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パトラッシュが駆ける!

ファンレターは突然に 

2013年02月01日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

「風に吹かれて遍路道」を読ませて頂きました。
庭に積もった雪が、朝日に輝く二階の居間の、日向にて読書、
私も一度は、お遍路に出たいと思いながら、出来ず・・・
御誌を読み、途中のいろいろの出来ごと、人々との触れ合い、
数々の思い出など、貴方様と話し合っているような感じで、読みました。
そして、人生での大切な事も知りました。
有難う御座いました。
御礼まで・・・

 * * *

読者からの葉書である。
差出人の住所氏名がない。
その代わりに「無記名で失礼、お許しの程!」と書いてある。

字がきれいだ。
線が細く、柔らかいから、女性と思われる。
「御」をしっかりと、漢字で書いている。
かなりの年配と推測され、もしかしたら、
私より年長であるかも知れない。

「へえ、ファンレターってわけ?」
妻に見せたら、少し驚いている。
うちの亭主に限り、人から尊敬されることは、ないと思っている。
女にもてることも、ないと思っている。
そう思われても仕方ない。
無精ひげ生やした、ぐうたらおじさんであることは、
間違いないのだから。

「匿名にする必要が、あるのかね・・・」
「後腐れになるのが、いやなんでしょ」
「この私が、付きまとうとでも?」
「最近、よくあるじゃない。ストーカー殺人って」

何を考えておるのか。
私のことだ。
そりゃ、お礼の手紙くらいは、書くであろう。
そこから、付き合いが発展し、デートにでも・・・
なんてことに、なるわけがない。

もしも私が、本の作者に手紙を出すとしたら・・・
匿名なんてことは、考えられない。
言いっ放し、書きっ放しでは、出す意味がないではないか。
ファンレターとは、返事をもらいたいからこそ、
出すものだと思っている。

「消印が、八王子になっている」
「行ったの?八王子図書館」
「うん。置いて来た」
「それを借りたのね、八王子夫人は。読んで、感激したのかもよ・・・」
「・・・・・」
「一声かけずには、居られなかったのかもよ」

その通りかもしれない。
例えば、こう言うことだ。
通りかかった家の庭に、梅が咲いていた。
そこに人が見えたら「きれいですね」くらいは、言うだろう。
その時に、誰が、住所氏名を明らかになんか、するものか。

そんなようなものだ。
相手は、通行人なのである。
それが、通りすがりに、私の梅を、褒めてくれたと、
こう思えばいい。
喜んではいけない。
その程度のことなのである。

 * * *

旧友のYから葉書が届いた。
「先日、印西市立小倉台図書館に、リクエストカード
を提出して来ました。うまく行くといいのですが」
相変わらず、へたくそな字だ。
著名な大学を出て、ある業界団体に、長く勤めていたというのに、
その書くところは、小学生時代と、ちっとも変っていない。

私は昨年末、自分の著書を売り込むために、都内の図書館を回った。
各館に所蔵してもらい、一人でも多くの人に、
読んでもらいたいと思ったからだ。
本を出してから、少し、欲が出ている。
これを「名誉欲」と言わば言え。
私にはもう、このくらいしか、情熱を注ぐことがない。

しかし、他県まではとても無理だ。
そこで、旧い友人達を頼ることにした。
それぞれの地元の図書館に、リクエストを出してもらうのである。

これが不思議なのだが、今時の図書館には、結構予算があると見え、
住民からの要望があると、その図書を、購入してくれる。
だめでした、断られましたと、聞いたことがない。

そうすると、何のことはない。
著者がのこのこ、寄贈に回るより、よほど手っ取り早く、所蔵に至ってしまう。
私は、自分のことだから、自分でやらねばと、思っていた。
気負っていた。
しかし、無駄な努力だったことになる。
他力本願の方が、よほど効率がいい。

旧友の皆さんから、葉書が来る。
メールが届く。
「行って来たよ、図書館」
こうおっしゃって下さる。

ありがたいことだ。
持つべきは、友達だなあと、つくづく思わされている。
多分、遠からず、印西市の図書館にも、
私の本が置かれるであろう。
それを手にした、毒舌家のYが、果たして何と言うかだ。

 * * *

梅の花が、ほころび始めている。
梅一輪、一輪ごとの 暖かさ・・・なんていう句がある。
日差しだけは、春のそれになりつつある。
薄紙を剥ぐように変わる、この、季節の移ろい感が、悪くない。

「葉書一枚、一枚ごとの 暖かさ」
なんていう句はないけれど、ポストを覗くのが、
楽しみになっている。
郵便配達のバイクは、その響きでわかる。
そうすると、私は昼寝をしていても、飛び起きて、
ポストに向かっている。

八王子夫人、いい人だ。
通りすがりでいい。
名乗らずでいい。
梅を褒められ、悪い気のする者が、居るわけはない。



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本を出されたんですね〜〜♪

みのりさん

パトラッシュさん

巡礼の旅の本を出版されたんですね〜〜♪
おめでとうごいざいます。

たくさんの方に読んでもらえると
いいですね〜〜♪

2013/02/08 09:42:37

感謝感激雨霰!

パトラッシュさん

印税がしこたま入ったら、帝国ホテルのディナーショーに、お世話になった皆さんを、
ご招待申し上げるつもりです。
なんてことを、5年前にも、言いましたっけ・・・

実現出来なくて、すみません。
「今度こそ」と思っております。

ご購入頂けるんですかぁ・・・
なんだか、申し訳ないですね。
それだけでもう、私は、十分に喜んでおります。
当分、美濃の方には、足を向けて寝られません。

2013/02/01 20:26:16

美濃の山奥から・・・

ひばりさん

リクエストカードで図書館にお願いしようかとも思いましたが無精者ひばりはAmazonで購入することにしました。八王子婦人のように私も達筆だったら粋なファンレターを送りたいところですが・・・何しろ筆不精なものでしてパトラッシュさんを喜ばせる為す術が分かりません、(;´д`)=3トホホ・・

印税を期待しております(笑)、「東京巡り」の招待を宜しくお願い致しま〜す。

2013/02/01 16:56:51

よろしく

パトラッシュさん

そうですね。そのくらいの洒落があっても、よかったのにね・・・

図書館の件、お暇がありましたら、お願いします。

今どきの図書館は、何処も、予算には窮していないと見え、
リクエストがあると、購入してくれるようです。
今まで、断られたという話を聞きません。
そこで、手っ取り早い拡販方法として、厚かましくも、
皆さんにお願いしております。

2013/02/01 16:02:29

梅の花

吾喰楽さん

ファンレターを、梅の花に例えたのは、さすがですね。
それなら、匿名でも変ではありません。
でも、住所はともかく、「八王子・梅子」くらいは書いてもいいですよね。

吾喰楽も、町の図書館へリクエストしてみようかな。

2013/02/01 11:57:04

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