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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

ひきこもる日本(2) 

2010年10月23日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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 これは前回の「ひきこもる日本(1)」からの続きです。<br />
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 前回では最後に「人のひきこもり」が「国家のひきこもり」につながる危惧を指摘しましたが、ここでもう一度人のひきこもりの病理・原因の一つを国家のひきこもりを意識しながら考えてみたいと思います。門外漢の私のことですから的外れの指摘になるかも知れませんが、当たらずとも遠からずだと思って下さい。<br />
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 その一つにコミュニケーション能力の低下・欠如が挙げられると思います。基本的な言語運用能力はもちろん知性、論理、修辞、ディベートのテクニック、それに話し方や態度まで他人とのコミュニケーションにはとても大きな困難を伴い経験を必要とします。これは日本の学校では教えてくれません。学生の頃や社会人になってそれに自信をなくせば、他人との接触を疎ましく感ずるのは当然でしょう。対人恐怖さえ覚えて自分だけの殻に閉じこもるのだと思います。<br />
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 私たち日本人はもともと草食動物的な農耕民族として個人的というよりは集団的、排他的というよりは協調的、外向的というよりは内向的、攻撃的というよりは守備的な社会を築いてきました。しかし、ものの考え方、ライフ・スタイルなどが欧米化して人との関わりに肉食動物的な騎馬民族の性向・やり口が浸透してくると、各々個人の存在・主張が強化・肥大してきます。その落差を埋め合わせることに対応できなくなってしまうことが「ひきこもり」の大きな要因だろうと思うのです。<br />
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 そして、個々人の集大成が国家ですから国家の諸外国との関係も「ひきこもる個人」と同じ理路があてはまると考えてもおかしくはないでしょう。すでに、その実例が次々に展開していることに気付いておられる方も多いと思います。<br />
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尻尾を振って出かけた鳩山元首相がアメリカから軽くあしらわれたのは記憶に新しいですね。外交の舞台でのあの扱いは軽蔑・侮蔑に等しいものです。オバマ大統領は日本及び鳩山元首相を尊重に値する対等な盟友として認めなかった訳ですが、日本はこれを覆すだけの気力も知力も方策もなかったのです。また、最近では尖閣諸島での中国漁船船長逮捕の事件では中国のいわばチンピラ的恫喝を軽くいなすどころか、慌てふためいて右往左往し、日本の外交手腕の未熟さを露呈しました。<br />
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 もっとも、話は古いのですが政界を引退すると公言したはずの鳩山元首相が今回の民主党代表選挙で訳の分からない調停工作をしたものの、不調に終わって「私はいったい何だったのでしょう?」とやったバカさ加減ですから、日本の首相を務めるほどの人がこの程度なのは分かっているのですが、私たち国民が恥ずかしいではないですか。菅首相の内閣になっても対外的な発言力は向上したとは言えません。中国の厚顔はもちろんアメリカの意向もあったのでしょうが、「船長の釈放は検察の政治・外交判断」という信じられない理屈で幕引きを図る大失態を見せてくれたばかりです。<br />
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 話が八つ当たり気味になってしまいましたが、外交の面ばかりでなく経済の面でもひきこもりは顕著です。中国はもちろん韓国やインドなどが素早く世界の潮流に乗って製品を開発・製造し積極的に売り込み、輸出して日本の出る幕はジリ貧状態です。海外留学した経験があったり海外赴任を望む社員の減少・枯渇も大きな要因だろうと思います。ありていに言えば、日本は経済力だけで存在を誇示してきたわけですから、それが萎えてしまえば三流の国家に成り下がる以外に道はありません。<br />
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 こうした外交や経済事情の底流の共通項は先ほど述べたコミュニケーション能力の低下です。国家間のコミュニケーションはただ単に話し合うことだけではなく、交渉力、説得力、論理性、倫理性はもちろんのこと力関係などを最大限に発揮して自国に有利な展開を導くことです。場合によっては自国に賛同してくれる国を巻きこんだり、相手を威圧したりして主張を通さなければならないことだってあるでしょう。これが下手であったり、間違ったり、出来なければ、後は殻に閉じこもってじっとしていることになるのです。国家のガラパゴス化、すなわち「国家のひきこもり」です。<br />
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 よく日本人は黙っているだけで何を考えているのか分からないと言われてきましたが、これが国家や国際経済のレベルにまで及ぶとなれば深刻です。それが高じると国家としての自尊心と諸外国からの尊敬・敬愛を失うことになり、日本はますます委縮して国全体がひきこもってしまっていくのです。特に、私たちが困った時に良く使う「言わなくても、それくらい分かるだろう」やり口は国際関係上では通用しません。きっちりと言葉や文書をあらゆるチャンネルを使って発信しなければ、何も考えや主張がないと判断されてしまうのです。<br />
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 「国家のひきこもり」の事態は一筋縄では克服できません。子育て、学校教育、社会構造、政治・経済などありとあらゆる面を横断的に検証して対策可能なあらゆる手立てを打たなくてはなりません。一朝一夕には解決しませんが、少なくとも日本の首相や外務大臣は英語くらい自由に使えることが必要最低条件だと思います。また、初等教育から高等教育まで学生が何を感じ、考え、それをどう表現するか。対立する課題を解決する場合どのような議論を展開して自分の主張を通して行く方法などを学ぶことも大切です。<br />
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 海外に居住していると、あらゆる面で日本からの発信が途絶えてしまっている現実がよく分かり、お節介かもしれませんが唖然とし、憤慨し、失望し、何とかしなければと心配してしまうのです。<br />
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