メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

パトラッシュが駆ける!

居酒屋止まり 

2019年09月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

私は、夕食時に、ビールを飲む。
さらに就寝前には、清酒を飲む。
毎晩これを欠かしたことがない。
飲兵衛の謗りは、甘んじて受けよう。
自分ではこれを、健康の源だと思っている。

外へも飲みに出かけるが、それは居酒屋まで。
女性の接待が行われる酒場には行かない。
若い頃の、苦い経験が尾を引いている。
楽しく飲んで、店を出ようとしたら、
えっと驚くような金額を請求された。
これを「ぼられる」というのだろう、
予想した金額の倍も高かった。
財布の中身を洗いざらい出して、何とかその場を凌いだが、
当然良い気持はしない。

女性が付きっきりで、酌をしてくれる。
艶笑話にも応じる。
時には身体を寄せ、接触をも厭わない。
そのサービス料と思えば、仕方ないのかもしれない。
しかし汗水たらして働き、爪に火を点すように貯めたお金を、
束の間の悦楽に費やすのは、いかにもバカバカしい。
私は人間の器が小さい。
次第に、その種の店に行かなくなった。

友が来ると、居酒屋へ行く。
気の合う仲間と、語りつつ飲む。
それはそれで、楽しいものだ。
見知らぬホステスと、あるいはバーテンダーと語るとなれば、
こちらが客であっても、それなりに気を使う。
気の置けない仲間と、放談している方がいい。
ずっといい。
私は結局、人見知りなのであろう。
そして、吝嗇でもあるのだろう。

私が、文章の師と仰ぐ山口瞳さんは、
様々な酒場に出入りしておられた。
当然に女性の侍る店にも行かれた。
歓待を受けたようだ。
それは、サラリーマンの頃からだから、
必ずしもポケットマネー多寡とは関係ないようだ。
そして、多くの人に好かれる、その人柄のせいもあったろう。

私だって、叶うことなら、山口さんと飲み且つ語りたい。
ということを、かつて思った。
亡くなられて二十数年、今でも、その著作を読む度に思う。
山口さんには、世の多くから慕われる、人としての魅力があった。
それを人望と言ってもいい。
私に欠けているのは、それだ。
時に、勘定など気にせずに遊蕩する。
それが出来ないのだから、私は人間の器が小さい。

 * * *

私は週に一回、近くの小学校へと、通っている。
クラブ活動の場へ、囲碁将棋を教えにである。
それもそうだ、遊蕩者の私が、例え小学生相手にでも、
理科や社会を教えるわけがない。

教室には、同僚の先生が数人居る。
いずれも私同様に、リタイアした、いい歳のおっさんばかり。
何らかのコネにより、それぞれ個別にスカウトされ、やって来た。
従って、先生間には、横の繋がりというものがない。
「私、あの人と話したことがありません」
なんてことを言う人も居る。

これではいかん。
昨今、世の中では、思いがけない事件が起きる。
それが何時、教室内に波及して来ないとも限らない。
もしもの時には、先生同士、連携を密にし、
素早く行動しなければいけない。
それには、日頃から、コミュニケーションを密にしておくことが必要だ。

私は、懇親会の開催を思い付いた。
会費を取り、居酒屋でやる。
それもいいが、世の中飲兵衛だけで、成り立っているわけではない。
先ずは、一堂に会することに意味がある。
私は、私の運営する囲碁サロンにおいて、
これを行うことを思い付いた。
そうすれば、会費を頂かないで済む。
クラブ活動の後、そのまま流れて来てもらえばいい。

目論見は上手く行った。
用意した清酒、ビール共に、八割方を消費した。
大皿に盛った焼き鳥も、あらかたなくなった。
東欧への旅行から帰った、T子さんから、
ちょうど土産にキャビアをもらっていた。
これをクラッカーの上に乗せて出したら、
皆さんが喜んで下さった。
案ずるより産むが易しとはこのこと、
私の企画は、まんまと当たった。

会費をと申し出る声もあったが、もちろん断った。
「クラブから頂いた、謝礼金や交通費があります。
これを使わずに、貯めておきました。
部のために、使おうと思ってです」
用意していた口実を述べた。
我ながら、かっこよすぎると思うけれど、仕方ない。
皆さんとの親睦の実を上げるためには、こうでもするよりなかった。

問題は、次をどうするかだ。
一回こっきりで終らせては、意味がない。
私は気の短い男だ。
次回開催を、早くも考えている。
部が創設して十三年。
当初から参加していた先生は、何時の間にか去り、
私が最古参となってしまった。
となれば、先生同士をまとめるのも、私の務めであろう。

皆さんの意向次第で、次は、居酒屋へ行く案も考えている。
「勘定は私が持ちます」
これを言ってやりたいのだが、皆さんが多分、
これを認めないであろう。
「要らない」「いや払う」で揉めるのもみっともない。
何とかスマートに落着させる案がないだろうか。
それを今、考えている。

女性の接待する店に行く。
それだけは、ないだろう。
誰かが言い出しても、私が制止するつもりだ。
でも、万が一ということもある。
太っ腹な奴がいて「俺の奢りだ」とでも言うなら、それは別だ。
その時は、行ってやろうかしら……と思っている。
私の人生には、仕事柄もあり「饗応を受ける」ということがなかった。
私の飲酒は、この影響を受けていると思われる。



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

機が熟すのを待つ

パトラッシュさん

シシーマニアさん、
初回成功したのですから、さほどに悩まなくても、よろしいのではないでしょうか。
機運が盛り上がれば、次は誰かが言い出すことでしょう。

と言いつつ、私も怠けておりますが……

2019/09/28 15:48:29

問題は、次をどうするかだ。

シシーマニアさん

まさに、これが問題ですよね。

私もこの年になると、率先して親睦を深める様な会を企画することがあります。

最初は新鮮ですし、楽しい会になることが多いだけに、問題は、その次ですよね。

師匠とご一緒したランチ会も、遠距離を自分への言い訳にして、中々次回への具体策が生まれず、悶々としております。

2019/09/28 09:48:32

PR







上部へ