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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

アムトラックの旅(2) 

2012年07月10日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 この項は「アムトラックの旅(1)」からの続きです。

 私たちの乗ったアムトラックのアセラはニューヨークからボストンまでの350キロ程を
4時間13分かけて走りますから、高速列車とはいえ遅い方でしょう。
日本の新幹線に比べれば線路などの施設が古く、乗り心地も数段劣ります。
しかし、座席は3人掛けがないので横幅がゆったりとしていてとても快適です。

ボストン、サウス・ステーションのコンコース
 
 列車はニュー・イングランドの海岸近くを走ります。
車窓からの景色は特別驚くほどではありませんが、小さな町の佇まいや工場、
多くのヨットが係留されている入江、湖沼の向こうにポツンと建つ民家、
それにシンプルでもお洒落な家々など
アメリカの社会や暮らしが垣間見えて楽しいものです。

アムトラック車窓からの風景
 
 ほとんどの駅の近くには広大な駐車場があって、車がぎっしりです。
きっと、仕事に出かける人々はパーク・アンド・ライドで出かけるのでしょうね。

 もちろん列車にはカフェがあってコーヒーならお値打ちな2ドル。
日本なら、もう少し量を多くして欲しいと思いますが、たっぷりの量を注いでくれます。
ワイフの分も買って座席に持ち帰ろうとすると、カップを固定できる紙のトレイに
入れてくれました。
両手にカップでは列車が時折激しく揺れるので危ないのです。

 もうひとつ「違い」をご紹介しますと、駅のプラットホームには
停車位置というか列車が止まった時のドアの位置の表示がありません。
考えてみれば、座席指定などなく上記の乗車方法では位置の表示など
不必要ですね。
ニューヨークでもボストンでも地下鉄のホームにドアの位置は表示されていませんが、
乗り込む人々が押し合ったりズルしたりするのを見かけたことはありません。



いずれもボストン市の地下鉄
 
 さて、アムトラックは米国が資本を出して運営する公共交通機関ですが、
もともとアメリカには国有鉄道がありませんでした。
大戦後、自動車や航空機輸送の発達で私鉄が衰退して行く中、
各地の鉄道旅客部門を統合して1971年に設立されたのがアムトラックです。
日本とは逆の推移で興味深いですね。

趣のあるボストンのサウス・ステーション
 
 その後のオイル・ショックや同時多発テロは鉄道事業に追い風となりましたが、
航空産業の規制緩和や列車事故の多発などもあって、
全体的に経営は厳しい環境が続いています。
政府からの財政援助に頼っているのが現状です。

 このようなアムトラックで、航空機に比べれば時間がかかりますが
その旅はどこか自由で、地に足が着き、スピードを体感でき、さらに
旅客鉄道のアナログ的システムそのものが私自身の思考サイクルと同期していて
私は好きです。



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