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パトラッシュが駆ける!

トイレが近い 

2017年03月25日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

夜中に、トイレに起きる。
それが、再度に及ぶこともある。
と言ったら、友人の語句氏が、眉を曇らせた。

「それは、肥大しているかもしれませんね」
何が……とは言わないけれど、わかる。
前立腺のことである。
彼はその方面に詳しい。
かつて、泌尿器科にかかったことが、あるからだ。

私の身を、心配して下さっている。
持つべきものは、友達であり、ありがたいことだ。
しかしながら私は、それほど、深刻に受け止めていない。
原因に、心当たりがあるからだ。

私の晩酌は、夜九時過ぎ始まる。
商店主時代からの、慣習で、そうなっている。
ビールを飲み、清酒をやる。
そして、これが肝心なのだが、清酒を飲み終えた後に、水を飲む。
ほんの、100ミリリットルほどだが、
これが体内各部への、洗浄水として、有効だと聞いている。

それから寝る。
その前に、トイレに行く。
飲んだビール、清酒、水の、すべてが、そこで排出される、わけではない。
体内に、残ったそれらが、睡眠中に、私のタンクに溜まる。
満ちて、溢れようとする。
これは、ごく当たり前の現象、もっと言えば、節理だと思っている。

つまり、病気ではない。
医者に行く必要もない。
肥大なんて言われても、その実感がない。
私は、無知な人間であって、そもそも、前立腺なんて臓器が、
何処にあって、何の働きをするか、それすらも、知らないでいる。

「七十代では、八十パーセントの人が、肥大しているそうです」
語句氏が言う。
そうだろう、仲間が居る。
みんなで肥大すれば、怖くない。
にわかに、心強くなったりする。

 * * *

山口瞳先生にも、頻尿の気味があった。
そのサラリーマン時代の話である。
仕事で、都内を回る関係で、山手線各駅の、トイレの位置に、
精通していたそうだ。
○○駅は、トイレがキレイで、××駅は、ホームから遠い。
なんてことをである。
山口さんは、何事につけ、選り好みの激しい人であった。
「行きつけの店」という、随筆集があり、これを私は、
名著だと思っている。
「行きつけのトイレ」も書いてもらいたかったけれど、
さすがの山口さんも、そこまでは、手が回りかねたようだ。

私は長く、在宅で仕事をしていた。
金物店時代、そして、囲碁サロンになってからも、
トイレには、何時でも行ける。
ものの、数歩で行ける。
そう言う生活を続けて来ている。
自分が、頻尿であるとの、認識はない。

仮に肥大しているとして、では、どうしたらよいのであろう。
医者に行って、薬をもらう。
それを考えただけで、私は憂鬱になる。
一大決心をして、医者の門をくぐるくらいなら、
人より多くトイレに通ったって、一向に構わないと思っている。

 * * *

観劇に臨んでは、幕間ごとに行く。
歌舞伎座、演舞場、国立劇場、これらのトイレの位置には、精通している。
していたところで、なんのメリットもないのだが。
男子トイレに行列が出来ることは、ないのだから。

足繁く行くのは、あくまでも、用心のためである。
芝居の最中に、我慢をするのは辛い。
それを、防ぐためである。

月に一回、銀座の風流寄席に行く。
この時も同じ。
駅構内で、済ませてから、料理店に乗り込む。
落語が終るや、すぐにトイレに行く。
いずれも、尿意を催しているわけではない。
用心のためである。
噺が佳境の最中に、席を立つなんぞ、みっともない。
そして、落語の後には、会食が行われる。
その、宴たけなわにして「ちょいと失礼」は、不粋だからだ。
転ばぬ先の杖、これが大事だと思っている。

 * * *

しかしながら、考えてみると、これがいけないのかもしれない。
膀胱のやつ、渇水期の、利根川水系のダムみたいに、なっている。
常に、満水に達しない状態で、放水をしてしまう。
圧力に耐える、習慣がない。
それが、ダムを脆弱にさせている。
すぐに放水へと奔る。
私の用心は、悪循環の元となっているのでは、あるまいか。

金曜日の夜、私は、国会議事堂前駅から、地下鉄に乗り、帰途に就く。
午後八時過ぎ、周囲は人であふれている。
国会議員ではない。
職員でもない。
デモの参加者である。

地響きがする。
地下鉄に特有の、電車の近接音だ。
「えい、ままよ」
その夜に限り、私は、トイレを省略し、ホームへの階段を、駆け下りた。

結果として、何も起こらなかった。
次にトイレに行ったのは、帰宅して、遅い夕食を食べ、
茶を飲み、それからであった。
前回の放水から、三時間が経っている。
その気になれば、トイレになんぞ、行かなくても済む。
恐れることは、なかったのだ。
私は少し、おのれの排出機能に、自信をつけている。



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そうですね

パトラッシュさん

我太郎さん、
尿意は、必ずしも、生理的要素ばかりでなく、
精神的な側面が、大きいと思われます。
気にしない方が、良いのかもしれません。

2017/03/30 12:04:56

トイレ問題

我太郎さん

体調、気温、摂水状態等さまざまで夜中に起きることもありますが、2度、3度となると問題だと思っています
常時だと問題でしょうが、近いことには頓着していません
普通で2時間から3時間、何かに熱中していると4、5時間は忘れてれています
逆に精神的ストレスで1時間もしない内に尿意を覚えることもあります
気にするとかえって良くないのではと、あえて気にしないようにしています

2017/03/30 09:00:49

人によりけりですが

パトラッシュさん

みのりさん、
眼は覚めますけれど、すっかり排出すると、気持よくなり、またぐっすり眠れます。
睡眠不足に陥ることは、ありません。

2017/03/26 11:47:41

トイレが近い

みのりさん

パトラッシュさん
 トイレが近いと夜に
何回も眼が覚めるのでは?
 主人がそうです。
私は朝までぐっすりです。

2017/03/26 10:27:45

お茶なら

パトラッシュさん

喜美さん、
同じく……でしたか。
あれは、気になると、余計に気になるのですよね。

お茶は、健康に良いと聞きます。
私は「よく飲め、よく出せ」で、よろしいのではないかと、こう思っております。

2017/03/25 13:33:29

花を摘む

パトラッシュさん

山すみれさん、
カナディアンロッキーを、トレッキングとは、貴重な旅をなさいましたね。
自然保護の精神は、我が国より、よほど進んでいるのでしょう。
こんなところにも、その国の、民度というものが、窺えます。

もしかすると、脅迫観念かもしれません。
途中で催したら、どうしよう……という。
人間のあれは、結構大きいのだと思われます。

「お花摘み」
ものは言い様で、風雅になりますね。
ちなみに、男の場合は「キジを打つ」で、小の場合は「小キジを打つ」になります。

2017/03/25 13:29:29

私も

喜美さん

習慣ですね 学生のころから
皆に笑われるくらい休み時間になると行きました 如何しても行きたいわけでなく もし授業中行きたくなったら困ると用心でした 其れに皆さんがお酒飲むくらいお茶を飲みました
最近病気に成ってからむくみが出るので余りがぶ飲みはしません

その用心が悪いのか他の人より伸縮が悪いのか それとも加齢か勢いがなくなりました

2017/03/25 09:49:26

神経

山すみれさん

結構過敏な時〜有りますね〜

昔カナディアン ロッキーに
トレッキング旅行した時

現地の日本人ガイドがここでは環境守るため4時間
「お花摘み (トイレに)は行かれません」

私は、困りました が 我慢できたのでした。

それまでは、再々済ませて居たのでした。

若い聡明なガッチリした体格のガイド
のお陰で、道路に至るまで
場所々の歴史に纏わる卒のない説明 と

その後の旅の神経も取っ払って呉れた
得した^^想い出です〜♪

2017/03/25 09:44:54

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