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妻の誕生日を祝う 

2011年07月11日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
誕生日は生まれた日のことであるから、生年月日のその日だけについていえば一生に一度しか存在しないのだが、世の中では毎年生まれた日を誕生日として祝っている。こればかりは、世界中どこでも同じだと思っていたが、日本のように自己の誕生日を認識している人が多い文化圏と誕生日の自認があまり重要でない文化圏があるようだ。
例えば、サウジアラビアなどアラビア半島社会では、大半の人間が自分の誕生日を知らないため自身の年齢も正確に把握していない人が多い。このため、サウジアラビアのパスポートでは生年月日蘭は任意項目で、記載されていない人が大半であるという。
 
誕生日の祝いについて考えてみると、日本のほとんどの人々が誕生日を意識し、形はどうであれ何らかの祝いを実施している人々が多いように思う。しかし、それも育った環境というか自分の両親の考え方でいろいろと異なり、生まれてから成長していく過程で考え方に大きな差ができる。
私の場合、小さな子供時代から誕生日を特別に祝うということがなかったように思う。そして、よその家庭で誕生日の祝いをしているのが羨ましいと思ったこともあった。
 
7月11日は妻の誕生日である。結婚して40数年、今日は誕生日だねと言ってバースデイケーキを買って帰ったり、たまには何処かで食事をしたりという経験はあるが、特別にその日を大切に祝ったことはなかった。若い頃は、そのことに関して妻は何時も不満を漏らしていたが、長い月日の経つうちにいつの間にかそのことを口にすることもなくなっていた。
 
こちらに移住してきて、私は、妻の誕生日を祝うという行事を実行しようと密かに考えていたが、なぜかそのチャンスを逃がしていた。しかし、このたびはついに誕生日を祝うという行事を実行に移した。梅雨もあけ、朝から強い日差しが森の緑に降り注いでいた。いつもの時間に起床、愛車ニュービートルを洗車した。ピカピカの愛車は私たちを乗せて軽井沢へと向かった。
 
妻の大好きなフランス料理は、実は私は大の苦手なのだが、今日の誕生日はフランス料理と決め、インターネットで検索して予約したレストランは「ラ・ベルクール軽井沢」。“美しい心”という名のレストランである。午前11時20分、予約時間の10分前に林の中にひっそりと佇む洋館に愛車ニュービートルは滑り込んだ。入口ではすでに正装した人物が待ちかまえていて私たちの名前を呼んで確かめ室内へと案内してくれた。後で妻と話したのだが、彼はウエイターというよりもギャルソンと呼ぶ方が相応しいと思った。
 
案内されたテーブルは、その店で最も人気のあるという席で、うっそうと茂る林が一望できる席であった。テーブルにはバラの花びらが散りばめられていて、バースデイを祝う席に相応しい演出が妻を喜ばせた。私たちは、メニューBのコースを注文したが、まずアミューズから始まったことで妻の顔はほころぶ。アミューズとは、日本料理で言う「先附」にあたり、前菜の前に出されるものだと妻は説明する。「ようこそご来店くださいました」という心遣いの意味があり食前酒と共に出されることが多く、アミューズを楽しみながらその日のワインを決めたりすることが多いと、説明を続ける妻の口はなめらかになっている。
 
この店のオーナーシェフは、18歳で料理の世界に入り青山「ポワソンルージュ」を経て、ヨーロッパの「コートドール」、「グラップドール」、「オーベルジェドソレイユ」などで3年間修行した後、白山「ラベルドジュール」、芝公園「クレッセント」で副料理長を経験した。
2000年埼玉・桶川にて「ル・ベルクール」を独立開業し、2004年7月同店を軽井沢に移転した。
 
季節の野菜を使った前菜から始まりスープ、メインディッシュ、デザートとコース料理は絶妙のタイミングで現れる。その都度丁寧に料理の説明があるが、私は頷きながら聞き流している。
妻は食事をしながら味や器の話し、テーブルマナーなどの説明も忙しい。しかし、自分の得意とする範疇のことなので生き生きとしていてとても楽しそうだ。若い頃は、こういうのがとても面倒くさく感じていたが、今ではじっくり微笑みながら聞くことができるようになってきた。人は誰も得意なことを話すときには、能弁になるものだ。この歳になってやっとそのことに気づくというか、自分勝手だった若い頃を思い出しながら心地よいひとときを過ごすようになっている。
 
デザートのときの飲みものは二人ともハーブティにしたが、4種類のハーブから選べるようになっていて卵形の器に入った品の香りを楽しみながらチョイスする仕組みは素晴らしいと思った。
コース料理はすべて満足のいくものだったが、最後の思わぬ出来事が妻の心を揺るがし喜びは頂点に達した。デザートが終わった後、ワゴンに乗せられた特別メニューが運ばれてきた。そして、それにはハッピーバースデイのメロディが流れるオルゴールも添えられていたのだった。
妻の誕生日のためにオーナーシェフが心温まるプレゼントをしてくれたことは、忘れられない想い出となり、心温まるひとときは素晴らしいフィナーレとなった。
 
移住生活4年目に入り、私たちの老後生活はますます充実したものになっていくようだ。
そしてまた一つ、素晴らしい想い出と共に、新しいレストランとの出会いがあった。
まったく、人生はすばらしい。
 
 

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