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父−8 

2011年09月05日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

息子の4年間にわたる大学生活は無事終了した。なんとか4年で大学を卒業した息子の就職先は「モスバーガー」という会社だった。就職が決まって連絡してきた息子は「社長の考えに感動した!素晴らしい会社である」と、興奮気味に話していた。
 
モスバーガーのMOSの本来の由来は、創業者・櫻田慧がモス・フード・サービスの前に起こした会社Merchandising Organizing System の頭文字だが、MはMountain(山のように気高く堂々と)OはOcean(海のように深く広い心で)SはSun(太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って)という意味らしい。初期にはMOST delicious hamburgerのポップを店頭に掲げていたため、MOSTの最初の3文字の略だと思われていたらしい。
日本人の好みにあったハンバーガーを提供することを掲げ、日本のハンバーガーフランチャイズ店でのシェアは、日本マクドナルドに次ぎ第2位。
1990年代後半、マクドナルドに端を発するファストフードチェーンの値下げ戦争の中で、ハンバーガーを10円程度しか下げず大幅な値下げをしなかったのは「当時一番売れている煙草の値段を元にモスバーガーの値段を考える」という、基本的なポリシーを遵守していたためと言われている。私はあまりこういうものを食べなかったが、息子の就職先ということで、一時興味をもったこともある。モスバーガーは、素材を厳選し、注文を受けてから作る「アフターオーダー方式」など、スローフードのような作り方をしているのが特徴でファストフードではなく「ハンバーガーレストラン」と分類される場合もある。
 
大学卒業後、意気揚々と働いていた息子だが、たしか、それも半年あまりで異変が起きる。
「モスバーガーをやめる」という息子の発言に驚いた。次々に変わるアルバイト学生を使って、毎日同じことの繰り返しでもう耐えられないと言うのであった。
「仕事」というものは元来「同じことの繰り返し」である。どのような種類の仕事であっても、いつも同じことの繰り返しである、ということに気がつかない人が多い。しかし、仕事はいつも同じことの繰り返しである。同じことを繰り返していくうちに、それに対する創意工夫が生まれ、経験が豊富になればなるほど、技術屋なら技術が向上し、物書きなら文章が美味くなり、歌手であるなら歌もうまくなっていくのである。もしかして、「人生そのもの」も同じことを繰り返しつつ成長していくものかもしれない。しかし、若かった息子にはそれが分からなかった。
そのままモスバーガーに留まっていたなら、彼の人生も大きく変わっていたに違いないが、食のコンサルタントをしている人に弟子入りをすることにしたという息子の進路を私が阻む理由はない。後にその人は息子の結婚の仲人を務めてくれたが、その人の下で学んだ何年間かは、確かに現在まで大きな影響があったと思われる。
 
どれくらいの期間であったかもう記憶にないが、コンサルタントの仕事を経験した後、その人の紹介で日清食品が経営するレストランに就職することになる。そして、ここでも上司に恵まれ「食」について多くを学んだ息子に起こった次の事件は、就職先のレストランが閉鎖になるということだった。世の中の移り変わりで職を失う人が多い現在、大会社といえども定年退職まで、勤め上げることが困難になっている。終身雇用という言葉さえ忘れられようとしている今では、転職はごく当たり前のようにさえなっている。世の中の様々な進歩発展は人の人生にも大きな影響を与えるものだ。
 
その後の息子は、「転職」そして「結婚」という人生の岐路に立ち、いよいよ世間の大海原へとこぎ出していくことになる。
 

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