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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

病む日本、ひきこもり 

2010年07月25日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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 先日、内閣府の調査結果が発表され、半年以上家にとどまっている「ひきこもり」の若者は日本全国でおよそ70万人と推計されることが分かりました。これは15歳以上39歳以下の人を対象にして今年2月に調査したもので、ほとんど家を出ない引きこもりは0.61パーセント、趣味の用事の時だけ外出する人が1.19パーセントで、合わせて1.8パーセントに達しています。この1.8パーセントを同年代の人口にあてはめると約70万人という数字になるのです。<br />
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 この他に、「閉じこもって外に出ない人の気持ちがわかる」とひきこもりに共感して答えた人も155万人に上り、いわば「ひきこもり予備軍」とされます。考えてみれば、これだけの人たちが日本の空の下に居て、自分はもちろん家族も巻き込んで悶々としている構図は、空恐ろしいことです。日本の病理、病巣の一つだと指摘しても的外れではないでしょう。本人たちが社会生活に戻ること、それを支援することが第一義ですが、これだけの人が社会の経済活動、文化活動に参加しない損失は深刻です。<br />
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 このニュースを読んで暗澹とした気分になっていたところ、今日(2010年7月25日)の朝日新聞に「内向きの学生‐世界は君を待っている」と題した社説が掲載されました。それによりますと、アメリカの名門ハーバード大学への海外からの留学生は昨年666人あり、国別の多い順に韓国42人、中国36人、シンガポール22人、インド20人などと続いて、日本からはわずか5人。しかも、韓国も中国も留学者数が増加しているにもかかわらず、日本は減少しているというのです。アメリカ全体でも日本からの留学生減少が目立つといいます。<br />
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 家から出ない人が世界に出るなどということは考えられませんから、ひきこもりが多ければ海外への留学生は少なくなるという当然の結果でしょうが、ショッキングな話しではありませんか。以前、このブログで海外旅行をする若い人の数が激減していることをご紹介しましたが、それも同じ話であろうと思います。<br />
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 世界トップクラスの学問や研究に参画する人材が枯渇し、未知の世界に思いを馳せる好奇心を失った日本人に何が期待できるというのでしょうか。ただでさえ今の日本は世界の潮流から逸脱し、発信力と発言力は弱まり、交渉能力は低下し、ひいては信頼と尊敬を失いかけている……、そのサイクルは等比級数的に拡大しているのであって、行く先は「日本沈没」です。<br />
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 前述の内閣府の調査で、ひきこもりとなった原因を見てみますと「職場になじめなかった」、「就職活動がうまくいかなかった」、それに「病気」などだといいます。しかし、ひきこまざるを得なかった人の思いは私のような第三者には理解できませんが、職場になじめなかったり就職活動に失敗したり病気になる人は他にいくらだっているはずです。ひきこもりは現実から逃避しているだけの「甘ったれ」だと指摘する人も多くいるのです。<br />
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 原因として「職場になじめなかった」などを挙げていますが、それをひきこもりの正当な理由にしてはなりません。本来なら「なぜ職場になじめないことを我慢できず、どうして問題を打開する努力ができないのか」を究明しなければならないはずです。それは当事者にとっては辛い設問でしょうが、そこが核心ではないでしょうか。内閣府の調査はどのような設問だったのか分かりませんが、もっと踏み込んだ調査にするべきだと提言しておきます。そうしなければ、この大きな問題を解決して行く糸口が見つかりません。<br />
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 それとも、原因ははっきりしているのかも知れません。いい尽くされてきたことですが、子供は自分の部屋をあてがわれ、家族の会話はなくなり、欲しいものは我慢しなくても買い与えられ、ゲーム機が一番のお友だちになり、ケータイでしか意志の疎通ができない……。このようにして育った人がべたべたとした濃密な人間関係の中にうまく溶け込み、他人を蹴落としても昇進を図る会社組織の中で仕事も人間関係もそつなくこなして行くことはどだい無理なのです。<br />
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 こうして、ひきこもって、苦しんで、親に相談しても役には立ちません。なぜなら、ひきこもりの原因を作り、それを容認している張本人なのですから。<br />
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 こうはいっても、家庭も学校も職場も自治体も政府も知恵と努力を出し切って問題解決に立ちあがらないと致命傷になります。<br />
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