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心 どまり

蓮(はちす)の露 

2015年09月05日 ナビトモブログ記事
テーマ:言霊・メッセージ

 ひと通り庭掃除を終え、玄関先に置いて有る水蓮鉢に何気なく目をやりますと、何か光った様な!
近づいて見て見ますと、水蓮の葉の上に、一粒の露が!
その露は、お日様の陽射しを浴びて、七色に輝いていました。

 間もなく消えてしまうであろう、儚い命の朝露を眺めていて、良寛様が亡くなられた後、貞心尼が良寛様との贈答歌を一冊の本に纏めた唱和集『蓮の露(はちすのつゆ)』が思い出されました。

 純粋で率直なお二人の贈答歌のやりとりに、心をときめかせた方も少なくない事でしょう。

 私が『蓮の露』を知りましたのは、高校二年生の夏休み前。
選択教科・書道の文化祭出品作品の課題が『蓮の露』から対の二首を選び、条幅に仕上げると言う物でした。
自由課題も有りましたが、『蓮の露』を選びました。

 バドミントン部に所属しており、秋の大会(試合)が目前で練習もハードになり疲れていましたが、切なくて情熱的なお二人の遣り取りを紐解く内に、眠気など吹っ飛んでしまい、繰り返し何度も何度も読んでいた当時の私は、夢見る夢子さん(イマデモソウデス (*^-^*)v )で有り、恋に恋する少女でした。
ナツカシイデス!

 良寛様の関連書物や『蓮の露』を読み重ね、生き様やお言葉・お人柄等を知る程に良寛様に傾倒し、敬愛の念を抱くようになりましたのは、この事が切っ掛けです。

 人の一生は、本当に短いものです。
その短い間にどういう人間に出逢えるか!
その出逢えた人により、人は大きく変身出来る機会が有ります。本も然りです。貞心尼も良寛様との出逢いを、その様な大切な『佛縁』として捉えていたのでしょう!

 良寛様(70歳)と貞心尼(30歳)の四年余りに渡る交流を、恋愛ではなく師弟の愛だったとか、清らかな愛だったとか、そうではなかったとか、諸説有りますが、お二人の純粋な贈答歌を読んでいますと、深く心に沁みて来て、そんな事はどうでもいい様に思えて来るのです。

 良寛様が臨終に臨んでもなお、自分の寿命の心配よりも、自分より40歳も若い貞心尼の命の方を惜しみ、今はまだ若い貞心尼もまた、いつかは死んでいかざるを得ないこの世の定めを、貞心尼の為に嘆いている良寛様の優しさに心打たれます。
   
  
                  散
              残   る
          散   る   櫻 
          る   櫻
          櫻   も
                    良寛辞世                
 (意)
  今散って行くのは私ですが、私を看取ってくれる
  「残る櫻」である貴方もまた、悲しい事にいつかは
  散る事になる櫻なのですね!
  貴方だけでも、永遠の命を授かれば良いものを。

 人と人とが魅かれあう事の意義を、教えてくれた『蓮の露』です。歳を重ねて、また読み返してみますと、若い頃は理解出来なかった老いと介護の問題に直面したお二人のお心が、手に取る様に良く解ります。



 贈答歌内容は、『蓮の露(出逢い編)』に記しますので、宜しかったらお立ち寄り下さい。
 



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