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読書日記
『おカネの教室』 読書日記362
2024年04月23日
テーマ:読書日記
高井浩章『おカネの教室』新潮文庫
書店に言ったら新潮文庫の新刊が2冊並んでいた。その1冊が本書であり、もう1冊とどちらを買うか考えて本書を買った。この時買わなかった本は10冊ぐらいあとの読書日記になる予定である。普通なら悩まずに両方買ってしまうのに1冊にした理由は、手元に読みたい本が複数冊あったからである。
裏表紙の内容案内では
お金の物差しで見極めれば世界の仕組みが見えてくる。「そろばん勘定クラブ」に入った中学生の隼人と乙女に、クセの強い謎の顧問は次々に難問を投げかける。お金を手に入れる6つの方法とは?正しい借金の仕方は?世界を豊かにする働き方とは?闘士は何の役に立つの?低金利の真犯人は?貧富の格差はなぜ広がる?3人の対話を通してお金の生きた知識が身につく、青春経済生活!
となっている。
また、帯に池上彰解説より、とあって以下の文が載っている。
おいおい、中学生相手に楽しい授業をしていると思っていたら、戦争は悪なのか、軍人は必要なのか、などと高度な哲学的な思考まで求められてしまうではないか。この本、高度な内容を、極めてやさしい言葉を使って投げかけてくるぞ。ここまで来ると、本書は子ども向けでもあるけれど、音にも歯応えのあるものになってくるのです。
さらに、あと書きに寄ると、本作はもともと筆者の家族内の回覧読み物だったそうで、経済やお金の仕組みがわかる楽しい読みものをさがしたが、しっくりくる本は見つからず、いっそ自分で書いてしまおうと思ったのが執筆動機だったそうだ。初めは小学生の娘が読者であったために、主人公は小学生であったものを出版にあたり、中学生を主人公に変えたそうだが、高校生が主人公、いや大学初年級でも著者の問いになかなか的確には答えられないだろう。
そういうことで、読んで見れば一部の筆者の考えには全面的に賛同するわけではないけれど、全体を読めばよくできた経済・金融への入門書である。また、読んでいて面白かったのは「われわれは常に遅れてやってくる」という考え方である。「生まれた時には既に出来上がった世界がまわっている。そして、誰もがそこに遅れて参加する」…これは大事な認識であると思う。要するに「こんな世の中に誰がした、と親世代を糾弾してもしようがない、のである。親世代も生まれた時には遅れてきた世代だったのだ」
さて、初めに出てくる問いは「お金を手に入れる6つの方法」であり、まず「かせぐ」「ぬすむ」「もらう」の三つが提示されさらに2つ「かりる」「ふやす」が3人の対話の中からと出てくるけれど最後の6つめは最後になるまで明かされない。私には6つめは明白であったけれど・・
(2024年4月1日読了)
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