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北軽井沢 虹の街 爽やかな風

笑いは幸せな老年夫婦の必需品 

2011年06月26日 外部ブログ記事
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我が家には女性の秘書が三人いる。常時出勤しているのではなく、週に3日程度で交代するようになっている。彼女らは娘時代に我が家の秘書だったが、結婚して辞めていった。それが、子供が大学に行くようになって、いろいろと費用がかかるので、二度目の勤めに出た、ということである。四十代が一人、五十代が一人、六十代が一人。私は彼女らに、妻、つまり曽野綾子の若いときの写真を探してくれ、と頼む。
「なぜですか」彼女らは不思議そうな顔をする。
「いやね、今の彼女は恐ろしいだろ。何かというと、ボクのことをボケたんじゃないの、と言うしさ。何か言おうとすると、『人の会話のジャマをするんじゃない』と叱る。こんな怖い人と結婚した覚えはないんだ。だからよっぽど、昔の彼女はセクシーだったとか、窈窕(ようちょう)たる美女だったか、と思ってさ。ウン、なるほど、これならボクがだまされても仕方がない、というような人だったのかな、と」
そう言うと、彼女らは笑って、相手にしてくれない。もちろん、曽野の若い時の写真を探すようなことはしない。しかし、ヒョッとすると、彼女らは私の言葉から、自分たちも、夫にそう思われているのではないか、と反省するかも知れない。
・    ・・・・中略・・・
彼女らも結婚四十年、三十年記念が目前に迫っている。多分、家庭では暴君的主婦になっているに違いない。それで私は、彼女の夫や子供のために、曽野の悪口を言って笑わせているのである。
・    ・・・・中略・・・・・
人には内面と外面がある。外に対してはユーモアで対処しても、身近な人には、ナマの感情をぶつけることもあるだろう。人は感情の動物だ。曽野綾子だって、私に対しては、罵詈雑言の限りをつくしても、他人にはそんなことはない。老人になると、ナマの感情をぶつけることが許されるのは、やはり配偶者なのである。その意味では配偶者は貴重である。とにかく五十年も暮らしていると、裏も表も見えている。親だって、自分たちの素顔を子供に見せることはない。また誰だって、わが子にはよい人間であろうとする。逆説的に言えば、配偶者につらく当たることができるから、それ以外の人には、面白い老人でいられる。
幸い、配偶者にボケたの、バカだの、気がきかないと罵られても、あまり腹が立たないのは、相手が感情のやり場として、配偶者しかない、とわかっているからである。配偶者が自分を罵るのは、彼女が自分でうまくやれないから、苛立っているためである。つまりボケたの、グズだのということは、それは無意識のうちに、自分の現状を嘆いているのだと考えてもよい。
だから本当は、私は若い時の曽野の写真など見る必要などないのだ。私は現在の彼女で結構、満足なのだ。しかし、私が先に死ぬと、彼女はナマの感情をぶつける相手がいなくなって、それが可哀相である。できることなら、私は彼女の死に水を取ってやりたい。それが老いた私の彼女への愛情というもので、そのためにも、私は彼女が死ぬまで健康でいたいと願っている。
                三浦宗門著「老年の品格」より
 
夫婦とは何ぞや、それは、人生と同じく夫婦の数ほどの解答があるに違いないが、結婚年数が増えるにしたがって、すこしずつ違った答えが出されるのかも知れない。我が家の巣箱で懸命に子育てをしているシジュウカラのカップルは何度も飛び立ちながら青虫を咥えて巣にもどっていたが、いつの間にか、私たちの知らない間に子どもたちは巣立っていき、そのカップルを見ることはなくなった。
 
「60歳以上の高齢者」と呼ばれるようになってから、早くも8年になるが、私たち夫婦は前期高齢者と呼ばれる65歳を過ぎた。75歳からを後期高齢者と呼ぶが、三浦宗門は、85歳からを終期高齢者、95歳からを末期高齢者と呼べばよい、と言っている。
 
私の父は、81歳でこの世を去った。つまり、三浦宗門の言う終期高齢者には届かなかったのである。私は先月、思わぬ病に襲われ20日間の病気状態を経験したが、北軽井沢スウィートグラスというところでアルバイトをするようになり、現在「必要とされている」という嬉しい意識を持つようになっている。新しい経験の中で、新しい発見も多く、健康も回復して意欲もある。
今まさに人生の春、終期高齢者を突き抜けて末期高齢者を目指したい。
そのためにも「夫婦仲良く」は必須条件である。
「笑う門には福来たる」まったく、人生は素晴らしい。
 
 

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