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たかが一人、されど一人

読後感「戦後日本の安全保障」千々和泰明 著 

2022年08月15日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 本の感想を書く前に今日について考えたい。終戦から既に77年、もう先の大戦経験者は殆いなくなったと言えるだろう。一昨日故郷長野の墓参りの際、列車の中で読むつもりで1冊の文庫本を持参した。1995年に出版された「戦士の遺書」半藤一利著である。これについて読後感は書かないつもりでもある。未だ読み終わっていないこともあるが、大宮で娘と合流する前に読み始めて、涙が止まらず、娘と合流した後は取り出せなかった。戦争中に亡くなったり、戦後戦犯として死刑になった人の遺書だから、今の感覚で言えば普通の人ではないが同じ日本人である。全ての遺書に共通することがある。それは強烈な責任感。対象はそれぞれ違う、或いは天皇であったり、部下だったり、家族だったりするが、現代に生きる我々に一番欠けているかも知れぬ。もう半世紀以上前になるだろうが、植木等なる超有名芸能人が歌と映画で大流行させた『ニッポン無責任時代』がいま現実となって目の前に広がっている。本論に入ろう。著者は1978年生まれで日米多くの大学や政府勤務を経て2013年から防衛省防衛研究所の主任研究官を務める博士。この本に買うまで知ることはなかったが、その道では著名な権威者なんだろう。先週も朝日新聞になにか書いていたと記憶する。内容は5章に亘って整然と書かれ、日米安保条約を軸に日米同盟の歴史から始まり、内閣安全保障機構と文民統制の実態が素人にも理解できるように解説されている。冒頭に書いたように今日は終戦の日、安全保障を考える意味は大きいと思う。本書によれば、日米同盟に裏打ちされているとされる日本の安全保障は当初から矛盾の連続で、有事(これが意味するところも曖昧だが)の際、只でアメリカが日本を守る筈が無い事がよく分かる。逆に、今日の報道でも既に現実化しているが自衛隊は既にアメリカの同盟軍の一員に組み入れられているのが実態だろう。そもそもが、日米同盟は米韓同盟と一体での運用となって機能するよう作成されていているのだそうだ。更に最近いろんな「同盟」が気安く報道されるが、そもそも同盟軍となれば指揮権の所在が問題で、日本が指揮権を取れる筈が無い。恐らく日本の市民でそんな矛盾に気づく人は居ないだろうし、著者自身にしてもそこをどうしようと考えてもいない様子。アメリカに準じたNSCなる組織があって、これが戦争に関して意思決定の頂点に立つ仕掛けが作られた。しかしこれに参加する大臣会議がまたややこしい。更に似たようなNSSなる組織もあるがこの機能の重複も理解を超えるものだ。

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