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自粛の強迫観念 

2011年03月31日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 

 
大津波は三陸の牡蠣養殖にも大打撃を与えた。牡蠣と言えば全国一の生産を誇るのが広島であるが、島国日本ではその他にも多くの産地がある。 宮城県気仙沼市 で牡蠣養殖を営む畠山重篤さん(67歳)は私と同い年である。「森は海の恋人」を合い言葉に、牡蠣が育つ海を良くするため森林活動を続けている畠山さんの養殖場も大きな被害を受けたが、「地震があっても海の力は変わらない。牡蠣は育つ」と、再起を期する姿勢は、ひたすら前向きだ。
養殖場では、海の上にあったはずの養殖場のいかだのほか、作業場、加工場など全てが流失した。それでも「海で生きるしかない」との気持ちが揺らぐことはなく「海に牡蠣を入れれば、日々大きくなる。津波の後の方が、牡蠣はよく成長する」と言い切る。
「一日も早くお客さんにおいしい牡蠣を届けられるように」と、自分を奮い立たせるように語る畠山さんの顔には勇気と自信がみなぎり、新聞の写真で見る笑顔には胸を打たれた。
 
津波の来襲と高台への避難を最後まで呼びかけ続けた遠藤未希さん(24歳)のことは、15日に「速く逃げて!」命かけた防災無線・・・としてブログにアップしたが、その遠藤さんの安否はいまだに分からない。「6メートルの津波が来ます。避難してください」という冷静で聞き取りやすい呼びかけはたくさんの人の命を救った。逃げながら放送を聞いた人は、「放送が途中できれた。最後のほうは声が震えていた。放送するのに精いっぱいで、逃げられなかったのだろう」と話す。遠藤未希さんは、昨年7月に婚姻届を出し、今年9月の披露宴に向け楽しそうに準備をしていたという。未希さんの名前は、未来の「未」、希望の「希」だと悲しみの母は説明する。
 
米紙ニューヨーク・タイムズは28日付けで「津波後の日本は自粛という新たな強迫観念に襲われた」との見出しの記事を掲載し、日本国民の多くが地震や津波の犠牲者への弔意から日常の活動を縮小するようになり、国民経済への悪影響が懸念されると伝えている。
東京発の同記事は、日本で「地震、津波、原発で何十万という国民が被害を受けたことから、被災地以外でも、少しでもぜいたくにみえる活動はすべて非難されるようになった」とし、日本国民の全ての層が生活面での「自粛」をするようになったと報じた。
自粛はまず電力の節約という形をとり、日本国民が「電灯、エレベーター、暖房、トイレ座席の暖房まで止めるようになった」とし、安売りカメラ店の客案内の音声やカラオケ店への出入り、桜の花見、高校野球応援、東京都知事選の候補者の音声までが自粛されていると指摘した。
同記事は自粛が過剰になっていることを示唆し、企業や学校の行事のキャンセルが日本の経済全体の60%に及ぶ消費支出を大幅に減らし、「もともと停滞していた日本経済に浸食効果をもたらし、倒産を急増させるだろう」と述べている。
また「東京都民にとっての自粛は被災地の人々との連帯を示し、自粛をする側を何か良いことをしているという気分にさせる安易な方法だ。しかし、当人達は実際にどんな効果をもたらすかはあまり考えていないようだ」とも論評している。
 
被災地の人も被災地以外の人々もこの記事をどのように理解するだろうか。大きな被害を受けながらも勇気を持って再起しようとしている牡蠣養殖の畠山さんのような人も少なくない。
世界最大級の被害となったこのたびの大震災は、世界中の注目を集めているし、世界各国からも多くの支援の手が伸びている。日本国民のやさしさや思いやりから来る「自粛」の精神が、この大被害を受けた被災地の人々に、はたして喜ばれるだろうか。「自粛」が日本全体の復興にブレーキをかけるものであれば、「速く逃げて!」と叫び続けた遠藤未希さんを悲しませるに違いない。あまりにも大きすぎる被災地の復興には、多くの時間がかかるだろう。しかし、復興の力強い音はもう聞こえ始めている。被災地以外の人々は、一刻も早く平常心を取り戻し、被災者への支援を続けながらも力強く前へ進まなければならない。
そして見事に復興してみせることが全世界からの温かい援助に応える唯一の証である。
すべての日本国民が「自粛」という呪縛から一日も早く解き放され、この不幸な出来事を逆手にとって被災地の復興と日本経済の回復に突き進むことを望む。
 

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