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迷える羊のメモ帳

メモ帳145ページ目 海に思う        

2011年09月19日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し




最近ギラリーで海の写真の投稿をよく目にする。
あの大海原と果てしなく続く地平線、真っ青な海の色、そして磯の香りまで
魅力がある。唯見ているだけで、心が落ち着いてくる。
私は海とは無縁な土地で生まれ育ったせいか、海に対する憧れが強かった。

大人になったら素敵な彼氏と手をつないで浜辺を散歩したい、オープンカー
で海岸線を何処までもドライブしたい、真夏の海原を泳ぎまわって全身海の
色に染まりたい、なんてロマンチックな事ばかり考えていた頃もあった。

夢去りし今振り返ると情けないというより大笑いしてしまう。
家族を作らなかった私は、手をつなぐ相手はいないし、23歳から車を運転して
いるが隣はいつも空席だった、おまけに45歳になって4泳法を覚えたが海で泳
ぐチャンスはこなかった。人生とはこんなものかと思いつつ、あとは残された
命の永らえ方を学ぶしかないのか・・と羊に問うが迷える羊からの答えは無い。

誰でも広々とした大海原、真っ青な水、打ち寄せる白波、足裏をくすぐる砂の
感触は忘れがたい思い出になっているが、今年の東北の海は思い出すには
辛すぎる。あの日、多くの尊い命を飲み込んでいった海に向かって、何万人の
人達が家族を返して、父を母を、わが子を返してと叫んだ事だろうかと思うと
切なくなる。
穏かな海がもたらす幸福、牙をむいた海の恐怖は背中合わせの関係にある
ようだ。今年の東北の海は涙色であるとしても、少しずつではあるが、復興さ
れつつあり、再び昔の海の色が必ず戻って来ると信じ、希望を持ち続けて欲し
いもです。
CDデッキに「誰もいない海」を挿入した、爽やかな声が流れてきたが、この曲
って、こんなに淋しい歌詞だったのかと改めて聴き入った。

今はもう秋 誰もいない海      
知らん顔して人がゆきすぎても          
わたしは忘れない
海に約束したから          
つらくても つらくても
死にはしないと

今はもう秋 誰もいない海
たったひとつの 夢が破れても
わたしは忘れない
砂に約束したから
淋しくても 淋しくても
死にはしないと

今年は残暑が厳しく、今はもう秋・・なのに今日も暑い予報である。

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