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パトラッシュが駆ける!

新春小噺 

2013年01月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

「おう、熊よ。狭いにっぽん、そんなに急いで、何処へ行く?」
「えへへー、ご隠居さん。何処だと思う?」
「どうせ、ろくなところではあるまい。正月早々、
一攫千金でも夢見たか」
「いい線行ってるね。但し一攫じゃねえ、こちとら一食だ」
「なんだ、一食とは」
「えへへー、築地でやんす。あそこの、何とかってえ寿司屋で、
一億五千万のマグロを、食わしてくれるってえんで」

「あれに釣られたか。愚かなことだ」
「てえしたマグロじゃあ、ございませんかい、えー」
「あれは、宣伝だ。マスコミから何から、踊らされている」
「でも、嘘じゃないでしょ。キロ七十万てえのは」
「よく考えて見ろ、そんなもんが、採算に合うわけがない」
「採算なんか、知りやせん。こちとら、うまけりゃいいんで」

「高けりゃ、うまいってものでもない」
「でも、世の中は、大体そうでしょ」
「おのれの舌に、自信のないやつのやることだ。
一つのブランド頼みだな」
「魚にもブランドですかい?」
「あるだろ、関サバとか、明石の蛸ってえのが」
「あれだって、うめえって、聞いてまっせ」

「ブランドってえのはな、針のようにかすかな差を、
棒のように、大きく見せる、一つの商業戦略だ。
値段ほどの差が、あるわけじゃない」
「食べる当人が、うまいと思えば、それでいいでしょ。
他人からとやかく、言われたかぁねーや」
「なら、勝手にしろ。ぐしゃめ」
「何か、踏み潰しましたかい?」
「愚かなる者ってことだ」

「ははあ、わかった。ご隠居さん、妬いてるね」
「何を?」
「寿司を食いに行けねえってんで」
「冗談を言ってはいけない。寿司なんぞ、いくらでも食べられる」
「マグロなんか、えへへ、もう何年も食ってねえんでしょ」
「よく知ってるな」
「長屋中で知ってますよ」
「マグロとは、女子と小人の好むものだ。早く言えば、素人向けだ」
「じゃあ、何を食うんで?」
「酢で、きりりと締めた、コハダなんかいいな。
アジもいいな。サバもいい」
「なあんだ、安魚ばっかだ」
「板前の、腕がもの言う魚ばかりだ。
マグロなんぞ、ただ切って、載せただけだ」

「行って来やーす」
「ニセを掴まされるなよ」
「マグロにニセがあるんで?」
「南アフリカ産かも知れんぞ。大間で獲れたマグロが、いくらでもあると思ったら、そりゃ、大間違いだ」

お後がよろしいようで・・・



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かしこさん

パトラッシュさん


「あんたもやるねえ。ちょっくら、小噺でも、
作ってくんねえ」
「へーい、かしこまりました」

2013/01/12 08:48:09

こんばんわ

かしこさん

いいねぇーーこんな話を読んでると
世の中の不景気も飛びそうだわ

大間のマグロも南洋のマグロも
のど元すぎりゃぁーー旨さも分からない

そんでも一億五千万円のお金が動く
日本は平和でござんすよーーー

2013/01/11 17:51:58

マグロで一杯

パトラッシュさん

まあ、漁師さんの所得になるなら、良しとしましょうか。
(中間業者が儲けるなら、問題ですが)

三千円…一回飲めますね(笑)

2013/01/08 07:22:15

大間のマグロ

吾喰楽さん

このニュースを知って直ぐに、1億5千540万円を、222kgで割ってみました。
何と1kg当たり、70万円。
握り寿司1貫当たり、3万円。
5千180貫取れるそうです。
通常価格で販売すると云っていましたから、1億5千万以上の赤字になります。
広告宣伝費として、如何考えるかですね。

セリ落とされた価格の80%は、漁師さんに渡るそうです。
宝くじが当たったようなものですね。
ところで、年末ジャンボで3千円が当たりました。
吾喰楽の幸運は、この程度です。

2013/01/07 15:32:51

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