ということが制度として可能になってしまいます」
何せ本来は65歳で定年退職だが、内閣が認めれば、最長で3年後の68歳まで検察首脳で居続けることが可能になる法律なのだ。時の政権にある疑惑が発覚しても、新設される定年延長の規定を使い、疑惑が時効になるまで意中の人物に検事総長を続けさせる、ということも運用上不可能ではなくなるのだ。
検察長官会同で稲田伸夫検事総長の訓示を聞く黒川弘務東京高検検事長(左から2人目)=東京都千代田区の法務省で2020年2月19日、玉城達郎撮影
◆既に行われた黒川氏の定年延長自体が「無理筋」
読者もご存じの通り、安倍政権は今年1月31日、2月に定年退職するはずだった東京高検の黒川弘務検事長について、国家公務員法の定年延長の規定を史上初めて適用し、今年8月まで定年退職を先送りした。政権中枢に近いとされる黒川氏を、今夏に勇退すると見られている稲田伸夫検事総長の後任に据えるため、という見方も報じられてきた。
そういえば、黒川検事長と任官同期で、東京地検特捜部の副部長を務めた弁護士、若狭勝さんは「検察官人事への政治介入としか言えないが、検察庁は一人ですべてを決められる組織ではない。仮に政府が(黒川検事長の定年延長などで)検察をどうにかできる、と考えているのなら、それは違う。黒川さんも、私はそういう人ではないと信じているが……」と話していた。
ある省庁の次官級OBの見方。「高検検事長の定年延長がそもそも無理筋だったんです。そもそも検察庁法に定年延長制度はないのに、黒川さんに、無理やり国家公務員法の定年延長制度を適用する法解釈を打ち出してしまった。これでは法的な根拠が弱過ぎる。だから後付けで検察庁法を改正し、定年延長制度を明文化し、正当化しようとしたのではないか」
実際、昨年10〜11月段階の検察庁法改正案の当初案に、定年延長制度の規定は含まれていなかったことは今年3月9日の参院予算委員会で答弁した内閣法制局第2部長が明らかにしている。
◆安倍政権の人事掌握「最後に残ったのが検察」
水島さんは「もう少し長い『射程』で考える必要がある」と指摘する。「第2次安倍政権以降、主要省庁や組織の人事に何が起きているか、という視点が欠かせません」
安倍首相が再登板して、まず日銀総裁に首相の政策に賛同する黒田東彦氏を据えた。次に、NHK会長には首相と人脈や考え方が重なる籾井勝人氏、NHK執行部を監督する経営委員に「お友達」の作家・百田尚樹氏や哲学者の長谷川三千子氏らを送り込んだ。のみならず、宿願の集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の実現のために、内閣法制局長官には慣例を破り、外務省から行使容認派の小松一郎氏を任命した。一般省庁の首脳はすでに安倍政権が設置した内閣人事局が握っている。
「そして、最後に残ったのが検察庁ということでしょう。今回の法改正は、『公益の代表者』であるはずの検察を、『政権の私兵』『政治検察』にする暴挙です。事実上、恒常的な『指揮権発動』の状態が生まれるのです」
ツイッターなど、国民世論も反対の声が高まっている。与党である自民党や公明党の国会議員、与党の支持者にこそ問いたい。本当にこの法改正が、未来の日本国民のためになるのだろうか。
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靖国神社遊就館内展示室11「大東亜戦争」にあった「ヒトラー」「ルーズベルト」「スターリン」「三国同盟」の展示パネルの内「三国同盟」が全て無くなり、柱にあった「ヒトラー」ルーズベルト」「スターリン」の文字が消えてしまいました。このパネルの国旗を指さしながら「イタリーもドイツも敗戦後は国旗を変えましたが、同じ敗戦国日本はそのままです。」と解説していましたが・・・。
遊就館図録「展示室11大東亜戦争」より
(了)
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