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路上の猜疑 

2013年09月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

千駄ヶ谷の駅から、もう、人の波だ。
今日は、国立競技場で、Jリーグの試合がある。
その、キックオフが迫っている。

人の集まるところに、商機あり。
若者が、歩道にテントを立て、焼きそばを売っている。
ソースの焦げる匂いが、漂っている。
たこ焼きもある。

時により、Jリーグ各チームのユニフォームを売っていたりする。
「場内より安いよー」
これが謳い文句だ。
そりゃ、そうだろう。
路上の商売は、本来かけるべき、設備投資を、省いているのだから。

それに彼らは、もっと、ちゃっかりしている。
歩道が広いからとて、そこにテントなど立て、営業しては、
いけないのである。
道路交通法違反だ。
警察が来たら、どうやって言い訳をするのだろう。
その現場を見てみたいのだが、未だかつて、目にしたことがない。
警察もさぞ、忙しいのであろう。

うまそうな匂いだが、私は、屋台の食べ物を買わない。
たまたま、見てしまった光景が、今に尾を引いている。

一度は、調理具であった。
焼きそばを混ぜる、ヘラである。
何かの必要があって、それをおじさんが、布で拭いていた。
布巾ではない。
さながら、古雑巾だ。
その汚れを見て、私は、げんなりしてしまった。

もう一度は、タバコである。
調理の合間に、寸暇を惜しみ、喫煙をするとは思わなかった。
おじさん、よほど我慢が出来ないのであろう。
調理台に背を向け、大きく煙を吸い込むや、また向き直るのである。
あーあ・・・と思った。
くわえタバコよりは、まだ、ましだろうが・・・

「見ぬもの清し」という言葉がある。
見えないところで、何かあっても、それは仕方ない。
疑ったら、それこそ、何も食べられなくなってしまう。
しかし、目の前でやられるのは、嫌だ。
だから屋台では、食べ物を、買わない。
そう言うクセが、付いてしまった。

但し、私のような者は、少数派であるのだろう。
屋台は、何処も、おおむねにぎわっている。
買って、その場で食べられる。
この手軽さが、良いのであろう。
祭りなどの、昂揚感もあろう。
何と言っても、そこは、非日常の世界だ。
非日常的食べ物に、つい、手が伸びるに違いない。

 * * *

福知山の花火大会で、酷いことが起きた。
原因は、屋台の主の、給油の際の不手際だとか。
幼い子供を含む、尊い命が失われてしまった。

発電機を使っていたとは、意外だった。
河川敷だからであろうか。
近くの電柱から、電気を引き込んで、それを各屋台に分配する。
そんな簡単なことが、出来なかったのであろうか。

主催した、市の商工会議所も、いい面の皮だ。
本来、責められるべきは、屋台の主なのである。
それが入院してしまったので、矢面に立たされている。
「指導をしなかった、主催者が悪い」と。

マスコミもおかしい。
入院中とはいえ、加害者に甘い。
彼の所属する、露天商の団体があるはずだ。
どうしてそこの、責任追及をやらないのだろう。

マスコミは、他の食品不祥事では、とことん突っ込んでいる。
あの雪印を見るがいい。
倒産にまで、追い込まれている。

火元となった、屋台で売られていたのが、ベビーカステラだとか。
私は、当然に、食べたことがない。
12個入りで、300円。
話に聞くと、あれの原価は、安いそうだ。
卵、砂糖、牛乳、小麦粉、ベーキングパウダーなど、合わせて、
たったの15円だとか。
薬九層倍どころではない。
やりたがるわけだ。

 * * *

事件があってから、私は、一層厳しい目で、屋台を見るようになった。

ほれみろ、国立競技場近くの屋台も、発電機を使っている。
その照明が、辺りを明るく照らしている。
但し、予備のガソリンタンクは見えない。
タバコは・・・
吸っていない。
これだけ確かめれば、安心して、その前を、通り抜けられる。

試合が終わっての、帰り道。
もう屋台はなかった。
当然であろう。
試合が始まった後は、通行人も疎らなのだから。

その商機は、精々一時間。
予備のガソリンも、要らないわけだ。
そして警察も、間に合うまい。
通報を受け、やって来たころには、もう、姿をくらまして、しまっている。



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