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人生いろは坂

夫婦活弁士海を渡る 

2011年08月11日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 ここのところ二度、立て続けに活弁を行った。一度は岡山のアークホテルでの口演。題して「岡山
幻の日本酒を百年飲む会」如何にも飲んべえ達が集まりそうな会である。

 ホテルの料理長が腕を振るった季節料理と文字通り岡山の銘酒が一同に会する席である。決して
男ばかりの集まりではない。女性の方々も結構参加されている。

 この会に私達が招かれたのは二年ほど前になるだろうか。友人のH氏が招待してくれた事に始まる。
その席で私達は私達と一度だけ面識のあった地元児島の人と出会った。この人は私達夫婦が活弁を
行っていることを知っていて事務局のW氏に私達を紹介してくれた。

 W氏もそれは面白いと賛同してくれ、とんとん拍子に話は進んだ。それでは一年後のこの会でと
言うことになり今回の実現にこぎ着けた。

 久々の大舞台であった。そして各界の著名人も多い会である。いささか奮発して音楽は生演奏でと
言うことになった。むろん演奏は作曲編曲のNさんである。大事な楽器を開場に持ち込んでの生演奏
であった。

 好評の内に口演は終了した。30分ばかりの短編である。酒席にふさわしく明るく楽しい喜劇
「子宝騒動」の活弁を行った。

 この日は車で楽器を運んで来たこともありホテルに一泊、翌朝は遅くまでホテルで過ごし、酒の酔い
を十分さましチェックアウトした。


 そして、中一日おいて瀬戸田へ。福山から高速バスを乗り継いで瀬戸田PAへ。もともと瀬戸田は
尾道沖に連なる島の一つであった。文字通り尾道大橋で海を渡り島に着いた。

 瀬戸田は「しまなみハイウエイ」の中ほどにある島である。今は橋で陸続きになっている。耕三寺、
平山郁夫美術館で有名な観光の島である。島内にはサイクリングロードも整備され若者も多い。そして
島の特産品と言えば各種の柑橘類である。

 この島での活弁はヒョウタンから駒のような思わぬ事から実現した。Kさんという街おこしに尽力
している女性の熱い思いから実現した。大抵の場合は数ヶ月前の予約から始まることが多いのだが、
今回だけは申し入れがあってとんとん拍子に実現にこぎ着けた。

 Kさんと知り合いになったのはインターネットを通じての事であった。たまたま彼女が「安政柑」に
ついて検索したことから事は始まった。私が瀬戸田に行ったとき帰りに買った安政柑の味が忘れられず
果樹畑に苗を植えた。その記事を読んでくれたのがKさんであった。いわば「安政柑」が取り持つ縁で
あった。

 活弁のことをいつごろ書いたか、ブログに書いた記事に興味をもってくれ、活弁とは何ですかという
質問から始まった。実は活弁とは無声映画に台詞と音楽を付けて観て貰うものですよとか何とか答えた
と思う。

 その話に興味を持ち、ぜひ瀬戸田でもと言うことになった。決まれば話は早かった。出来れば8月に
となり、日程的に余裕のあったのが八月はじめの土曜、日曜であった。

 こうして思いがけず夫婦活弁士は海を渡ることになったのである。私の楽しみはもう一つあった。
それは間近に柑橘類の栽培を見ることであった。島は見事なまでに柑橘畑で埋め尽くされていた。
周辺は誠に風光明媚は海と点在する島々の景色であった。柑橘類にこれほどまでの種類があろうとは
思いもしなかった事であった。

 Mさんの実家も柑橘農家である。Mさんはお父上の高齢化に伴い家業を継ぐべく島に先に帰り柑橘
栽培を勉強している。いずれは柑橘を主体とした民宿を経営したいというのがMさんお夢である。
ぜひ夢に向かって邁進して欲しい。ご主人の定年を待って夢は実現へと歩を進めることになるのでは
ないだろうか。Mさんの魅力ある接客力を持ってすれば多くの人が集うこと間違いナシである。


 さて、島から帰り間もない頃、今度は山陰の方からお客が来た。こちら三朝温泉を舞台に撮影した
無声映画を街おこしにや観光に使おうと活弁で活躍している女性であった。

 その名も「梅の丞」。如何にも時代がかった名前だが、ごく普通の主婦であった。自分の活弁に
自信が持てなくてと言うのが訪ねてきた理由であった。

 聞いて下さいと言うことで早速、準備。口演は立って行うとのこと。譜面代に活弁用の脚本を載せ
語るとのこと。映画の内容が平凡すぎるとの事であったが、この時代のフィルムとしては良くできた
作品で決して平凡ではない。

 三朝温泉の名所旧跡を随所に取り入れ「三朝小唄」を宣伝するには絶好の作品。「梅の丞」さん
前口上もよろしく語り始めた。確かに映像の口ぱくに台詞が合わないとか、声にもう少し張りが
あれば良いなど、改善すべき事はあるものの総じて活弁になっていた。正直、我々より活弁になって
いた。

 他の活弁を観たことがなく自信が持てなかっただけとお見受けした。せっかく今も残る名所旧跡、
ここのところはぜひとも映画説明に入れるようにアドバイス。三朝温泉という観光地で三朝温泉の
無声映画を見て貰い、それを活動弁士が語る。これ以上、宣伝効果のあるものはないのではなかろうか。
恵まれていると言って良い。

 梅の丞さんには私達の活弁も聞いて貰い納得して頂いた。これで一段とレベルアップした活弁を
聞くことが出来るに違いない。早速、8月18日には観光客が来られるとのこと、がんばって欲しい。

 いずれにせよ、これも人の縁、活弁を通じて人の縁は果てしなく広がっていくようだ。

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